つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

血液

急性期DICの診断基準

DIC(播種性血管内凝固症候群)の診断基準 ・DICとは DICとは種々の基礎疾患(敗血症、悪性腫瘍、産科疾患、高度外傷など)を元に血液凝固能が亢進し、全身の細小血管に血栓が多発し、臓器の虚血性機能障害をきたす疾患である。凝固因子や血小板は消費されて…

甲状腺機能低下症で貧血になる理由(メモ)

甲状腺機能低下症で貧血になる機序(メモ) 1,エリスロポエチンの問題 腎性貧血甲状腺ホルモンは腎臓におけるエリスロポエチンの産生に関与しており、貧血が長引くとエリスロポエチンの産生の低下をきたし、骨髄における赤血球への分化を抑制してしまう。…

PT-INRとは何か

ワルファリンはビタミンK依存性の凝固因子(Ⅱ因子、Ⅶ因子、Ⅸ因子、Ⅹ因子)を阻害することで抗凝固作用を示す。適応としては長期の臥床患者の静脈血栓症の治療や心房細動に寄る血栓形成の抑制、心臓人工弁置換術後の血栓の予防などである。 ワルファリンは凝…

眼瞼結膜の貧血の見方

眼瞼結膜蒼白とはどのようなものか。写真で比較 眼瞼結膜蒼白のポイントは眼瞼結膜の前側と後側の色の比較である。 前側の縁が赤色で後ろ側が白くなっているのが正常。前側の縁も後ろ側も同じく白色になっているのが貧血のサイン。 眼瞼結膜:貧血なしの写真…

FDPとDダイマーの違い

血液凝固反応が起こると最終的にフィブリノーゲンがフィブリンになって安定化する。 画像引用*1 フィブリンは損傷血管を覆うことで保護するが、永久に持続するわけではなく、プラスミンを始めとした線溶系によって溶かされる。FDPとはフィブリノーゲンやフィ…

G-CSFとGM-CSFの違い

G-CSFとGM-CSFの違い(M-CSFについても追記) ■それぞれ何の略か G-CSFとは:顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor: G-CSF)のこと。 GM-CSFとは:顆粒球単球コロニー刺激因子(Granulocyte Macrophage colony-stimulating Facto…

好中球の核の過分葉とは何か

好中球の核の過分葉とは何か 好中球とは白血球の一種であり、侵入してきた細菌や真菌を貪食することで感染から身を守る働きをしている。好中球の元となる細胞は骨髄の造血幹細胞であるが、好中球になる細胞はこれは次のように成熟・分化していく。 骨髄芽球→…

抗リン脂質抗体症候群でAPTTが延長する理由

抗リン脂質抗体症候群でAPTTが延長するのは何故か 【抗リン脂質抗体症候群とは】 リン脂質、あるいはリン脂質結合タンパク質に対する自己抗体(抗カルジオリピン抗体、ループス抗凝固因子)などが作られてしまい、動静脈血栓や習慣性流産などを引き起こして…

サリドマイドの作用機序〜多発性骨髄腫治療薬〜

■多発性骨髄腫とは 多発性骨髄腫とは骨髄において形質細胞が単クローン性に増殖するリンパ系腫瘍である。 症状としては以下のものが代表的。 ・腰背部痛などの骨病変 ・骨髄機能抑制による貧血、易感染性、出血傾向 ・アルブミンの低下(単クローン性の免疫…

可溶性IL2受容体(sIL-2R)とは何か

■IL2受容体とは何か IL2、インターロイキン2とは活性化ヘルパーT細胞から分泌されるサイトカインで、B細胞やT細胞の表面にあるIL2受容体に結合し、これら免疫細胞を活性化させる役割を有する。IL2受容体はα鎖、β鎖、γ鎖の3つのユニットから形成された複合…

デスモプレシンの作用機序(vonwillebrand病の治療)

■vonwillebrand病の病態 常染色体遺伝子の異常により、vonwillebrand因子を正常に作れなくなり、血小板の血管内組織への粘着がうまくいかずに一次止血障害をきたしてしまう疾患である。 vonwillebrand因子とは血管内皮で産生され、血管のコラーゲンと血小板G…

DICにおけるDダイマー/FDP比の意義

■DICとは DIC(播種性血管内凝固症候群)とは何らかの基礎疾患により全身の血管内において血栓が形成されやすくなり、血小板や凝固因子が過剰に消費され、出血傾向になってしまう病態である。 DICでは形成された血栓を溶かすために線溶系が亢進し、凝固と線…

無効造血の原因とその覚え方

無効造血とは芽球が正常に分化出来ずに血管内に出る前にアポトーシスによって骨髄内で破壊されてしまう状態の事を言う。骨髄赤芽球は過形成で、少しでも鉄分を利用してもらおうと積極的に鉄を骨髄に送り込むので血漿鉄消失時間(PIDT1/2)は短縮している。しか…

巨大脾腫の原因とゴロ・覚え方

巨大脾腫(巨脾)の原因としては ・慢性骨髄性白血病 ・骨髄線維症 ・真性多血症 ・特発性門脈圧亢進症 ・マラリア などが代表的。 ゴロ合わせとしては 巨大秘書に困るマライア、こんにゃくのせいにした 巨大秘書:巨大脾腫 困る:CML(慢性骨髄性白血病) …

pivkaⅡ上昇の原因と偽陽性について

pivkaⅡとはprotein induced by vitamine K absence or antagonist-Ⅱの略である。日本語で言えばビタミンK欠乏状態で誘導されるタンパク質ということになる。臨床的にはPIVKA2が陽性であれば肝臓がんが疑われる。肝細胞癌の腫瘍マーカーとして他にはAFPやAFP-…

汎血球減少の原因と覚え方

汎血球減少の原因と語呂合わせ 汎血球減少とは赤血球、白血球、血小板の3系統における血球が減少することであり、それにより貧血、易感染性、出血傾向などの症状が出現する。 代表的な原因疾患を紹介・造血幹細胞の障害により…再生不良性貧血 ・造血細胞の…

赤沈の原理と亢進の原因について

赤沈の原理と亢進の原因について 赤沈とは、試験管の中に抗凝固剤であるクエン酸ナトリウムと血液を一定の割合で入れて放置し、赤血球がどれだけ下に降下(沈殿)するかを調べる検査である。赤沈亢進は成人男性では1時間0〜1mm以上、成人女性では1時間2〜1…

再生不良性貧血の治療に蛋白同化ステロイドが用いる機序

再生不良性貧血の治療に蛋白同化ステロイドが用いる機序 再生不良性貧血とは骨髄における造血幹細胞レベルに障害が起こり、汎血球減少をきたす疾患である。原因としては造血幹細胞自体が器質的に異常をきたしている場合と免疫学的な機序が考えられる。 治療…

ABO血液型〜オモテ試験とウラ試験の違い〜

オモテ試験とウラ試験の違い ABO血液型の特徴として、自己の赤血球が保有しない抗原に対する抗体を血清中に規則的に持っているという特徴がある。それを利用してABO式血液型の検査にはオモテ試験とウラ試験の2種類がある。端的に言えば、オモテ試験とは…

ITPの治療でピロリ菌の除菌を行う機序

ITPの治療でピロリ菌の除菌を行う機序 ITP(特発性血小板減少性紫斑病)では免疫学的機序により血小板の破壊亢進がおこり、血小板減少と出血傾向をきたす疾患である。 ITPの一般的な治療として、副腎皮質ステロイドを用いて免疫の活性化を抑制して血小板破壊…

血小板輸血不応の定義の予防法

血小板輸血不応の定義 血小板輸血を行っても予期したほどの血小板数の上昇が見られない状態を血小板輸血不応状態と呼ぶ。定義としては輸血1時間後の補正血小板増加数(CCI)が7500/uL未満、血小板回収率が30%以下が2回続いた場合を血小板輸血不応とする…

多発性骨髄腫でβ2MG、アルブミンが病期分類に用いられる理由

多発性骨髄腫でβ2MG(ミクログロブリン)、アルブミンが病期分類に用いられる理由 多発性骨髄腫ではISSという病期分類がある。それではアルブミンとβ2MGという物質が指標として用いられているのだが、血中アルブミンが低ければ低いほど重症、β2MGは高ければ…

溶血で尿ビリルビン陽性とならない理由

溶血で尿ビリルビン陽性とならない理由 溶血すると赤血球内の物質が漏れ出す。赤血球から流出したヘモグロビンは網内系においてヘモグロビン→ヘム→ビリベルジン→間接ビリルビンへと変換される。この間接ビリルビンは肝臓で直接ビリルビンに変換されて胆汁経…

慢性骨髄繊維症で涙滴赤血球が出現する理由

慢性骨髄繊維症で涙滴赤血球が出現する理由 慢性骨髄繊維症(CMF)とは骨髄において異常クローンが出現し、それらによるサイトカイン刺激により骨髄内でコラーゲンが過剰に産生されて骨髄の繊維化が起こる疾患である。慢性骨髄繊維症では骨髄で正常な造血が出…

慢性炎症に伴う貧血でフェリチンが高値になるのはなぜか

慢性炎症に伴う貧血でフェリチンが高値になる理由 肺炎、骨髄炎のように体内で炎症が起こると貧血が起こることが知られている。肝臓で合成されるヘプシジンというホルモンが関与していることが近年の研究でわかってきた。 一般的に、体内で鉄が過剰状態にな…

鉄欠乏性貧血で血小板高値になる理由(メモ)

鉄欠乏性貧血で血小板高値になる理由 鉄欠乏性貧血によって腎臓がエリスロポエチンの産生を促進する。エリスロポエチンとトロンボポエチンの分子構造はにているのでエリスロポエチンによって血小板も増加してしまうと考えられている。

鉄芽球性貧血で環状鉄芽球が見られるのはなぜ?(メモ)

鉄芽球性貧血で環状鉄芽球が見られるのはなぜ? ヘムの合成は赤芽球のミトコンドリア内で行われるが、鉄芽球性貧血では合成経路のいずれかが障害され、ミトコンドリア内で鉄が利用されずにたまっていく。それが環状鉄芽球として認められるのである。ちなみに…

骨髄繊維症で類白血病反応を起こす機序

骨髄繊維症で類白血病反応を起こす機序 類白血病反応とは白血病以外の何らかの原因により末梢血の所見が白血病とにた状態になることを言う。 骨髄繊維症は骨髄において異常造血幹細胞が出現し、サイトカインにより繊維芽細胞を増殖させ、骨髄内をコラーゲン…

骨髄性白血病でアウエル小体が見られる理由

骨髄性白血病でアウエル小体が見られる理由 Auer小体とは白血病細胞の細胞質内に見られる針状構造の封入体。アズール顆粒が融合したものをアウエル小体と呼ぶ。auer小体が集合して束になるとファゴットと呼ばれる(faggotとは英語で薪の束という意味。) ■ …

急性リンパ性白血病の寛解導入療法で腎不全になるのはなぜか

急性リンパ性白血病の寛解導入療法で腎不全になるのはなぜか 急性白血病の寛解導入療法では大量の白血病細胞が急速に破壊されるので、腫瘍細胞の中の核酸(DNA、RNA)が放出され核酸成分のプリン体により高尿酸血症をきたす。またそれに伴う尿路結石、急性腎…

発作性夜間ヘモグロビン尿症で早朝のコーラ尿が見られるのはなぜか

発作性夜間ヘモグロビン尿症で早朝のコーラ尿が見られる機序 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)とは後天的に出現した異常造血幹細胞によるクローン性疾患である。PNH血球では特定の蛋白質を血球細胞膜につなぎ止めるGPIアンカーに異常が起こり、血球の補…

赤血球浸透圧抵抗減弱とは何か

赤血球浸透圧抵抗減弱とは何か 赤血球浸透圧抵抗減弱とは遺伝性球状赤血球症(HS)にみられる特徴的な検査所見である。なぜHSでは赤血球浸透圧抵抗が減弱するのだろうか。 遺伝性球状赤血球症とは、赤血球の膜の細胞骨格を形成する分子の異常により、正常な…

血漿鉄消失時間とは何か

血漿鉄消失時間とは何か 血漿鉄消失時間(PIDT:plasma iron disappearance time)とは放射性同位体で標識した鉄を静脈注射し、その鉄が血漿から消えるのにどのぐらいの時間を要するかを測定する試験である。一般的には半分の量になるまでの時間を計り、、PIDT…

ヘプシジンとは何か

ヘプシジンとは何か勉強してて気になったので調べてみました。メモ。 ■ ヘプシジンは20世紀の終わりに発見されたホルモンであり、肝臓で産生され、鉄の吸収を抑制する働きを持つ事が知られている。ヘプシジンはフェロプルチンという物質と相互作用し、腸管…

リンパ性白血病と悪性リンパ腫の違い

リンパ性白血病と悪性リンパ腫の違い リンパ性白血病とはリンパ系細胞が腫瘍化し、末梢血や骨髄中で認められるもの。一方、悪性リンパ腫とは腫瘍細胞がリンパ節などのリンパ組織や皮膚などのリンパ節外組織などにとどまり、増殖して腫瘤を形成するもの。 悪…

特発性血小板減少性紫斑病で巨核球が増える機序

特発性血小板減少性紫斑病で巨核球が増えるメカニズム 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)とは何らかの機序で血小板に対する抗体が産生され、それにより血小板が破壊されて減少する疾患である。ITPの診断として髄液検査にて巨核球の増加が一つの重要な所…

特発性血小板減少性紫斑病で免疫グロブリン大量療法を行う理由

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)で免疫グロブリン大量療法を行う理由 特発性血小板減少性紫斑病とは何らかの機序により血小板に対する抗体が産生され、血小板が破壊される疾患である。緊急に止血を要する場合や手術や分娩など止血管理が求められる場合には免…

溶血性尿毒症症候群で抗菌薬禁忌の理由

溶血性尿毒症症候群で抗菌薬禁忌の理由 溶血性尿毒症症候群(HUS)とはTTPのように血小板血栓が多発し、血小板減少と臓器症状をきたす疾患である。原因はOー157の産生するvero毒素による血管内皮障害である。血小板減少、溶血性貧血、急性腎不全は重…

破砕赤血球の原因と鑑別

破砕赤血球の原因と鑑別 破砕赤血球とは・・・赤血球が物理的な力により破壊されたときに出現する赤血球の断片である。原因として考えられるものとしては、TTP、DIC、HUS、人工弁置換などが考えられる。 meddic.jpより引用 TTP:血栓性血小板減少性紫斑病von…

洗浄赤血球とその適応

洗浄赤血球とその適応 病気が見える曰く・・・「濃厚赤血球を生理食塩水で3回洗浄することにより、血漿が1/100に減少している血液製剤。血漿成分へのアレルギーがある場合などに用いる。」 具体的な適応としては発作性夜間ヘモグロビン尿症がある。 発作性…

シリング試験陽性とは

シリング試験のメカニズム シリング(Schilling)試験とはビタミンB12が体内に吸収されるかどうかを調べる試験である。放射性同位体のコバルトで標識したビタミンB12を経口投与する。二時間後に、普通のビタミンB12を大量に筋肉注射する。 二時間経つ頃…

遺伝性球状赤血球症でMCHCが高値となる機序

遺伝性球状赤血球症でMCHCが高値となるメカニズム 遺伝性球状赤血球症とは…細胞骨格を構成する分子の異常によって赤血球が球状になってしまう遺伝疾患。赤血球は通常円盤状であるが、この疾患では球状となってしまう。 MCHCが高値を示すのは、赤血球…

Ham試験と砂糖水試験について

Ham試験と砂糖水試験のメカニズムについて ともに発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を調べるための検査法である。PNHとは血液細胞の補体感受性が亢進していて、血管内溶血を起こしてしまう疾患。貧血や黄疸などの症状がみられる。 Ham試験とは・・・正常…

赤血球連銭のメカニズム

赤血球連銭の機序 原発性マクログロブリン血症の抹消血では過粘稠度症候群により赤血球が連なったコインのようにみえることがある。(IgMを大量に作るので血液がドロドロになる) 赤血球連銭とは英語でrouleaux formationと書くが、rouleauxとは「コインを紙…

単クローン性と多クローン性高γグロブリン血症の違い

単クローン性と多クローン性高ガンマグロブリン血症の違い 健常人の血漿蛋白を電気泳動をすると以下の模式図のような順番になる。 左から順番にalbumin、αグロブリン、βグロブリン、γグロブリンの順番になっている。左に+極があるのでアルブミンは+に移動…

ソーセージ様怒張の原因と機序

ソーセージ様怒張はなぜ起こるか ソーセージ様静脈怒張(ソーセージ様眼底)とは原発性マクログロブリン血症でみられる眼底所見である。 なすびの医学STUDYより引用 http://www.geocities.jp/study_nasubi/g/g16.html 原発性マクログロブリン血症とはB細胞腫…

クリオグロブリン血症とは

クリオグロブリン血症とは 原発性マクログロブリン血症では単クローン性にIgMを産生してしまうが、そのうちの3割ほどのIgMはクリオグロブリンとしての性質を持っている。クリオグロブリンとは平常な体温では血液中に溶けているが、低温では凝集してしまうグ…

白血病裂孔とは何か

白血病裂孔とは 急性白血病では、造血幹細胞に遺伝子異常が生じ、分化能力を失った白血病細胞が単クローン性に増殖する疾患である。本来芽球は骨髄から出てこないが、異常クローンは悪性腫瘍で浸潤性を持つので末梢血にも漏れ出る。このとき、末梢血液中の血…

鉄欠乏性貧血の治療で鉄とビタミンCを同時投与するのはなぜ?

鉄欠乏性貧血に鉄剤とビタミンCを同時投与するのはなぜ? 鉄欠乏性貧血とは文字通り鉄が不足することにより赤血球のヘモグロビン合成が低下してしまう病態であるので、治療として鉄剤の投与が行われる。鉄は生体内でFe2+とFe3+の形で存在するが、Fe2+(還…

急性白血病と慢性白血病の違い

急性白血病と慢性白血病の違い 急性白血病とは造血間細胞に遺伝子変異が起こり、分化能力を失った異常な白血病細胞が単クローン性に増殖する疾患である。一方、慢性白血病とは骨髄で増殖した各成熟段階の顆粒球が出現する。その一部は骨髄から末梢血へ移行す…