つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

髄液漏と気脳症の関係

■髄液漏とは何か

 

頭蓋底の骨折により、骨と強い癒着のある硬膜・くも膜が損傷すると、そこから外部へと髄液が露出する。これを髄液漏といい、頭蓋底骨折の際の重要なサインとなる。髄液漏をきたしている場合、外部と頭蓋内との交通が認められるため、感染のリスクが高くなる。(経鼻チューブは禁忌)

 

髄液漏の経路

・耳管を通って鼻腔へ=髄液鼻漏(テステープで糖反応陽性で鼻水と鑑別)

・鼓膜の損傷がある場合は外耳道へ=髄液耳漏

 

髄液の露出によって頭蓋内圧が降下すると、外部の空気が頭蓋内に逆流して気脳症をきたすことがある。気脳症とは頭蓋内に空気が貯留した状態をいうが、一般的には空気が自然に吸収されて自然治癒する。しかし、緊張性気胸と同じように損傷部位が一方通行のチェックバルブとなっている場合は、空気がどんどんと貯留していき、最悪のばあい脳ヘルニアを引き起こす。