ST合剤の作用機序
STが合剤なのはサルファ成分とトリメトプリムが微生物の葉酸合成経路を別々の機序で阻害するから。これによりシナジーが生まれて1+1は2以上になる現象。
葉酸合成系は人間にはなく、微生物のみにしか無いから有効に使える。微生物は葉酸合成系でテトラヒドロ葉酸を作ってDNAの材料にする。
スルファメトキサゾールはパラアミノ安息香酸とプテリジンからジヒドロプテロイル酸への合成を阻害する。サルファ剤はパラアミノ安息香酸と構造が似ている。
トリメトプリムはその下流にあるジヒドロ葉酸からテトラヒドロ葉酸への合成を阻害する。トリメトプリムはジヒドロ葉酸に構造が似ている。
つまり異なる経路を阻害してるという点が重要。
実験室的にはST合剤のほうがトリメトプリム単剤よりも効果があることがわかっているが臨床的にはどれほど意義があるのかは不明。優位性は証明されていない。