つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

胃下垂とは何か

胃下垂とは一体なんであろうか。

よくいくら食べても太らない人がなりやすいなどと言われたりするが、実際のところどうなのだろう。調べてみた。


胃下垂とは、胃が正常な位置よりも下まで垂れ下がっている状態のことを言う。症状の重い場合は、へそのあたりや骨盤の位置まで落ち込むこともある。胃、そのものの位置が変わるわけではなく、胃の上部は正常な位置にあり、下部が延びている状態である。


胃下垂は様々な要因で起こるが、「胃を支える筋肉や脂肪の少ない痩せ型で長身の人」がなりやすいと言われている。その状態で、暴飲暴食、過労、 不安などによるストレスが引き金となり、胃での消化が悪くなって食物が溜まりすぎてしまったために引き起こされることが多い。

自覚症状としては腹が張った感じ/少量の食事で満腹を感じる/食後のむかつき/食欲不振などが知られている。


診断としてはレントゲン検査を行うことによって確認できる。また、外見上の変化として、腹部は窪んでいるのに下腹部が膨らむことが挙げられる。
胃は、胃液を分泌すると共に蠕動運動を行うことで消化活動をしているが、胃下垂になった胃はこの蠕動運動が弱くなっているか、もしくは全く機能しなくなっている。そのため、胃に入った食物がうまく消化されなくなる消化不良になり、胃の中に食物が溜まった状態が長く続く。ひどい胃下垂になってしまった場合、その胃の消化率は通常の胃と比べて、およそ1/3まで下がると言われている。
胃に食物が長く残ることによって膨満感が続き、食欲不振になることもある。さらに、胃は何とか内容物を消化しようと胃酸を大量に分泌するようになるため、胃酸過多となり胃炎、胃潰瘍を起こす危険性が高くなる。
また、脂肪や筋肉が薄い下腹部に胃が垂れ下がることで胃は冷やされるため、これに影響されて全身が冷え性になる。子宮、前立腺も冷やされ、不妊や尿が出にくくもなる。症状が軽い場合は治療としては特に何が必要という事もなく、規則正しい生活や腹筋を鍛えることによって胃が上に押し上げられ、正常になることも多い。