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とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

肺塞栓が肺梗塞になりにくい理由

肺塞栓が肺梗塞になりにくい理由

 

冠動脈が詰まれば心筋梗塞、脳動脈に塞栓が起これば脳梗塞になる。

しかし…!肺動脈に塞栓が詰まる肺塞栓が起こっても肺梗塞になることは少ない。

何故だろうか。

 

動脈が閉塞されると、それより遠位の血流と酸素供給が閉ざされるために梗塞(虚血による組織の壊死)が起こる。しかし、肺には二系統の循環(肺循環と気管支動脈)が通っていて、肺塞栓で肺動脈が閉塞されたとしても、気管支動脈からの血流があるため、肺組織への酸素供給は完全には閉ざされにくくなっている。

 

・肺循環は右室→肺動脈→肺毛細血管→肺静脈→左房の順に流れる。

・気管支動脈は大動脈から分岐し、気管、気管支、臓側胸膜などに酸素を供給して肺静脈を稽首して左房へと流れる。

 

また、肺組織は肺胞の中にある空気から直接酸素を取り込むこともできる。このように二重、三重の酸素供給システムがあるので、肺塞栓が起きても肺梗塞になるのは全体の1~2割程度である。