つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

栄養ドリンク飲みすぎで死ぬこともある

カフェインの大量摂取で脂肪

米メリーランド(Maryland )州で19日、栄養ドリンク「モンスター・エナジー(Monster Energy)」に含まれる多量のカフェインが原因で娘(14)が死亡したとし、遺族らが製造会社を相手取って訴えを起こした。原告の代理人によると2011年12月、アナイス・フルニエ(Anais Fournier)さんは死亡するまでの24時間に700ミリリットル入りのモンスターエナジーを2本摂取しており、これに含まれるカフェインの量は480ミリグラムだったという。缶入りコカコーラ(350ミリリットル)14缶分のカフェイン量に相当する。

栄養ドリンクというのはいつの時代でも一定の人気があるが、「そんだ瞬間元気になる」などプラシーボなのか、それともやばい物質が入っているのか「あまりにも効き過ぎてしまうこと」で心配になってしまう人も少なくないと思う。
レッドブルやモンスターエナジー、眠々打破など数えてもきりがないぐらい市場に出回っている栄養ドリンクであるがその安全性について少し考えてみたい。

栄養ドリンクのからくりはおそらく「大量の砂糖」と「大量のカフェイン」にあると考えられる。
砂糖というのは他の糖分とは違い高速で吸収されるためにすぐにエネルギーが供給されるのである(その代わり、インスリンの分泌も大量であり、生活習慣病にならないよう気をつけなければならないが)。そしてカフェイン、これは言わずもがなな脳を活性化させる物質である(カフェインはドーパミン放出のブレーキを止めてしまう=暴走モード)。今回の事件のように死者が出てしまったのはおそらくカフェインを短時間で大量に取ったことによるものであろう。


カフェイン中毒

一般的な成人で1時間以内にもし体重60キロの人なら390mg 以上のカフェインを摂取した場合は約半数が急性症状を、3時間以内に 1020mg以上のカフェインを摂取した場合は 100 % の確率で急性症状を発症する。後者の場合、重症になる確率が高い。カフェインが体内から分解・代謝され、効力を失えば症状は改善する。カフェインを分解する酵素(CYP1A2やモノアミン酸化酵素)を阻害する薬物などと併用した場合、カフェインの代謝が遅れ、症状が長引いたり悪化することがある。勿論、運が悪ければ突然死に至る場合もある(ただ、レッドブルを3時間で15本飲むという状況も中々無いと思うが・・・)。

ちなみにカフェインの含有量

レッドブル(250ml缶)1本 80mg
コーヒー1杯 40〜180mg
お茶1杯 50〜80mg
コーラ系1缶 30〜50mg
栄養ドリンク系1瓶 30〜80mg


カフェインの摂取で不整脈を誘発

自律神経系のホルモンであるカテコラミンやアドレナリンは不整脈を誘発することが知られている。このカテコラミンは、「闘争か逃走か」ともいわれる「やるかやられるか」のような興奮時に放出されるホルモンである。 カフェインはこのカテコラミンの作用を増強することが知られていて、そのため、血圧が上がり、集中したり、覚醒したりする事が出来るのである(それ故みんな飲む)。もちろん少量のカフェインは体に良い事も知られている。しかしながら、不整脈が多かったりストレスや寝不足等で特に大量にカテコラミンが分泌されている状況で、カフェインを大量に取ってしまうと、その不整脈への作用が増強してしまうというのである。つまり、不整脈を持っている方はカフェイン(特にレッドブルやモンスターエナジーなど)は控えた方が良いかもしれない。勿論、常識の範囲でないなら心配しすぎることもないと思うが。