つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

黄斑回避の原因、メカニズム

黄斑回避(黄斑部残存)とは、(同名)半盲時に固視点部は欠損せずに両眼とも残ること.黄斑線維が後頭葉の広範囲に投影されており完全には障害されることは少ないため,あるいは血液循環上,左右両側の合流があり完全な循環障害が起きにくいとも(後頭葉性視野障害の主原因は血管障害)いわれる.


黄斑回避とは,1側の大脳皮質視覚野が傷害されても黄斑部の機能が残存することをいう。

黄斑中央部が左右後頭葉の両側支配であるか、あるいは膝状体外系を介する情報による可能性がある。



上の図でいうと6番が損傷した場合に起こるのが黄斑回避である。

3番が損傷しても左の視野欠損が起きるが、6番の場合、左の視野欠損がおこるものの、5%ほど見える場所がある。

原因として考えられるのは、後頭葉を栄養する血管が2つ存在するからである。後頭葉は後大脳動脈が主に栄養しているが、中大脳動脈も後頭葉の端を栄養している。後者は特に黄斑に関連している。後大脳動脈の閉塞により後頭葉の梗塞を起こしても、中大脳動脈の存在により黄斑機能が保たれる場合がある。

脳波の波形は何を意味するか

■脳波とは

神経細胞の活動は電気減少を伴う物であり、神経細胞の集合体である膿の活動状態も電気的に捉える事が出来る。

神経細胞の活動で生じる電位の合計(集合電位という)を頭皮上に張った電極で記録した物を脳波(EEG)という。

現在ではベッドサイドでも容易に脳波を記録できるようになっていて、実際の臨床でも脳死の判定には大脳皮質の機能停止を示す脳波平坦化を見る事が必須検査項目の一つとなっている。

ただし、脳波と言っても決して万能という訳ではなく病気の診断で用いられるのはてんかんぐらいである。
基本的には膿の全般的な活動状態を示してくれるぐらいである。

電極の配置方法は10ー20法に従う。(詳しくは割愛)

大脳のある局在に限局した活動や病変がある場合、この方法で局在をある程度示す事が出来る。更に細かく調べたい場合はコンピュータを用いて双極子解析をする必要がある。


■脳波の分類

脳波の成分は周波数によって遅い波からδ波(4Hz以下)、θ波(4−8Hz)、α波(8ー13Hz)、β波(13Hz以上)に分けられる。
大脳が活発に活動しているときは、低振幅速波というβ波中心の波になる。
活動が低下しているときは高振幅徐波というδ波の混在した波となる。
安静状態で眼を閉じていればα波が中心になるが、眼を開けたり暗算をしたりすると低振幅速波(β波)となってしまう。これをαブロックングという。

■脳波は神経細胞のどのような活動を意味するか

脳波が神経細胞のどのような活動を反映しているのかは分かっていない点も多い。
しかし、一般的に言われている事は活動電位のような瞬間的な興奮は脳波には反映されず、シナプス電位が積み重なった物が脳波として現れているということである。

特に、大脳皮質では錐体細胞という表面に垂直な軸に関して極性のある細胞が脳波の発生に大きな意味をもっている。

注:錐体細胞とは網膜にあるし細胞の事ではない。大脳皮質と海馬に存在する主要な興奮性の神経細胞であり、細胞体がいくらか長く伸びた錐形をしているためこの名がある。皮質でも海馬でも錐形の頂点方向が表面方向を向いている。 この錐形の頂点からは 樹状突起として尖端樹状突起 が延び、大脳皮質では主として I 層に比較的長い枝を広げる。 錐形の裾野の部分からはいくつかの基底樹状突起 が延び、主として周囲の他の神経細胞とのネットワークを構成している。大脳皮質の神経細胞のうち 80 % ほどが錐体細胞である。


高振幅徐波は多数の神経細胞が同期して活動している事によって生じるが、その同期は、大脳皮質内や視床中継核で、反回抑制(レンショウ)細胞が直接に興奮入力を受けた細胞だけでなく、同時に多数の細胞に抑制をかける事によって起こる。

低振幅速波はそのような同期が起こっていないときに記録されるため、脱同期波ともいう。