つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

腎臓

アニオンギャップを計算する意義

アニオンギャップの計算とその意義 ◎アニオンギャップの式の導出 アニオンとは陰イオンのこと。ギャップとは差のこと。アニオンギャップとは陽イオンと陰イオンの差という意味で用いられる。 体内において陽イオンと陰イオンのそれぞれの合計は一緒。 陽イオ…

アシドーシスやアルカローシスの代償の目安

代謝性アシドーシスの際、身体はアシドーシスを補正しようと代償性アルカローシスになる。 HCO3-の基準値は22〜26mEq/l(平均24前後) PaCO2の基準値は35〜45mmHg(平均40前後) 代謝性アシドーシスであれば腎臓などに問題があり、アルカリ物質であるHCO3-が…

エコーでの水腎症の所見と重症度分類

超音波検査における水腎症の見え方 水腎症とは尿の通過障害や過度の膀胱充満によって腎盂や腎杯が拡張した状態。 原因としては尿管結石や尿管腫瘍などによる閉塞、また先天性に腎盂尿管移行部が閉塞している場合、そして神経因性膀胱などによって尿路の通過…

慢性腎不全でインスリン必要量が減る理由

慢性腎不全でインスリン必要量が減る機序 糖尿病患者ではインスリンがうまく分泌されない・働かないために治療としてインスリン注射が必要である。糖尿病が悪化すればするほどインスリン必要量も増えそうであるが、合併症として腎不全が進行するとインスリン…

近位尿細管でアンモニアが産生される理由

近位尿細管細胞はなぜアンモニアを作る必要があるのか 人体は腎臓・肺から酸を排泄することでアシドーシスにならないように恒常性を保っているが、体内で不揮発酸が過剰に産生された場合や腎不全により中々酸が排泄できない場合は、体全体は酸性に傾いてしま…

試験紙法とスルホサリチル酸法の違い

尿蛋白の検査として一般的には試験紙法が用いられているが、これはアルブミン蛋白に対する反応性をみている。特徴としては、あえて感度を鈍感にすることによって生理的な蛋白尿を検出しないようにしている。つまり、健常人でも5mg/dlほどのタンパクは尿中に…

JG細胞と緻密斑の働きについて

【JG細胞】 JG細胞(別名:顆粒細胞、傍糸球体細胞)は輸入細動脈の血管壁に存在しており、循環血漿量の減少や腎動脈狭窄などによって輸入細動脈にある圧受容体が圧力の低下を感知すると、JG細胞がレニンを分泌して血圧を保とうとする。因みにとはJG細胞とは…

多発性嚢胞腎で十分な水分摂取が推奨される理由

多発性嚢胞腎とは多数の嚢胞が腎臓の両側に生じて腎機能の低下、最終的には腎不全に至る遺伝性疾患である。日本における頻度は10万人あたり10人前後。 遺伝形式としては常染色体優性と常染色体劣性の2タイプがあり、常染色体優性タイプでは成人(特に4…

血尿と潜血、ヘモグロビン尿の違い

血尿とヘモグロビン尿の違い 血尿とは尿に赤血球が混ざったものをいう。 血尿は混ざる血液量に応じて肉眼的血尿と潜血(顕微鏡的血尿)に分けられる。 ・肉眼的血尿…多量の赤血球が混ざることにより肉眼的に尿が赤くなる状態。尿1L中に1ml以上の血液が混ざる…

溶連菌感染後糸球体腎炎の治療でステロイド禁忌の理由

溶連菌感染後糸球体腎炎の治療でステロイド禁忌の理由 溶連菌感染後糸球体腎炎とはA群β溶連菌に感染してから2週間ほどして血尿、タンパク尿、浮腫、高血圧などを呈する疾患である。病態としては溶連菌の抗原が糸球体に沈着し、それに対して抗体が産生され…

慢性腎不全で低カルシウム血症になる機序

慢性腎不全で低カルシウム血症になる機序 慢性腎不全になると糸球体濾過量が低下し、リンの排泄ができなくなるので高リン血症になる。すると副甲状腺からPTHが分泌されて高リン血症を解消するが、腎不全が進行するにつれて代償できなくなる。 高リン血症では…

血漿交換と血液吸着法の違い

血漿交換と血液吸着法の違い これらはともに除去療法(アフェレシス)と呼ばれていて、血液透析の親戚のような治療法である。 血漿交換というのは血球は通過できないが病因物質は通過できるぐらいの孔を持つ膜で病因物質だけ選択的に除去する方法。血漿内に…

糖尿病性腎症で摂取カロリーをむしろ増やすべき理由

糖尿病性腎症で摂取カロリーをむしろ増やすべき理由 糖尿病の三大合併症として糖尿病性腎症がある。治療方針として、厳格な血糖コントロール、降圧療法、蛋白制限食がある。 イラストはwebsite糖尿病ネットワークより引用 腎不全は上記のイラストのように5…

血液透析と腹膜透析の違い

透析には二種類ある。血液透析(HD)と腹膜透析(PD)。 ■血液透析、腹膜透析それぞれの原理 血液透析:患者の血液を体外に一度取り出し、ダイアライザーと呼ばれる透析器の中を通すことで透析を行い、再び患者に戻す(患者から血液を取り出すことを脱血、ダ…

高張性脱水と低張性脱水の違い

■高張性脱水(=高浸透圧性脱水)と低張性脱水(=低浸透圧性脱水)の違い 体内の水分量が減少した状態を脱水というが、発汗などにより水分の喪失が塩類の喪失に比べて大きく、体液の濃度が上昇する場合を高張性脱水といい、嘔吐などによってその逆になる場…

遊走腎とは何か

遊走腎のメカニズム 立位の状態で腎臓が2椎体以上、下降していることを遊走腎という。腰背部痛、腹痛、血尿などをきたすが、多くの場合保存的治療で良い。 腎臓は、それ自体が繊維皮膜に包まれ、その周囲を脂肪皮膜、そして更に繊維性のゲロタ筋膜によって…

ナットクラッカー現象のメカニズム

ナットクラッカー現象の機序 nutcracker現象とは何か 左腎静脈は腹部大動脈と上腸間膜動脈の間を走行しているので、動脈圧が高く、静脈圧が低いと、左腎静脈が圧迫されることがある。 すると、左腎の周囲がうっ血して肉眼的血尿をきたすことがある。CTなどの…

PAS染色とPAM染色、HE染色の使い分け

PAS染色とPAM染色、HE染色の違い (腎組織の見方について) ■各染色法について PAS染色:PASとはperiodic acid-Schiff(=過ヨウ素酸シッフ)の略。細胞や組織の糖鎖を染色し、好中球、基底膜、グリコーゲン、好酸球などが赤色に染まる。 PAM染色:periodic …

イヌリンとクレアチニンの違い

イヌリンとは生体に存在しない物質で、通常は糸球体で濾過され、尿細管で再吸収・分泌されずに排泄される。よって非常に正確に糸球体濾過量(eGFR)を測定することができる。 一方で、eGFRの測定として用いられるクレアチニンは糸球体で濾過され、尿細管で再…

尿蛋白の選択性〜トランスフェリンとIgG〜

腎機能が低下していると尿蛋白が出るが、タンパクの種類を調べることで診断の助けとなる。次のような考え方ベースとしてある。 腎不全の進行が軽度の場合→小さなタンパク質しか漏れない。 腎不全の進行が高度の場合→小さなタンパクに加え、大きなタンパク質…

内シャントと外シャントの違い

■シャントとは何か シャント(shunt)とは、血液が、本来通るべき血管とは別のルートを流れる状態のこと。バイバス、近道などと同じような意味である。一般的には動脈と静脈が直接つながることをシャントと呼ぶ。 (血液は普通、動脈→毛細血管→静脈という順に…

糸球体係蹄壁とは何か

糸球体係蹄壁とは簡単にいえば糸球体毛細血管の壁のことである。 係蹄壁と呼ばれる壁が毛細血管を通過する血液を濾過して原尿を生成している。 糸球体の係蹄壁という大層な名前を持っているだけあってただの壁ではない。 係蹄壁は3層構造をしていて、内皮細…

ファンコニー症候群の病態生理

■ファンコニー(fanconi)症候群のメカニズム 近位尿細管に障害が起こることで本来再吸収されるべき物質が再吸収されなくなることにより生じる病気。再吸収を担う近位尿細管はエネルギー消費の多い部位であるが、上皮細胞のミトコンドリア障害によって十分なAT…

メサンギウム細胞とメサンギウム基質について

メサンギウム細胞とは糸球体毛細血管を支持するメサンギウム構成細胞のこと。メサンギウムという言葉の語源はメソ(=間)+アンギウム(=血管)で血管間質ということができる。 メサンギウム領域はメサンギウム細胞とメサンギウム基質からなるが、メサンギ…

糸球体疾患の整理

糸球体疾患自分用まとめ まず大きく分けて、 1「血尿or蛋白尿だけのもの」 2「血尿or蛋白尿がでて慢性腎不全に移行するもの」 の二種類がある。 血尿or蛋白尿だけのものは更に急性と慢性に分けられる。 急性のものは基本的に小児に浮腫として発症。 具体的に…

BUN/Cre高値の原因

Creは腎不全の時に上がる。 BUNも腎不全の時に上がるが、Creと違い他の原因でも上昇しうる。 BUNとはblood urea nitrogenの略で血中尿素窒素のことである。これは名前の通り、血液中の尿素に含まれる窒素の量を測定したものである。尿素は摂取したタンパク質…

CKD-MBDとは

CKD-MBDとは慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常のことである。 つまり、慢性腎不全によって腎臓機能が低下するとホルモン産生能力も落ちるため様々な代謝異常が生じてしまう。 代表的なものを3つ 1.線維性骨炎:骨吸収が促進することにより骨強度が低下し…

腎前性腎不全と腎性腎不全の鑑別

腎前性腎不全と腎性腎不全はどう違うのか 急性腎不全では腎臓が急激に機能低下することにより、濾過されなくなり尿量が減る。するとBUNやクレアチニンが上昇。尿細管での排出能力も落ちるのでカリウム上昇やアシドーシスになる。 急性腎不全の原因として腎前…

eGFR低下による症状

eGFR(=推定糸球体濾過量)とは GFRの検査として一般的なクレアチニンクリアランスの測定には24時間の蓄尿や採血が必要。しかし、血清Cre、年齢、性別によって簡単にGFRを推定することができる(=eGFR)。 男性のeGFRの推定式=194×(Cr^-1.094)×(年齢^-0.2…

尿閉と無尿の違いとその原因

尿閉とは、膀胱内に貯留している尿を排泄できない状態であり、下腹部膨隆などの膀胱充満所見を認める。 無尿とは、腎臓での尿生成の低下や上部尿路の閉塞などにより尿量が減少した状態。乏尿とも言う。 端的にいうと 尿閉とは膀胱に尿がある状態。 無尿とは…

慢性腎不全と慢性腎臓病の違い

とある症例についてディスカッションしている際に「慢性腎不全」という言い回しをしたら上級医に「慢性腎臓病」の方が適切な言い方と指導された。後日、教授に対して「慢性腎臓病」と言ったら「慢性腎不全」の方が適切と言われてしまった・・・。 さて、どち…

ネフローゼ症候群の診断基準と覚え方

ネフローゼの診断基準 成人: 1:蛋白尿3.5g/日以上が持続 2:血清アルブミン値≦3.0g/dL 3:浮腫あり 4:高LDL血症 1と2は必須 小児: 蛋白尿高度、夜間蓄尿で40mg/時/m^2以上 血清アルブミン値≦2.5g/dL 覚え方というかゴロ合わせ これであさ見事にネ…

CO2が酸でHCO3-がアルカリである理由

【体液pHが一定に保たれる理由】 細胞が適切に働くには体液を至適pHに保つ必要があるが、体内は代謝によって産生される多量のCO2などの揮発性酸と乳酸、リン酸、ケトン体などの不揮発性酸のために酸性になる傾向にある。 体が酸性に傾きすぎないように酸を排…