生体弁と機械弁の違い
■生体弁と機械弁の違い
生体弁:牛やブタなどの生体組織を使って作られた心臓弁。
メリット:血栓を生じにくい。抗凝固療法は原則不要。血行動態に支障をきたしにくい
デメリット:弁の破壊・石灰沈着が生じやすく長持ちしない。耐久年数はおよそ15年ほど。
適応:高齢者、妊婦、出血性素因のある患者
1,高齢者(機械弁にするとワーファリンを飲まねばならず、高齢者では脳出血などのリスクが増してしまうので、生体弁を用いる。生体弁の寿命は15年ほどであるが、高齢者であれば寿命の絡みもあり半永久的な耐久性は不要と考えられる。)
2,妊娠・出産予定の若年女性(ワーファリンには催奇形性があるため妊婦には使えず、生体弁を用いる)
3,出血性素因のある疾患を合併した患者(機械弁にしてファーワリンを飲むと、出血性疾患のリスクが増加してしまうから。)
機械弁:カーボンなど人工材料から構成される心臓弁の代用。
メリット:耐久性が良く、半永久的に入れておくことが可能。
デメリット:血栓を生じやすく、生涯にわたって抗凝固薬であるワーファリンが必要。尚、血が固まりやすくビタミンKの多く含まれる納豆、クロレラなどは食べてはならない。適応:生体弁の適応を除く、大部分の患者において用いられる。