つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

アレンのテスト:方法と意義

■allen's testとは何か

 

橈骨動脈から手掌にかけての解剖学的特徴として、橈骨動脈と尺骨動脈が手のひらで ループを作り、そこから手指に動脈血を供給しているという動脈の二重支配がある。もしこのループの形成が不完全な場合は、橈骨動脈が閉塞した時に尺骨動脈から親指側への血流が確保されなくなり、 親指側が虚血状態となってしまう。それを防ぐため、初めにこのルー プの存在を確認する必要があります。その検査方法がアレンのテストです。

f:id:tsunepi:20090406115619j:plain ulnar artery=尺骨動脈。radial artery=橈骨動脈。

 

■具体的にどういう状況で用いるのか

麻酔をかけるときに、手首より動脈ラインを挿入する場合に行われる検査である。動脈ラインを手首から入れる時通常、撓骨動脈に穿刺するが、当然撓骨動脈から手のひらに行く血流は悪くなる。しかし、手のひらは前述のとおり撓骨動脈と尺骨動脈の両方から血液を供給されているので大丈夫なはずだが、尺骨動脈側が動脈硬化などが原因で十分に血液を供給できていない可能性がある。そこでアレンのテストを行い、片方を遮断してももう片方の動脈からちゃんと血液が供給されることを確認する。

 

■アレンのテストの方法

1:患者さんの手首の撓骨動脈と尺骨動脈を両手で圧迫して血流を遮断する。

2:この状態で患者さんに手をグーパグーパー10回程度繰り返してもらってから手を開いてもらう。血が足りなくなり手は蒼白になる。

3:次に尺骨動脈の圧迫を解除する。これで10秒以内に赤みが挿したら尺骨動脈の血流が親指側にも行ってるということがわかるのでループがきちんと形成されているということになる。これがアレンのテスト陽性で正常状態である。一方、10秒たっても赤みが戻らない場合はアレンのテスト陰性で、ループがきちんと形成されていないということになる。

(もし尺骨動脈に穿刺予定なら、撓骨動脈側の圧迫解除を行い、ループが形成されているかどうかを確認する。)