つねぴーblog@内科専門医

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体細胞分裂と減数分裂の違い

体細胞分裂と減数分裂の違いについて簡単にまとめ


 減数分裂に際して相同染色体が倍加する。2倍体の核には各染色体が2本ずつ含まれるが、二本の中身は微妙に違う。常染色体の内片方は父親から、もう片方は母親から受け継ぐものである。この2つの染色体のDNAは非常に似てはいるが完全に同じというわけではない。故に、相同染色体と言われる。ほとんどの細胞では別々の染色体として完全に分離して存在している。多くの教科書では繋がって描かれている事が多いがそれらはデフォルメされているといって良い。

DNAが複製して倍加した染色体は最初、全長に渡ってしっかり付着したままになっており、姉妹染色分体と呼ばれる。通常の分裂では、姉妹染色分隊は紡錘体の赤道面に並び、動原体に付着した微小間がそれぞれ反対側の極に向かう。後期になると姉妹染色分体は完全に分離し、染色体と呼ばれるようになる。このような通常の体細胞分裂で出来た娘細胞は父親の染色体と母親の染色体を一つずつ受け継いでいるので、遺伝的には親細胞と同一である。

減数分裂は体細胞分裂とどう違うのか。
減数分裂でも体細胞分裂と同じように二倍体細胞の描く染色体が倍加して二本の姉妹染色分体を生じ、それから相同染色体が対合する。減数分裂を特徴付けているのはDNA複製完了後に起こる倍加した相同染色体同士の対合である。これによってできる4本の姉妹染色分体を二価染色体と呼ばれる構造を取る。

対合した相同染色体では母方の染色分体の一部とこれに相同な父方の染色分体の一部で乗り換えが起こり、遺伝的な変化が起こる。中期には体細胞分裂同様中央に並び、後期には両極へ移動する。これで分裂が完了するが、ここまでを減数分裂の一時分裂という。これで一倍体分のDNA量をもつ細胞が出来るわけではない。二本の姉妹染色分体があたかも一本の染色体のように振る舞うため、この分裂で出来る娘細胞には二本の相同染色体のうち一本のコピー2本が受け継がれる。従って娘細胞にある染色体数は一倍体ぶんだが、DNA量としては2倍体と同じだけある。しかし、通常の二倍体の体細胞と違う点がある。一つは、二本の姉妹染色分体が両方とも父方由来、もしくは母方由来と同じ由来のもののコピーを持っているという点である。通常の体細胞では父方、母方からの染色体を一つずつ持っているはずである。

ここから更に減数分裂の第二分裂が起こり(DNAの複製は起こらずに)、姉妹染色分体が分離して一倍体のDNA量を持つ細胞が生じるのである。