つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

血液

発熱性好中球減少症の熱源は?

発熱性好中球減少症(FN)とは好中球500/μl以下の患者が発熱を起こす状態を言う。 FNの患者では症状が明らかではなく、発熱の原因が感染症とはっきりしない状態でも原則細菌感染を想定し、血液培養2セット、尿培養、喀痰培養、血液検査、尿検査、画像検査を…

白血球検査(機械分類と目視法の違い)

白血球測定においては機械分類と目視分類とがある。 名前の通り機械分類は機械を使って大量の白血球を自動で分類してくれる。一方で目視法というのは100個程度の白血球を検査技師が顕微鏡下で肉眼的に観察して好中球や好酸球など割合の分類を行ってくれる。 …

腫瘍崩壊症候群で低カルシウム血症になる理由

腫瘍崩壊症候群で低カルシウム血症になる理由 腫瘍崩壊症候群とは白血病や悪性リンパ腫などの化学療法の際に腫瘍細胞が破壊されて腫瘍細胞の内容物が血管に流出し、高カリウム、高尿酸血症、高リン酸血症、低カルシウム血症などを呈する病態である。血中に増…

白血病治療でメイロンを投与する理由

白血病治療でメイロン®を投与する理由 白血病の治療で化学療法を行う場合は腫瘍崩壊症候群に注意が必要。腫瘍細胞が大量に破壊されることによって腫瘍細胞の成分が血中に流入することによって引き起こされる。高カリウム血症、高リン血症、高尿酸血症、代謝…

軽度貧血の患者にすぐ輸血してはいけない理由

【貧血の基準】 成人男性 Hb14 g/dL未満 成人女性 Hb12 g/dL未満 高齢者 Hb11 g/dL未満 急性に消化管出血が起こっていてどんどんと貧血が進行している場合などでない限り、慢性の軽度貧血患者にすぐに輸血をしてはならない。例えば高齢者でHb9-10だと貧血の…

鉄欠乏性貧血に鉄剤をいつまで続けるか

鉄欠乏性貧血をみつけたら… 多くの場合は鉄欠乏性貧血(高齢者の消化管出血だったり、女性の月経によるものであったり)。鉄欠乏性貧血はヘモグロビンの材料となる鉄がないために赤血球の袋に入るコンテンツがなくなり、低色素性小球性貧血となる。 診断には…

急性期DICの診断基準

DIC(播種性血管内凝固症候群)の診断基準 ・DICとは DICとは種々の基礎疾患(敗血症、悪性腫瘍、産科疾患、高度外傷など)を元に血液凝固能が亢進し、全身の細小血管に血栓が多発し、臓器の虚血性機能障害をきたす疾患である。凝固因子や血小板は消費されて…

甲状腺機能低下症で貧血になる理由(メモ)

甲状腺機能低下症で貧血になる機序(メモ) 1,エリスロポエチンの問題 腎性貧血甲状腺ホルモンは腎臓におけるエリスロポエチンの産生に関与しており、貧血が長引くとエリスロポエチンの産生の低下をきたし、骨髄における赤血球への分化を抑制してしまう。…

PT-INRとは何か

ワルファリンはビタミンK依存性の凝固因子(Ⅱ因子、Ⅶ因子、Ⅸ因子、Ⅹ因子)を阻害することで抗凝固作用を示す。適応としては長期の臥床患者の静脈血栓症の治療や心房細動に寄る血栓形成の抑制、心臓人工弁置換術後の血栓の予防などである。 ワルファリンは凝…

眼瞼結膜の貧血の見方

眼瞼結膜蒼白とはどのようなものか。写真で比較 眼瞼結膜蒼白のポイントは眼瞼結膜の前側と後側の色の比較である。 前側の縁が赤色で後ろ側が白くなっているのが正常。前側の縁も後ろ側も同じく白色になっているのが貧血のサイン。 眼瞼結膜:貧血なしの写真…

FDPとDダイマーの違い

血液凝固反応が起こると最終的にフィブリノーゲンがフィブリンになって安定化する。 画像引用*1 フィブリンは損傷血管を覆うことで保護するが、永久に持続するわけではなく、プラスミンを始めとした線溶系によって溶かされる。FDPとはフィブリノーゲンやフィ…

G-CSFとGM-CSFの違い

G-CSFとGM-CSFの違い(M-CSFについても追記) ■それぞれ何の略か G-CSFとは:顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor: G-CSF)のこと。 GM-CSFとは:顆粒球単球コロニー刺激因子(Granulocyte Macrophage colony-stimulating Facto…

好中球の核の過分葉とは何か

好中球の核の過分葉とは何か 好中球とは白血球の一種であり、侵入してきた細菌や真菌を貪食することで感染から身を守る働きをしている。好中球の元となる細胞は骨髄の造血幹細胞であるが、好中球になる細胞はこれは次のように成熟・分化していく。 骨髄芽球→…

抗リン脂質抗体症候群でAPTTが延長する理由

抗リン脂質抗体症候群でAPTTが延長するのは何故か 【抗リン脂質抗体症候群とは】 リン脂質、あるいはリン脂質結合タンパク質に対する自己抗体(抗カルジオリピン抗体、ループス抗凝固因子)などが作られてしまい、動静脈血栓や習慣性流産などを引き起こして…

サリドマイドの作用機序〜多発性骨髄腫治療薬〜

■多発性骨髄腫とは 多発性骨髄腫とは骨髄において形質細胞が単クローン性に増殖するリンパ系腫瘍である。 症状としては以下のものが代表的。 ・腰背部痛などの骨病変 ・骨髄機能抑制による貧血、易感染性、出血傾向 ・アルブミンの低下(単クローン性の免疫…

可溶性IL2受容体(sIL-2R)高値の原因と意義

■IL2受容体とは何か IL2(インターロイキン2)とは活性化ヘルパーT細胞から分泌されるサイトカインで、リンパ球や腫瘍細胞のの表面にあるIL2受容体(IL2R)に結合し、これら免疫細胞を活性化させる役割を有する。 IL2受容体はα鎖、β鎖、γ鎖の3つのユニット…

デスモプレシンの作用機序(vonwillebrand病の治療)

■vonwillebrand病の病態 常染色体遺伝子の異常により、vonwillebrand因子を正常に作れなくなり、血小板の血管内組織への粘着がうまくいかずに一次止血障害をきたしてしまう疾患である。 vonwillebrand因子とは血管内皮で産生され、血管のコラーゲンと血小板G…

DICにおけるDダイマー/FDP比の意義

■DICとは DIC(播種性血管内凝固症候群)とは何らかの基礎疾患により全身の血管内において血栓が形成されやすくなり、血小板や凝固因子が過剰に消費され、出血傾向になってしまう病態である。 DICでは形成された血栓を溶かすために線溶系が亢進し、凝固と線…

無効造血の原因とその覚え方

無効造血とは芽球が正常に分化出来ずに血管内に出る前にアポトーシスによって骨髄内で破壊されてしまう状態の事を言う。骨髄赤芽球は過形成で、少しでも鉄分を利用してもらおうと積極的に鉄を骨髄に送り込むので血漿鉄消失時間(PIDT1/2)は短縮している。しか…

巨大脾腫の原因とゴロ・覚え方

巨大脾腫(巨脾)の原因としては ・慢性骨髄性白血病 ・骨髄線維症 ・真性多血症 ・特発性門脈圧亢進症 ・マラリア などが代表的。 ゴロ合わせとしては 巨大秘書に困るマライア、こんにゃくのせいにした 巨大秘書:巨大脾腫 困る:CML(慢性骨髄性白血病) …

pivkaⅡ上昇の原因と偽陽性について

pivkaⅡとはprotein induced by vitamine K absence or antagonist-Ⅱの略である。日本語で言えばビタミンK欠乏状態で誘導されるタンパク質ということになる。臨床的にはPIVKA2が陽性であれば肝臓がんが疑われる。肝細胞癌の腫瘍マーカーとして他にはAFPやAFP-…

汎血球減少の原因と覚え方

汎血球減少の原因と語呂合わせ 汎血球減少とは赤血球、白血球、血小板の3系統における血球が減少することであり、それにより貧血、易感染性、出血傾向などの症状が出現する。 代表的な原因疾患を紹介・造血幹細胞の障害により…再生不良性貧血 ・造血細胞の…

赤沈の原理と亢進の原因について

赤沈の原理と亢進の原因について 赤沈とは、試験管の中に抗凝固剤であるクエン酸ナトリウムと血液を一定の割合で入れて放置し、赤血球がどれだけ下に降下(沈殿)するかを調べる検査である。赤沈亢進は成人男性では1時間0〜1mm以上、成人女性では1時間2〜1…

再生不良性貧血の治療に蛋白同化ステロイドが用いる機序

再生不良性貧血の治療に蛋白同化ステロイドが用いる機序 再生不良性貧血とは骨髄における造血幹細胞レベルに障害が起こり、汎血球減少をきたす疾患である。原因としては造血幹細胞自体が器質的に異常をきたしている場合と免疫学的な機序が考えられる。 治療…

ABO血液型〜オモテ試験とウラ試験の違い〜

オモテ試験とウラ試験の違い ABO血液型の特徴として、自己の赤血球が保有しない抗原に対する抗体を血清中に規則的に持っているという特徴がある。それを利用してABO式血液型の検査にはオモテ試験とウラ試験の2種類がある。端的に言えば、オモテ試験とは…

ITPの治療でピロリ菌の除菌を行う機序

ITPの治療でピロリ菌の除菌を行う機序 ITP(特発性血小板減少性紫斑病)では免疫学的機序により血小板の破壊亢進がおこり、血小板減少と出血傾向をきたす疾患である。 ITPの一般的な治療として、副腎皮質ステロイドを用いて免疫の活性化を抑制して血小板破壊…

血小板輸血不応の定義の予防法

血小板輸血不応の定義 血小板輸血を行っても予期したほどの血小板数の上昇が見られない状態を血小板輸血不応状態と呼ぶ。定義としては輸血1時間後の補正血小板増加数(CCI)が7500/uL未満、血小板回収率が30%以下が2回続いた場合を血小板輸血不応とする…

多発性骨髄腫でβ2MG、アルブミンが病期分類に用いられる理由

多発性骨髄腫でβ2MG(ミクログロブリン)、アルブミンが病期分類に用いられる理由 多発性骨髄腫ではISSという病期分類がある。それではアルブミンとβ2MGという物質が指標として用いられているのだが、血中アルブミンが低ければ低いほど重症、β2MGは高ければ…

溶血で尿ビリルビン陽性とならない理由

溶血で尿ビリルビン陽性とならない理由 溶血すると赤血球内の物質が漏れ出す。赤血球から流出したヘモグロビンは網内系においてヘモグロビン→ヘム→ビリベルジン→間接ビリルビンへと変換される。この間接ビリルビンは肝臓で直接ビリルビンに変換されて胆汁経…

慢性骨髄繊維症で涙滴赤血球が出現する理由

慢性骨髄繊維症で涙滴赤血球が出現する理由 慢性骨髄繊維症(CMF)とは骨髄において異常クローンが出現し、それらによるサイトカイン刺激により骨髄内でコラーゲンが過剰に産生されて骨髄の繊維化が起こる疾患である。慢性骨髄繊維症では骨髄で正常な造血が出…