つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

脊髄空洞症の病態生理

 脊髄空洞症とは、名前の通り脊髄に空洞を生じる病態の症候群である。具体的にはChiari奇形(特に1型)が最も多く、脊髄外傷、くも膜の癒着性の炎症の後遺症、そして原因不明の特発性脊髄空洞症などが挙げられる。しかし空洞ができるメカニズムはいずれも不明。空洞は脊髄の中心管の背側に生じ、その内宮には髄液様の液体を認める。時には延髄にも空洞が生じ、延髄空洞症と呼ばれる。

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空洞は腹・側方に広がりやすく、背側には広がりにくい。このため後索障害はない。好発部位は下部頚髄であり、典型例では宙吊り型(ジャケットタイプ)と表現される。髄節性の解離性感覚障害をきたす(=温痛覚は傷害されるが、深部感覚は正常)

 

空洞が前角細胞に届くと、下位運動ニューロン障害が起こり、その支配筋に筋力低下、筋萎縮、腱反射の低下が見られる。本症の空洞はC5-C6に好発するので両側上腕と前胸部でこれらの所見が顕著。C7-C8まで変化が及べば、母指球筋も侵される。更に側角の交感神経節前細胞に届くと、Horner症候群をきたす。そして空洞が側索まで広がると、病変部分より下方に錐体路症状が出現する。