つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

胸水の原因 滲出性と漏出性胸水の違い

胸水の原因 滲出性と漏出性胸水の違い

 

通常、胸水の元となる体液は壁側胸膜の毛細血管から胸腔内に入り、壁側胸膜にあるリンパ管から吸収されてバランスが保たれている。

しかし、肺実質の病変・低アルブミン、心不全などにより毛細血管透過性の亢進、静水圧の上昇、膠質浸透圧の低下が起こると壁側胸膜と臓側胸膜の間の空間に胸水がたまってしまう。

胸水は性状により炎症性の滲出性胸水非炎症性の漏出性胸水に分かれる。

 

滲出性胸水について
滲出性胸水は細菌感染、腫瘍、炎症、結核などによって胸膜が損傷し、毛細血管透過性亢進やリンパ液灌流低下により生じる。
代表的な原因:悪性腫瘍、結核、肺炎
胸水の特徴:混濁している、細胞成分多い、繊維素多い

 

漏出性胸水について

漏出性胸水は心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群、低栄養などでみられ、静水圧亢進や膠質浸透圧低下で起こる。
代表的な原因:心不全、肝硬変、ネフローゼ、低アルブミン
胸水の特徴:透明な液、細胞成分少ない、繊維素少ない

 

少なくとも最低限覚えなければならないこととしては滲出性胸水は炎症によるものであり、漏出性胸水は静水圧力によるものということである。しかし、”漏出”も”滲出”も意味が似ていてどっちがどっちか混乱しやすい。

【試験対策的な覚え方】

漏出のという字には”さんずい”に”雨”という水成分が2つあるのに対して滲出性の”滲”には水の要素がさんずいだけで1つだけなので、濾出の方がより水っぽい、つまり水が漏れ出る、一方で滲出性はタンパクや細胞成分が多く出る方と覚える。あくまでイメージ的ではあるが国試的には有用な覚え方だと思う。(by勉強会の友人)

 

 

具体的な鑑別

滲出性胸水の鑑別にはライトの基準が用いられる。

1、胸水中タンパク/血清蛋白比>0.5以上
2、胸水LDH/血清LDH>0.6以上
3、胸水LDH/血清LDH正常上限値×2/3

これらのうち一つでも合致した場合は滲出性胸水である。

メモ:漏出性胸水でも利尿薬による胸水濃縮で滲出性と判定されることがある。

 

滲出性胸水の鑑別
・好中球優位:細菌感染、肺塞栓、膠原病
・リンパ球優位:結核、悪性腫瘍、肺塞栓、膠原病など。原因不明も多い
・血性胸水:悪性腫瘍、肺塞栓、外傷
・乳び胸:悪性リンパ腫をはじめとする悪性腫瘍が多い。

などが挙げられる。