サルコイドーシスの病態生理(仮説)
サルコイドーシスとは…
両側肺門リンパ節、肺、目、皮膚などにT細胞および単核貪食細胞の集積を伴う原因不明の非乾酪性類上皮細胞肉芽腫性疾患である。多臓器疾患であり、病変局所では炎症が起こり、全身では細胞性免疫が低下する。
原因不明であるが感染性抗原説という仮説が提唱されている。
1:遺伝的素因を持つ人が病原体を経気道的に吸引し、肺や肺門リンパ節に潜伏感染させる。
2:環境や体質などにより細胞内で病原体が増殖し、その後前進の臓器へ拡散する。
3:細胞性免疫が誘導され、T細胞が臓器に集積してサイトカインを産生する。サイトカインによりマクロファージが遊走してきて局所の細胞性免疫が活性化され、炎症反応が起きる。
4:炎症が慢性的に持続すると類上皮細胞へと変化する。類上皮細胞とそれらが融合したランゲルハンス巨細胞などにより肉芽が形成される。全身性に形成された肉芽腫による圧迫・瘢痕や炎症による臓器の構造破壊、機能障害が引き起こされる。
原因菌としてアクネ菌や抗酸菌の感染が考えられていたが、詳細は未だに不明。