つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

紅茶にレモンを入れると色が薄くなるのは何故か

良い色の出た紅茶にレモンの薄切りを浮かせてしばらく経つと紅茶の色が驚くほど薄くなっているのをよく経験する。これは科学的に見て一体どのような現象なのだろうか。

 

レモンには約6〜7%のクエン酸が含まれていて、紅茶にかぎらず、植物性食品の色素には、産生で薄くなり、アルカリ性で濃くなるものが多い(その代表的なものにフラボノイドがあり、酸性では無色、アルカリ性では黄色くなる)。

 

紅茶にはタンニンの誘導体であるテアルビジンという赤色の色素が含まれていて、これは酸を加えると色が薄くなり、アルカリ性では濃くなることが知られている。紅茶の色がレモンの中のクエン酸によって薄くなるのはそのためである。

 

なお、紅茶にレモンを入れるのは、さわやかな酸味とレモンの香りで紅茶の味を引き立たせるためであるが、レモンの香りの主な成分といわれるゲラニオールという物質は紅茶の香気成分の中にも含まれていることが知られ、レモンを加える意義がいっそう明らかに認められるようになった。

 

ちなみに、紅茶にレモンを入れるレモンティーというのは世界共通の飲み方というわけではなく、アメリカや日本にしかないと言われている。そもそもはアメリカ人がたまたま紅茶にレモンを入れてみたら意外と美味しくなったというのが起源のようである。アメリカではレモンが多く取れるため瞬く間にレモンを紅茶に入れるという習慣が全土に広がった。保守的なヨーロッパ人はそんなレモンティーをティーとして認めず、今でも飲む人は少ないとか。日本で普及している理由は第二次世界大戦後に日本市場に目をつけたレモン会社が「紅茶にはレモンを」というキャンペーンを大々的に行い日本でうまく定着させたからである。これはバレンタインデーと同じ原理かもしれない。