つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

日韓通貨スワップの仕組み

日韓通貨スワップ協定とは何か

通貨スワップ協定とは、各国の中央銀行が互いに協定を結び、自国の通貨危機の際、自国通貨の預入や債券の担保等と引き換えに一定のレートで協定相手国の通貨を融通しあうことを定める協定のこと。(つまり一時的に不足している通貨を用立ててもらい、自国に余っている通貨と交換して難局面を乗り切るの。)その代わり、時期が来たら交換した通貨をもう一回元に戻さなきゃならない。つなぎ資金的な意味合いが強い。また、返済には利子が発生する。
中央銀行間の協定であり国家間条約ではない。

日韓のスワップに置いては実質的に日本による韓国に対する経済援助の意味合いが大きい。

では何故韓国がスワップを必要としたのか・・・

韓国は1998年以降は常に貿易黒字を出して来たが、2011年時点では外貨準備高(注1)が3033億ドル、決算用短期資金(注2)が236億ドルに対して対外債務が3980億ドルで純債務国であった。

(注1)外貨準備高とは:中央銀行が保持している外貨の量のこと。何のために準備しているのかというと、対外債務の返済、輸入代金の決済、自国通貨の為替レートの急激な変動を防ぎ、貿易等の国際取引を円滑にするためなどの目的がある。この外貨準備高は国民経済の貯金等とも呼ばれるが、為替変動への対策的な意味合いが強く、対外資産高(対外的な債権債務の残高の事)の大きさを表している訳ではない
(注2)1年未満の短期間に回収される資金のこと

また、その外貨準備の内訳は低リスクの米国債以外にも、高リスク商品も組み込まれていて、金融市場の動向によって外貨準備が影響を受けやすい。
そして2011年には韓国クレジットデフォルトスワップ(クレジットデリバティブの一種で再建自体を移転する事なく、信用リスクのみを移転する取引の事)のプレミアムが2%を超えて、ウォンも1ドル1200ウォンとウォン安となった(少し難し話ではあるが・・・)。


こうした要因によって韓国内にドルがなくなり、債務返済能力が低下し、外貨を獲得する必要性が出て来た。ここで登場するのが通貨スワップである。


韓国としては前述の通り、外貨を獲得できて自国の通貨を安定させる事ができる。では日本にはどのようなメリットがあるのだろうか。

一つとしては、日本が韓国に円売りドル買いをすることによって円高を抑える事が出来る。今現在の円高が日本経済に及ぼしている悪影響を考えると悪くないように思える。更には、もしも韓国がつぶれてしまうと隣国にも影響を及ぼしかならず日本もダメージを食らう。それをさけるという意味での支援とも捉える事が出来る。そして最後に、韓国を経済的に(実質)援助することによってそれが強力な外交上のカードになりうるということである。


そう考えると最終的には円が戻ってくるスワップ協定は中々悪くないように思えるかもしれない。

しかし、これは韓国が財政破綻しなければ、という大前提が必要だ。

もし韓国が破綻してしまうと日本は相当なダメージを受ける事となる。
現在の協定では増額と期限延長が繰り返され700億ドルが限度額となり、期限は2013年7月に設定されている。


例えば、韓国がこのスワップを活用して1ドル1200ウォンのレートで700億ドル相当の円とドルを借用するとしよう。

するとスワップ協定に基づき、日本は韓国から84兆ウォン(700億ドル×1200ウォン)を預かる事になる。

韓国は2013年の7月までに日本に700億ドル相当の円とドルを返還しなければならないのだが、もしそれが出来ない場合は、日本には預かっていた84兆ウォンだけが残る。もしも韓国が国家破綻していてウォン相場が、1ドル2000ウォンに下落していれば、日本に残された84兆ウォンは420億ドルの価値に下落していることになる。つまり、日本が韓国に貸していた700億ドルが420億ドルとなってしまい280億ドルも損してしまうという事になる。これは正直恐ろしい話である。


日本のメリットとデメリットを簡単にまとめると

【日本のメリット】
・円がスワップで交換された場合、期日までに支払われなかったら日本がトドメさすなり、外交カードとなりうる。ただし民主党の場合は厳しい。

・円高を抑える:通貨スワップの行使による円売り・ドル買いで、円高を抑える効果が期待できる。

・日本企業の倒産防止:韓国の外貨が不足すると、韓国へ輸出した日本企業の代金回収が出来なくなり連鎖倒産等が起こる。また、ウォン安で攻勢にのっている韓国企業の勢いを止める事が出来る。

【日本のデメリット】
・韓国が破綻すると返済されずに2兆円ほどの損失(IMFを通さず行われるため、韓国が破綻した後の取り立ては不可能)

・外貨(ドル)が一時的に減少する(日本が保有するドル建て資産が一時的に減少する。)


どう考えてもスワップ協定を破棄した方が良いように思えるのだがどうだろうか・・・

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因みに円とウォンの為替レート(5年分)


これをみるとかなりの勢いでウォンの価値がなくなっていくのである。
しかも、これはスワップ協定をしている状態でである。



「韓国経済危機は何故起きたのか」は以下から

http://d.hatena.ne.jp/tsunepi/20120817/1345184916