つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

拡張期血圧が0にならない理由

心臓は一分辺りにおよそ70回拍動していて、その収縮と拡張によって全身に血液を送り出している。まず、心臓が縮むと(=収縮期)、大動脈に通じる大動脈弁が開いて血液が全身に送られる。血液が押し出されている時に血管壁にかかっている力がいわゆる収縮期血圧である。

 

収縮した心臓は今度は広がらなければならない。心臓が広がるときに大動脈弁は閉じて血液が押し出されなくなる。この時の血圧を拡張期血圧という。

 

ここで記事のタイトルの疑問が生じる。大動脈弁が閉じて血液が送り出されなくなるのならば、拡張期血圧は0になってしまうのではないか。

しかし実際には拡張期血圧は70〜80はあるのが一般的である。これは膨らんだ動脈の中に一時的に蓄えられていた血液が押し出されてそれが圧力になるからである。若い動脈では中膜に弾力性があり、風船のように広がって血液を一時的に貯めておくことができる。

故に、大動脈弁が閉じて心臓から血液が送られなくなっても、膨らんだ血管の中に貯められていた血液が押し出され、全身を巡るのである。よって拡張期血圧も決して0になることはなく、70-80mmHgの値になるのである。このため、大動脈は第二の心臓とも呼ばれていて、大動脈がなければ心臓が拡張するたびに血圧は0になり失神してしまうことになる。