つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

花粉症についてわかりやすく

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1型アレルギー(花粉症)まとめ 一問一答

免疫は人の健康と大いに大いに関係しているが、
主に3つに分けるならばアレルギー疾患、自己免疫疾患、免疫不全症に分けることが出来ると思う。

アレルギー疾患:無害な物質を身体が過敏に反応してしまうことによって起こる。例えばぜんそく、花粉症、アトピーなどである。
自己免疫疾患:外敵から身を守るために働いてくれるはずの免疫機構が自分の身体を攻撃してしまうことによる。例えば関節リウマチや一型糖尿病がこれに相当する。
免疫不全症:免疫機能が低下することによって普段は感染しないような細菌に感染することによって引き起こされてしまう病気である。例えばカビなど。

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ここでは一型アレルギーである花粉症について。

アレルギー(花粉症)はどのようなメカニズムによって引き起こされるのか。

A. 一言で言うならば、体内でダニ、花粉、食物など種々のアレルゲンに対してIgE抗体が作られるのが原因といえる。このIgE抗体は肥満細胞に結合すると肥満細胞が活性化し、ヒスタミンなどの物質が放出されるのである。このヒスタミンが目のかゆみ、鼻水、くしゃみをひきおこしてしまう。



普通の抗原が入ってきたらIgGが作られると思うんですけどIgEが作られるメカニズムはどう違うんですか?

A.普通の異物と同じように杉花粉などでも途中までは同じ経路で抗体産生が行われる。

普通の異物の場合、どのような経路であっただろうか。
異物の侵入→抗原提示細胞が抗原を取り込み、Th2細胞に抗原提示→Th2細胞が抗原提示を受け、Il4、13等を放出。→それによりB細胞が更に増殖・分化して形質細胞へ→その形質細胞は抗原に対するIgGを産生する。→IgGが異物に結合し、オプソニン化→好中球の貪食能力が大幅にうp!という流れである。

では花粉症などのアレルゲンの場合は
異物の侵入→抗原提示細胞が抗原を取り込み、Th2細胞に抗原提示→Th2細胞が抗原提示を受け、Il4、13等を放出。→それによりB細胞が更に増殖・分化して形質細胞へ→その形質細胞は抗原に対するIgGを産生する。→IgGが異物に結合し、オプソニン化→好中球の貪食能力が大幅にうp!

ということで花粉などの特殊な物質ではIgG産生が行われず、代わりにIgEが産生されるのである。


IgEが花粉症の原因なのはわかりましたが、どうして花粉症になる人とならない人が居るんですか?

A. 先ほど説明したとおり、花粉などのアレルゲンを浴びるとIgEが産生されるわけであるが、このIgEが一定以上肥満細胞に結合することによって発症することとなる。どの程度までIgEが蓄積されると発症するかなどは個人差が大きいと考えられている。また、IgEのレベル以外に発症を誘引する因子があるのかないのかなどについても詳しいことは分かっていない。いずれにしろ、ある年に突然に花粉症が発症したように思えても、それまで体内では発症のための準備が虎視眈々と進められていたと言うことである。「自分は大丈夫」と平和ぼけしている場合jy このことを理解しやすくするため、一般にアレルギーコップという例えがよく用いられる。すなわち、体内のコップに長期間かけて一定レベルの発症原因がたまり、それがあふれると突然に発症するというものである。
感作が一旦、成立すると、原則的に花粉症の自然治癒は困難である。病原菌などに対する免疫と同様、「花粉は異物である」との情報が記憶されるためである。


IgEレベル以外の要因で今までの研究でわかっていること、推測されていることは?

A.IgEレベル以外として考えられることは実はたくさんある。列挙すると

①遺伝的要因:IgEを産生しやすい体質はひとによって違っていて、劣性遺伝すると考えられる。そのほか花粉症症状を引き起こすケミカルメディエーターの遊離のしやすさ、それらの受容体の遺伝子発現レベルなど、考えられる要因はたくさんある。実際に両親がアレルギーでない子供がアレルギーになる確率は26.7%。両親がアレルギーの子供がアレルギーになる確率は57.4%というデータが存在する。ネット上に。

②Thバランス:一つの仮説として、免疫系を制御しているヘルパーT細胞のバランスが関与するという考えがある。抗体産生細胞であるB細胞に抗原の情報を伝達するヘルパーT細胞は、産生するサイトカインの種類により1型と2型(Th1とTh2)に大別される。これらのうち、インターロイキン4などを分泌してアレルギーに関わるIgEを産生するように誘導するのはTh2である。いっぽうのTh1は細菌やウィルスなどの刺激を受けると樹状細胞が活性化されて、それによってTh1が強くなると言われている。すなわちマクロファージやキラーT細胞などを活性化させ、細菌そのものやウイルスに感染した細胞を障害する(細胞性免疫という)。B細胞にIgGを産生させ、いわゆる正常の免疫を作ることにも関与する。これらのことから、アレルギー患者においてはTh2が優位に働いているということがいえるが、なぜTh2が優位になるのかについてはよく判っていない。ただ、いわゆる先進国に住む人の方が後進国に住む人に比べてアレルギーにかかる人が多いことがわかっており、アレルギーの子供達は衛生環境が良い地域に住む子供で乳児期に色々な感染症にかからなかった場合に多いのである。つまり、成長期において感染症を経験していないために細胞性免疫を獲得する機会が減っているため、おのずとTh1よりTh2が優位になる人が多く、アレルギー人口が増えたというもので(尚、このThバランスは生後数ヶ月から3年ほどで決まると言われている。)強く影響を与える感染症としては、過去に国民病ともいわれた結核が疑われている。




環境要因、寄生虫感染、都市化の影響、栄養要因。などなど。追って記述します。(近々更新!!)

IgEは誰でも作られてしまうけれどもその量は年を取るにつれて増えていくと言うこと?具体的には?


「鼻アレルギー診療ガイドライン」によると、スギ花粉特異的IgE抗体は、3〜5歳児でも1〜5%程度に認められ、小学生では年長になるにつれ20〜45%と増加し、中学生では約50%に認められるとの報告があります。そして、その後は年齢を増すごとに抗体を持つ人の割合は高くなり、30〜40歳代では65〜80%の人がスギ花粉症特異的IgE抗体を持っている推定されている。