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とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

髄膜炎に対してkernig徴候はどの程度有用か

Kernig徴候とは髄膜刺激徴候に対するスクリーニング検査。 検査の手順: 1,患者の片側の股関節、膝関節を共に90度に屈曲してもらう。 2、股関節を90度に屈曲させたまま、患者の大腿伸側を掴んで膝関節をゆっくり進展させていく。 3,膝関節が135…

めまい患者へのシンプル対応

めまいで怖いのは脳梗塞や脳卒中などの中枢性めまい。 そんな怖くはないが頻度が多いのは末梢性めまい。 ERでのめまい診療のポイントは中枢性めまいを見逃さないこと。 1、中枢性めまいを疑う所見を調べる 眼球運動障害、構音障害、顔面の麻痺や感覚障害、…

髄膜炎疑いの患者に頭部CTは必要か

髄膜炎患者に頭部CTは必要なのか 発熱と頭痛を主訴に来院して項部硬直が陽性の場合、髄膜炎を強く疑い腰椎穿刺をして確定診断をすることになるが、髄膜炎患者には頭部CTが必要なのだろうか。 答えはYESで、腰椎穿刺をする前に頭部CTを取って頭蓋内圧を亢進さ…

めまいにATPが効く理由

めまいにATPが効く理由 ATP(アデノシン三リン酸)(商品名;アデホスコーワ) ATPとはグルコースを分解してできる高エネルギーリン酸化物質であるが、めまいの治療に対しても頻繁に用いられている。 めまい症例に対するATPの臨床治験(耳鼻臨床 72: 12;1621…

test of skew deviationとは何か

test of skew deviation(斜偏倚)とは脳梗塞診断に用いられる身体所見の1つ。 skew deviationとは眼球(正確に言うと視軸)が垂直方向にずれて、片目がもう片方の目より上に偏位していることをいう。下方偏倚した側の脳幹障害を示唆する。 (手順) ・患者…

中枢性めまいの時の眼振の見方

注視方向交代性眼振の意義 (眼振記号の見方) 注視方向交代性眼振とは ペンライトの先などを目の前に出して、患者から50cmほど離れた距離でペンライトを正中視から上下左右に動かし目で追ってもらう(この時患者の顔が動かないように頭を軽く押さえる)。…

head impulse testとは何か(+動画)

head impulse test(HIT)とは何か ・患者に前方(医師の鼻先など)を凝視してもらう。 ・鼻を眼で見続けながら、頭を左(もしくは右)に20度程すばやく振ってもらう ・健常者では顔が動いても眼で標的(鼻)を見続けることが出来る。 ・前庭眼反射障害のあ…

救急外来でめまい患者に頭部CTを撮る意義

めまいを主訴に救急外来に来られる患者にほぼルーチンで頭部CTが取られることがある。が、頭部CTで問題がないからといって頭蓋内に病変がないと言えるものでもない。 頭部CTを取る意義は主に次の3点である。 ・脳出血がないか ・大きな脳梗塞がないか ・脳…

一次性脳損傷と二次性脳損傷の違い

一次性脳損傷と二次性脳損傷の違い ◯一次性脳損傷とは 外力によって脳実質が直接損傷すること。物理的にダメージを受けてしまうために不可逆的な障害を引き起こす。通常治らない。 ◯二次性脳損傷とは 頭部外傷によって直接的なダメージは受けなくとも、その…

切迫するDとは何か

【primary surveyのABCDE】 A:Airway(気道) B: Breathing(呼吸) C:Circulation(循環) D:disability of central nervous system(中枢神経) E:Exposure(脱衣),Environment(環境) primary surveyにおけるDのポイントは直ちに緊急手術が必要となる…

止まらないしゃくりへの対応@救急外来

しゃっくりの原因と対応法 【しゃっくりとは】 しゃっくりとは横隔膜の突然のけいれん性収縮によって起こる急激な吸息である。続いて声門が素早く閉じるために肺の過剰な膨張は抑えられる。しゃっくりの起こる正確な機序は不明であることが多いが、求心性神…

救急隊員は如何にして脳梗塞を疑っているか(CPSS)

CPSSとはcincinnati prehospital stroke scaleの略であり、救急隊員が病院搬送前に脳梗塞を疑うためのスケールである。 【CPSS】 ・顔の歪み 歯をイーっとしてもらい、顔面が左右対称であれば正常、片方が引きつっていれば異常 ・上肢挙上 開眼させて両側上…

ring testとは何か

ring testとは何か(別名:リングサイン、ハローサイン) 頭部外傷によって頭蓋底骨折が疑われた場合に行う試験である。 頭蓋底骨折によって頭蓋内の髄液が鼻や耳から漏れることがある(髄液鼻漏、髄液耳漏)。その際にその液体に髄液が混ざっているのかどう…

頭部CTの見るポイント”blood can be very bad”

頭部CTで見逃しをしてしまわないように漏れ無くチェックできるような語呂合わせを紹介。”blood can be very bad”(訳:血液はとっても悪いかもしれない) blood→blood(血液) 硬膜外血腫、硬膜下血腫、脳内血腫、脳室内出血、くも膜下出血 can→cistern(脳…

低血糖患者にブドウ糖とVitB1を投与しなければならない理由

低血糖患者にブドウ糖とVitB1を投与しなければならない理由 ・糖尿病薬の飲み過ぎやインスリノーマなど、何らかの理由で低血糖状態になっている患者には速やかにブドウ糖を投与する必要があるが、その際にビタミンB1も一緒に投与しなければならない。 ・生化…

一過性脳虚血発作(TIA)のリスク:ABCD2スコア

TIAの診断:ABCD2スコア 【TIAとは】 TIAとは脳虚血によって生じる一過性の神経学的異常(麻痺、言語障害、視野障害など)。24時間以内に症状は消失するが、TIA発症後に1割の患者は脳梗塞を起こすと言われており(半数は2日以内)、診断と治療を急ぐ必要…

頭蓋底骨折の所見と症状

頭蓋底の骨折は起こりやすい場所が決まっている ・前頭蓋窩の篩板 ・中頭蓋窩のトルコ鞍 ・中頭蓋窩から後頭蓋窩にまたがる側頭骨 ・後頭蓋窩の後頭鱗部 ・視神経管骨折(広義の頭蓋底骨折) などなど http://www.i-l-fitness-jp.com/comment/ta/chi-middle-…

Kernig徴候とBrudzinski徴候の違い

Kernig徴候とBrudzinski徴候の違い 混乱しやすい徴候なので整理。 Kernig徴候とは髄膜刺激徴候に対するスクリーニング検査。 検査の手順: 1,患者の片側の股関節、膝関節を共に90度に屈曲してもらう。 2、股関節を90度に屈曲させたまま、患者の大腿伸…

筋緊張性頭痛の診断基準

筋緊張性頭痛は身体的ストレス(長時間のパソコン操作、不自然な姿勢を長時間続ける、体を冷やすなど)と精神的ストレスにより筋肉が過剰に緊張してしまうことにより発症する。持続時間は30分〜7日間と幅がある。 【診断基準】*1 1,他の頭痛疾患を除外 …

neck flexion test(頸部前屈試験)の方法と意義

neck flexion test(頸部前屈試験)とは髄膜刺激徴候に対するスクリーニング的検査方法。髄膜刺激徴候は髄膜炎やクモ膜下出血で見られる。 neck flexion testの方法 1,患者に座位もしくは臥位になってもらう 2,見本を示しながら、患者に顎を前屈させて胸…

項部硬直の方法とその意義

項部硬直とは髄膜刺激症状に対するスクリーニング的検査方法。髄膜刺激徴候は髄膜炎やクモ膜下出血で見られる。 機序 髄膜炎などの感染症、あるいはクモ膜下出血によって髄膜が化学的、物理的に刺激されると疼痛が生じ、その痛みが起こらないような防御姿勢…

くも膜下出血のCT画像と解剖

クモ膜下出血( subarachnoid hemorrhage)のCT読影 くも膜下出血とはくも膜下腔にある脳表面の動脈が破裂することによって起こる。原因としては脳動脈瘤が最も多く、その他にも脳動静脈奇形やもやもや病、あるいは外傷によっても引き起こされる。クモ膜下出…

くも膜下出血で警告頭痛が起こる理由

くも膜下出血とはくも膜下腔にある脳表面の動脈が破裂することによって起こる。原因としては脳動脈瘤が最も多く、その他にも脳動静脈奇形やもやもや病、あるいは外傷によっても引き起こされる。クモ膜下出血の症状としては”突然”の”これまでに経験したことの…

めまい患者への対応@救急外来

めまいの鑑別と検査(ERメモ ERでのポイント(中枢性と末梢性の鑑別) 中枢性のめまいと末梢性のめまいの鑑別が何より大事。まずは中枢性を否定するというスタンスで。70歳以上で曖昧なめまいは違うとわかるまでは中枢性を疑う。 中枢性のめまいはめまい以外…

構音障害と失語症の違い

構音障害とは何らかの原因により発語が正常にできない状態を言う。構音障害に似ている概念に音声障害があるが、それは喉頭の異常などによる嗄声などが分類される。 また失語とは高次機能障害の一種であり、脳血管障害や神経変性障害などによって脳の言語領域…

ヘパリンとワルファリンの違い

ヘパリンとワルファリンの違い ヘパリンとワルファリンは共に抗凝固薬であり、凝固因子の働きを阻害して血栓形成を抑制する。ヘパリンとワルファリンは凝固カスケードにおいて作用する場所が異なる。 ヘパリン:アンチトロンビンを活性化してトロンビン(凝…

NOACとワルファリンの違いと作用機序

noacの作用機序とワーファリンとの違い 非弁膜症性心房細動(NVAF)の患者では左房内で凝固系が亢進してフィブリン血栓が形成され、それが飛んで脳梗塞を生じることがある。 それを予防するために抗凝固薬であるワルファリンが用いられ、これまでの臨床研究的…

レビー小体病とレビー小体型認知症の違い

レビー小体病とレビー小体型認知症の違い レビー小体病はレビー小体型認知症+パーキンソン病+自律神経失調の3つの疾患をまとめた総称(概念)である。 レビー小体病は名前の通りレビー小体が中枢神経に沈着することによって発症する疾患であるが、病変部…

パーキンソン病の病態:braak仮説とは何か

パーキンソン病の病態:braak仮説とは何か パーキンソン病は中脳黒質のドーパミン産生細胞が変性による脱落、またはレヴィー小体の出現によって様々な症状が出現する疾患である。 長年の間パーキンソン病は黒質から破壊されると考えられていたが、braakによ…

人形の目現象(眼球頭反射)とは何か+動画

眼球頭反射とは何か(人形の眼試験=人形の目現象) 人形の目試験とは頭位の回旋によって眼位の変化(頭位変換眼球反射)を観察する試験法。頭を支えた状態で急速に右、もしくは左に回旋させた時に眼球が頭に対して反対方向を向く現象である。頭を回転させて…

wearing offの機序とその治療法

L-dopa副作用のwearing offの機序とその治療 パーキンソン病は中脳の黒質においてドーパミンが欠乏することによって無動や振戦など様々な症状がでる疾患である。しかしドーパミンは分子サイズが大きくて血液脳関門を通過できないためにドーパミンを直接投与…

Oppenheim手技とは何か(+動画)

オッペンハイム手技とは:頸骨の内側縁を親指の腹で上から下の方にそっていく方法である。これは錐体路障害を検出するための方法であり、錐体路(上位運動ニューロン)に異常があれば下のイラストのように足の指(特に親指)が背屈する。錐体路障害の検出と…

ホフマン反射とトレムナー反射の違い(+動画)

ホフマン反射とトレムナー反射の違い 共に病的反射の一種であり上位運動ニューロン(錐体路)が障害されると出現する。病的反射はこれらの他にもバビンスキー反射やチャドック反射がある。最も感度が高い病的反射はバビンスキー反射でありスクリーニングとし…

アキレス腱反射の意義(+動画)

アキレス腱反射亢進と減弱の原因 アキレス腱反射とは…アキレス腱を軽く叩打することにより足が底屈するという腱反射のひとつ。アキレス腱反射は、脊髄から分枝したS1およびS2神経により起こる。 アキレス腱反射減弱・消失の原因: アキレス腱反射を叩打する…

バビンスキー反射とその機序(+動画)

バビンスキー反射とは 錐体路障害(つまり上位運動ニューロン障害)を調べるための検査方法。足の裏をかかとからつま先の方向にこすることで誘発される。健常者であれば母指は底屈するが、錐体路障害のある患者であると母指が背屈し、他の指は全て扇状に開く…

チャドック反射の意義(+動画)

チャドック反射陽性とその意味 チャドック反射とは病的反射の一種であり、錐体路障害(上位運動ニューロンの障害)に対する検査である。最も有名な病的反射としてバビンスキー反射がある。*1チャドック反射はバビンスキー反射の亜種とも言え、反射を誘発する…

挙睾筋反射とその意義

挙睾筋反射とその意義 挙睾筋反射(cremaster reflex)とは表在反射の一種。表在反射とは皮膚や粘膜が刺激されることで筋収縮が引き起こされる反射。大腿の内側近位部をピンなどでこすると同側の挙睾筋が収縮して睾丸が上昇する。尚、こする方向に関係せず出現…

麦角系と非麦角系ドパミンアゴニストの違い

麦角系(ばっかくけいと読む)と非麦角系の違い パーキンソン病の治療薬としてLドパやドパミンアゴニストがある。ドパミンアゴニストは直接ドーパミン受容体に結合してドーパミン用の作用を示す薬物であり、Lドパよりも作用時間が長いという特徴がある。患者…

前頭葉徴候ゲーゲンハルテンとは何か

ゲーゲンハルテンとは(=パラトニア) ゲーゲンハルテンとは患者に触れると、被験者の注意が集中してそこの筋肉の緊張が亢進してしまう現象の事を言う。あたかも被験者に逆らうように筋肉が硬くなり、一見固縮と似ている。 固縮との鑑別点としては、抵抗の…

パーキンソン病とパーキンソン症候群の鑑別

パーキンソン病とパーキンソン症候群の鑑別 パーキンソン病とは安静時振戦、固縮、姿勢反射障害、無動などの特有の症状を呈する神経疾患である。病理学的には中脳黒質のドーパミン神経細胞の脱落とレビー小体の出現が認められる。 パーキンソン症候群の定義…

抗血小板療法と抗凝固療法の違い(脳梗塞治療)

抗血小板薬と抗凝固薬の違い ■抗血小板薬 抗血小板とは血小板の凝集を抑える薬剤であり、主に動脈で作用を発揮する(動脈では血流が早く、乱流が起こりやすい。乱流は血小板の凝集を引き起こし、血栓を形成する。)血小板は内皮細胞が障害されて内皮下組織が…

FLAIRとt2の違いその意義

FLAIRとt2の違いその意義(MRI) T2強調画像は水を高信号(真っ白)に映し出す。脳脊髄液は水が多いので高信号となる。 FLAIRとは基本的にはT2強調画像と同じであるが、脳脊髄液の信号のみを抑制して低信号(真っ黒)にする撮像法である。 因みにFLAIRとはfl…

Queckenstedt試験とその機序

Queckenstedt試験とは何か 頭蓋内の静脈とクモ膜下腔、それに脊柱管内のクモ膜下腔が正常に交通しているかを調べる試験。 画像参照*1 ルンバール(腰椎穿刺)を行う際に側頸部を両側から圧迫する。くも膜下腔が自由に交通していれば圧迫によって髄液圧は10…

偏頭痛を疑ったらする”POUND”

偏頭痛診断のために用いられる問診POUND POUND P:pulsating(拍動性の痛みかどうか) O:hour duration 4-72h(頭痛の持続時間) U:Unilateral(一側性の痛み) N:nausea(吐き気を伴うかどうか) D:disabling(何も出来ない状態=日常生活に支障がある) 4-5…

進行性核上性麻痺でハチドリサインとなる話

進行性核上性麻痺(PSP)とは 中年期以降に発症し、淡蒼球、視床下核、小脳歯状核、赤核、黒質、脳幹 被蓋の神経細胞が脱落し、異常リン酸化タウ蛋白が神経細胞内およびグリア細胞内に蓄積する疾患である。 神経学的には易転倒性、核上性注視麻痺、パーキン…

ウェスト症候群の治療でビタミンB6やACTHが用いられる理由

west症候群でvitB6やACTHを用いるのは何故か 【ウェスト症候群とは】 乳児期に様々な脳の障害を背景として発症する難治性てんかんであり、精神運動発達の退行を伴う。シリーズ形成性のてんかん性スパズム、脳波上のヒプスアリスミア、精神運動発達の停止・退…

季節性うつ病が高緯度地域に多い理由

季節性うつ病とは… 通常のうつ病や双極性障害と異なり、毎年決まった季節になると発症し、また決まった季節に寛解するうつ病のことである。季節によって発症が決まっていることから”季節性うつ病”と呼ばれている。 この疾患が通常のうつ病と異なる点は高緯度…

悪性症候群と悪性高熱症の違い

悪性症候群と悪性高熱症は名称が似ていることから混合されてしまいやすいが、異なる概念であるので整理しておきます。 ■悪性症候群とは パーキンソン病患者において治療薬であるL-Dopaを急に中断したり、あるいは抗精神病薬によってドーパミンが突然少なくな…

失行と失認の違い

失行と失認の違い ■失行とは 失行とは文字通り「行為を失う」という意。失うわけであるので”以前は出来た行為”でなければならない。そして更に、麻痺などの運動障害がなく、どのような行為かを理解し、またそれを実行する意志があるにも関わらず出来ないよう…

穿頭術と開頭術の違い

穿頭術と開頭術の違い(似てるけどちょっと違う言葉の整理) 穿頭術とは 頭の骨に小さな穴を開けて硬膜、血腫外膜を切開して中の流動性の血腫内容物を除去する治療法。慢性硬膜下血腫や脳室内出血など頭蓋内に溜まった血液を体外に出す場合に適応となる。局…