つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

死腔の増加、減少の起こる原因

死腔とは…

気管において、吸い込んだ空気のガス交換のされない部分のこと。死腔には解剖学的死腔と肺胞死腔がある。解剖学的死腔とは鼻腔、口腔、気管など空気の通り道であってガス交換を行わない場所のこと。肺胞死腔とは換気血流不均等でガス交換を行えない肺胞のこと。

(ただ、一般的に死腔というと解剖学的死腔のことを指す。)

 

死腔の容積は約150ml。一回換気量(500ml)の約30%と言われている。

500mlの空気を吸っても実際にガス交換している肺胞に届くのは350mlほどで、残りの150mlは口や鼻、気管支などに留まってガス交換には寄与していないのである。

 

■死腔が減少するのはどんな時か

・気管挿管するケース。口腔、鼻腔の死腔を削減できる=呼吸効率が良くなる

一回換気量が減少する時。例えば、仰臥位の時は重力で内蔵が下に落ちにくいので横隔膜も下に落ちにくい。よって一回換気量が減少する。死腔は一回換気量と比例するので死腔も減少する。

 

■死腔が増加するのはどんな時か

一回換気量が増加する場合。例えば、座位の時、内臓は下に落ちやすいので横隔膜も下におりやすくなる=呼吸がしやすくなる。死腔が肺気量の増加とともに増加するということは経験的事実として知られている。

・呼気性閉塞がこる場合:COPDや加齢などによって気道が太くなる場合。気管が太くなればそれだけガス交換においては無駄なスペースが増える。

・男性。女性に比べると男性の方が気道径が大きく、気道の長さも長いので死腔も大きくなる。

・高齢者。年を取れば取るほど気道末梢でガス交換できる細胞の数が減少するので相対的に死腔の割合は増える。