陽性変力作用と陽性変時作用とは
ややこしい言葉の整理
陽性変力作用とは心収縮力を増強させる力のこと。
陽性変時作用とは心臓の心拍数を高めること。
これらは心臓の交感神経によって調節されている。心臓交感神経は洞房結節、心房、房室結節、心室と幅広く分布し、交感神経節後ニューロンの神経末端からノルアドレナリンが分泌される。
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一方で、心臓には副交感神経の働きのある心臓迷走神経も分布している。
心臓迷走神経は迷走神経本幹を通って胸郭に入り、心臓交感神経と混ざり合ってから心臓に達する。更に、心房内で節後ニューロンに移行すると考えられ、その繊維は洞房結節、房室結節に分布し、神経末端からアセチルコリンを分泌する。心臓迷走神経は心臓交感神経とは逆に、陰性変時作用と陰性変力作用がある。
陰性変時作用とは心拍数を減らす作用。
陰性変力作用とは心房の収縮能力を弱める。