つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

除細動とカルディオバージョンの違い

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端的に言えば

・除細動は心室細動、無脈性心室頻拍

・カルディオバージョンは心房細動、発作性上室頻拍、心房粗動

に用いられる。

 

定義としては

・QRS波に同期せずに通電するものを除細動という。

・R波を検知してQRSに同期して通電するものをカルディオバージョンという。 

 

■何故、心房細動にカルディオバージョンなのか。

発作性心房細動は多くの場合、自然と洞調律に戻るので経過観察で対応するが、一週間以上続く場合は自然停止する確率が低いので除細動の適応になる。方法には薬物による除細動と電気的除細動があるが、プロカインアミドなどの1類aの抗不整脈薬で効果がない場合にカルディオバージョンが行われる。

心房細動の場合患者の意識がしっかりしているので麻酔が必要。直流電流を100ジュール程度にしてから通電する。その際に必ずQRS波に同期通電する必要がある。

なぜQRSと同期する必要があるのか…?

心房細動では心室は全体として収縮を行うことができるので、それがQRSとして記録されている。QRSは有効に収縮している心室の脱分極を意味しているので、それを利用しない手はない。よって、QRSと同期して通電すれば、必要以上に興奮してしまっている心房のみを黙らせることができる。これで通電量も少く済んで心筋へのダメージも軽減できるというわけである。

 

■何故、心室細動に非同期通電の除細動なのか?

心室細動は心房細動と違い非常に危険な状態である。心室が細かく震えるだけで心室全体としての収縮を行えていないので心臓が止まっていると言っても良い状態である。

この場合はQRSと同期する必要がない、というよりもQRSが存在してないので同期のしようもない、と言ったほうが正確である。心房細動へのカルディオバージョンよりも強い200Jの直流電流を通電し、効果がなければ増量していく。通電によって全ての心筋細胞が心筋細胞が同時に脱分極するので、一度リセットされて新しくリズムを刻み始めるのである。