つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

乳酸と疲労・健康の関係はいかに

からだワンテーマシリーズ乳酸

乳酸~「運動」「疲労」「健康」との関係は? (からだワンテーマシリーズ)

乳酸~「運動」「疲労」「健康」との関係は? (からだワンテーマシリーズ)


乳酸について一般人でもわかりやすく書かれた本。分野的にはスポーツ的な内容が中心的か。「激しい運動すると乳酸貯まるから終わったら軽くストレッチとかした方がいいよ。」とか思っている人に読んでもらいたい本。


【乳酸は疲労の原因?】
【乳酸菌の役割】
【ATPとクレアチンリン酸の役割の違い】
【遅筋繊維と速筋繊維の違い】
【人体で唯一進化が遅れた眼瞼挙筋群(速筋と遅筋)】


乳酸は光学異性体を持つ化合物。
乳酸はチーズワインなどの発酵食品にはもちろんのこと普段食べる肉などにも含まれる。
日常とは切っても切り離せない関係。医学的にも重要。

乳酸の語源は牛乳が腐ると酸っぱくなり、この時に出来ているのが乳酸だから。
酸っぱくなった牛乳を飲んでお腹を壊すとしたらそれは別に乳酸が毒なわけではなくて、乳酸を生成してる微生物が原因。


■乳酸菌が体に良い理由
腸には様々な菌が住んでいる。中には良いヤツもいれば悪い奴もいる。
乳酸菌が腸の中にいきてると乳酸を生成して腸を酸性にする。そうした酸性条件下だと体に良い方の菌が生きてくれやすくなる。


乳酸を繋げたポリ乳酸はプラスチックのようなものに加工出来る。トレイの材料で使われている。土では微生物が分解してくれるし燃やせば二酸化炭素になるし。かなりエコ。



クレアチンリン酸とはATPからエネルギーを受け取り、貯めておく物質。必要になったらクレアチンリン酸を分解してADPからATPを作る。ATPはたくさん作られてるけど貯めておくことはできない。言わば通貨。クレアチンリン酸は銀行。




ダッシュとかでクレアチンリン酸を使い切ると疲労する。
無酸素運動とはクレアチンリン酸を分解してATP作ってそれを分解したりあるいは解糖系のエネルギーを使った運動。しかし、それと並行して酸素運動も行われていて短距離走とかでもむしろ割合でいえば酸素を利用したエネルギーの方が大きいという話はあまり知られていない。



筋繊維には速筋繊維と遅筋繊維がある。遅筋繊維の方がミトコンドリアが多い。またミオグロビン多いので赤く見える。速筋繊維は白い。この二つの筋肉の割合は個人差があり遺伝的に決まっている。もちろんの環境も大事だが。
遅筋繊維は長時間運動には良いが力は強くない。速筋繊維は力は強いが長時間運動には向いていない。
持久的トレーニングをすると速筋繊維にもミトコンドリアが増えて遅筋繊維のような性質を持たせることが可能。逆にパワートレーニングをしても遅筋繊維に速筋繊維のような力を持たせることは出来ない。
ただパワートレーニングをすれば速筋繊維は太くなるので短距離走のようなものもトレーニングで早く出来る。



糖の利点はヒドロキシル基がたくさんついてるので大変水に、つまり血液に溶けやすいので簡単に運べて便利。脂肪などを運ぼうとすると血液に解けないので他のタンパクが必要。



マラソンのような長時間競技の後半にはペースが維持できなくなるのは貯めてあったグリコーゲンがなくなってくることが大きな原因。食べなければ三日で三キロ痩せられるとかいうのは脂肪がなくなったからではない。筋肉や肝臓のグリコーゲンがなくなったから。グリコーゲン自体は五百gぐらいだが一緒に水もなくなるから二キロぐらい。。グリコーゲンが体内にあるには水が必要。食べればすぐに体重が元に戻る。グリコーゲンと共に水も残るから。


糖尿病の予防や改善にも運動は大事。二型糖尿病はインスリンの出が悪かったりインスリンが出ても筋肉などのグルコーストランスポーターが働かない状態。ところが運動をするとインスリンが出なくてもグルコーストランスポーターがより働くようになる。



何故急激な運動をすると乳酸が増えるのか。糖が急に利用されるとクエン酸回路系で渋滞を起こして空いている乳酸経路の方に分解がいってしまう。つまり糖分解量とミトコンドリアの処理量の差。

速筋繊維の方が乳酸がたくさん出来る。遅筋の方はミトコンドリアがあるので脂肪などもエネルギー源としてたくさん利用できるが速筋繊維の方はミトコンドリアが少ないので糖分をその限られたミトコンドリアで処理しようとしてオーバーになり一部が乳酸生成に回るのである。



標高が高い所ほど乳酸がたくさん出来るわけではない。糖自体の利用が抑えられる。@高所トレーニング

乳酸が疲労の原因というのは間違い。確かに濃度は上がるけど乳酸自体はエネルギー源。疲労の原因はたくさん、例えばカリウムが筋内から漏れ出す、活性酸素の発生、脳の疲労などなど。!むしろ乳酸による酸性化にのってカリウムの影響をとりのぞけるので疲労を回復させる役割がある。リン酸も疲労の原因。ATPがADPになるときとかリン酸が出来るが、これはカルシウムと結合しやすい。カルシウムは筋収縮の際に大事なので。



長時間運動をすると血糖値の低下。脳がヤバイと感じてだるさやしんどさを出す。
クエン酸をとると乳酸は減る。もちろん疲れとは関係ない。(乳酸は疲れているときに多くなるが決して疲れの原因ではない。)


きつい運動の後に軽い運動をする意味。きつい運動でよく働いた筋肉への血液の流れを確保。止まってしまうと筋肉への血液の流れも小さくなってしまうのでよくない。

サッカーなどの競技では後半ほど乳酸生産量は減る。グリコーゲン自体がなくなってるから。

血中乳酸の値によって短距離向けか長距離向けかわかったりも。低ければ遅筋繊維が多いのでマラソン

高ければ速筋繊維の方が多いので短距離向けか。まぁいくらでも変わりうるのでちょっとした参考程度。