つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

高張性脱水と低張性脱水の違い

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■高張性脱水(=高浸透圧性脱水)と低張性脱水(=低浸透圧性脱水)の違い

 

体内の水分量が減少した状態を脱水というが、発汗などにより水分の喪失が塩類の喪失に比べて大きく、体液の濃度が上昇する場合を高張性脱水といい、嘔吐などによってその逆になる場合を低張性脱水という。

脱水による血漿量の低下は循環血液量の低下をもたらし、様々な臓器に悪影響を及ぼすが、低張性脱水は高張性脱水よりも重症となる場合が多い。

 

 人の視床下部には浸透圧受容体が存在し、体液の濃度(=体液浸透圧)が上昇すると飲水行動が誘発されるとともにバソプレシンがの分泌が促進される仕組みがある。高張性脱水では飲水行動が促進され、バソプレシンが分泌される。バソプレシンは腎臓の集合管に働き、アクアポリンという水分子のチャネルの発現を増やし、水の再吸収を促進する。また、脱水であるので循環血液量が減少し、腎臓を通る血液も減少する。すると腎臓の糸球体の血圧受容体がこれを感知し、鉱質コルチコイドを分泌する。鉱質コルチコイドは腎臓においてナトリウムの再吸収を促進して血液中の浸透圧を高め、それにより水の再吸収も増加させるはたらきがある。

 

以上のように、高張性脱水では3つの経路により脱水を補正しようとする。

一方で、低張性脱水では浸透圧が高くないので視床下部の浸透圧受容体を刺激しないので、バソプレシンの分泌が促進されない・飲水行動の誘引も行われないなどして高張性脱水に比べると脱水の補正に時間がかかってしまう。また、血液の浸透圧が低いので浸透圧の濃い組織に水がどんどん移動してしまい、組織障害を引き起こすのも低張性脱水が重症化しやすい原因として考えられる。