つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

冷蔵庫に入れた食品が乾燥しやすいのは何故か

冷蔵庫に入れた食材がいつの間にか水気を失ってカラカラに乾燥してしまうことがある。これは冷蔵庫内の温度が低いために気圧も低くなっていることによる。

 

飽和蒸気圧は温度が下がると極端に小さくなる。水の飽和蒸気圧は100度の時一気圧で、このときに沸騰を始めるが、もし温度が10度になると飽和蒸気圧はわずか0.02気圧に、温度が0度だと気圧は0.006気圧に下がってしまう。

(飽和蒸気圧とは…水は空気中に放っておいたら常温でもそのうち蒸発してしまいます。どのくらい蒸発するかは温度によって決まります。暖かければたくさん蒸発するし、冷たければそんなに蒸発しません。液体が蒸気になろうとするとき、上に乗っかっている空気を押しのけなければならないので圧力が生じます。これが蒸気圧です。暖かければ蒸気圧は大きくなるし、冷たければ圧力は小さくなります。そしてその温度での最大の、もうこれ以上蒸気になれないよ、というときの蒸気圧が飽和蒸気圧です。)

 

 

 

冷蔵庫にものを入れて扉を閉めると、その直後は外気の温度に相当する蒸気圧の分だけ、庫内には水蒸気が存在できるが、冷蔵庫内の空気はどんどん冷えてくるので、飽和蒸気圧はたちまち下がり、水蒸気は水滴になってこれが氷、冷蔵庫内の霜になる。一方、冷蔵庫内の空気は温度が下がるに従って急速に体積がへろうとするので、圧力が小さくなり、冷蔵庫の中は空気も水蒸気も少ない減圧乾燥の状態になる。

 

このように、まわりの空間の気圧が低く、しかも乾燥状態になっているところに水分を含んだ食品が入ってくるので、食品の中の水は周りの空気とのバランスを保とうとして盛んに蒸発し、それが直ぐに水となって再び乾燥状態になると、また食品から水が蒸発するというように、いつまでも食品からの水の蒸発が続いていくのである。