抗血小板と抗凝固療法;アスピリンとヘパリン、ワルファリンの違い
血栓性疾患の治療に用いられる薬剤を一般的に抗血栓薬という。
抗血栓薬には、
血小板に作用する抗血小板薬
抗凝固因子に作用する抗凝固薬
すでに形成された血栓を溶解する血栓溶解薬
の3つに分けられる。
代表的な抗血栓薬を見ていくと・・・
アスピリン(抗血小板薬)
作用機序:COXを抑制して血小板内でのTXA2産生を阻害する。これにより血小板の活性化が抑制される。
投与法:経口
作用発現:約1時間と早い
持続時間:約一週間(血小板の寿命)
出血時間を測定することが作用の指標となる。
☆持続時間が約1週間なので、手術をうける場合は一週間前から服用中止。
ヘパリン(抗凝固薬)
作用機序:アンチトロンビンがヘパリンによって活性化され、凝固因子不活性化作用を促進させる。
投与法:静脈注射、皮下注射
持続時間:数時間と短い
APTTを測定することが作用の指標となる。
☆ヘパリンの拮抗薬は硫酸プロタミン。これで速やかに作用が消失する。
ワルファリン(抗凝固薬)
作用機序:ビタミンK拮抗作用により、肝臓でのビタミンK依存性凝固因子の合成を阻害する。(ゴロ:ビタミンKを蹴飛ばすワルやつ…
作用発現:遅い(4〜5日)
持続時間:数日
☆納豆などビタミンKを多く含む食事はワルファリンに拮抗するので控える。