ラクナ梗塞とは何か
ラクナ梗塞とは何か
↑の図でいうところの1番です。
概説:
細い脳動脈穿通枝に起こる小さな梗塞のこと。高血圧の高齢者に多く発生。部位としては大脳基底核、内包、視床、橋など穿通枝領域に発生し、軽度の運動障害、感覚障害、構音障害などの症状を呈する。生命予後は良好だが、多発すると脳血管性認知症やパーキンソン病の原因となる。
定義:直径15mm未満の小さな病変
症状:運動障害や感覚障害があるも軽度。症状なしの場合も。
何故?→大脳皮質に病変がないから。
発生機序には2つある。
1:リポヒアリン変性による閉塞
高血圧が続くことにより、穿通枝末梢部付近で経管壁の変性(リポヒアリン変性)が起こり、血管が閉塞する。高血圧患者に多く、症状は小さい。
2:微小アテロームによる閉塞
穿通枝近位部に微笑アテロームが形成され、血管が閉塞する。高血圧やメタボ、糖尿病患者に多い。
急性期の治療法としては
血栓溶解療法(発症3時間以内)
エダラボンによる脳保護療法
抗血小板療法などなど
ラクナ梗塞は発生部位により特徴的な症状を示すことがあり、これをラクナ症候群と呼ぶ。ちなみにラクナとはラテン語で「小さい穴」という意味です。