つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

耳鼻咽喉科

めまい患者における眼振のミカタ

・救急外来受診患者の診察で重要なのは中枢性か末梢性かの鑑別。 ・眼振の見方には3つのパターンがある。 1、注視下 2、非注視下(Frenzel眼鏡着用下で、頭位眼振を見る) 3、電気眼振計(ENG)記録による検査 この中で、救急外来受診患者に行うのは主に…

溶連菌感染症のWBCやCRPは細菌によって異なるという話

細菌性扁桃炎患者のWBCはいつもとても高いイメージがあったが、調べてみると扁桃炎の中でも溶連菌感染症のときは他の細菌感染に比べて有意に白血球数が上昇するという報告がある模様。CRPに関しても一部の細菌に比べて溶連菌は高いことが示されている。なお…

咽頭・扁桃の白苔は細菌感染を示唆するものではないという話

咽頭や扁桃を観察して白苔の付着があるとウィルス感染ではなく細菌感染を示唆するとしばしば誤解されるが、実際には溶連菌感染症以外にも伝染性単核球症やアデノウィルス、インフルエンザA型などでも白苔の付着は普通に認められる。むしろ、伝染性単核球症で…

ペニシリン不応の扁桃炎でマクロライドを使う理由

急性扁桃炎は主に溶連菌感染症により発症することが知られており、長い間ペニシリンが治療のゴールドスタンダードとして用いられてきたが、近年ペニシリンの効かないケースもしばしば報告されている。 ペニシリン不応の理由として次のような理由が挙げられて…

溶連菌感染症とEBVの白苔の形状の違い

溶連菌感染症と伝染性単核球症(EBV)の白苔形成の違い 両疾患とも咽頭痛、発熱、頸部リンパ節腫大を呈すため身体所見だけではなかなか鑑別が難しいことがある。実際には採血で白血球分画(好中球優位なら溶連菌感染症、リンパ球優位なら伝染性単核球症)、…

繰り返す扁桃炎の扁桃摘出の基準

溶連菌感染症は様々な要因により患者によっては何度も繰り返してしまう。 単回であれば抗菌薬処方による保存的治療であるが、頻繁に繰り返すと扁桃摘出という外科的な治療も選択肢として入る。手術の基準として扁桃炎インデックスなるものがある。 扁桃炎イ…

扁桃周囲炎と扁桃周囲膿瘍の違い

扁桃周囲炎と扁桃周囲膿瘍の違い(区別する理由) 扁桃周囲炎とは溶連菌などによって起こる細菌性扁桃炎がひどくなり、口蓋扁桃の周りの膜を破って喉の奥にまで広がっている状態。 扁桃周囲膿瘍では細菌が更に増殖して扁桃被膜と咽頭筋の間に膿瘍を形成して…

「溶連菌感染症はうつりますか?」

「溶連菌感染症はうつりますか?」という質問に対して 溶連菌感染症の症状は主に発熱、咽頭痛、頸部リンパ節腫脹などで咳嗽や喀痰、鼻水は少ないので飛沫感染しにくいと考えられているが、マスクを着用しないでいると日常生活でしうる軽い咳などで溶連菌は飛…

扁桃周囲膿瘍が小児で少なく青年で多い理由

細菌性扁桃炎(溶連菌感染症)の好発年齢は小児であり、成人では稀である。 が、扁桃炎の進行した病態である扁桃周囲膿瘍では小児・高齢者での発症が稀で、好発年齢は20〜30代と青年期に多い。 ・小児で扁桃周囲膿瘍が少ない理由は小児では後咽頭腔にリ…

ASO高値の原因とその解釈

ASO(antistreptolysin O)とは抗ストレプトリジンO抗体のこと。 ストレプトリジンとはレンサ球菌属の産生する細胞溶解その1つであり、A群ベータ溶連菌が血液寒天培地でβ溶血するのに必要な物質でもある。ASOはA群ベータ溶連菌に感染した際に、A群が産生する…

溶連菌感染症疑いにペニシリン投与して良いのか

溶連菌感染症では第一選択的にアモキシシリン(サワシリン®)が用いられる。溶連菌感染症への治療ではそれで良いのだが、発熱、咽頭痛、扁桃の腫大、咳がなしなどの症状がそろっていても咽頭培養をしないことにはあくまで”疑い”である。 溶連菌感染症と類似…

急性喉頭蓋炎の頸部CT画像紹介

急性喉頭蓋炎の頸部CT画像紹介 メモ的に急性喉頭蓋炎の画像を紹介します。矢状断が非常にわかりやすいです。 正常な喉頭蓋の一例 【画像参考】Epiglottitis | 2014-05-18 | AHC Media: Continuing Medical Education Publishing 【急性喉頭蓋炎の一例その1】…

顔面神経麻痺への初期対応

顔面神経麻痺を診るポイントは何と言っても中枢性か末梢性かの鑑別。 ・顔面神経麻痺では額のしわ寄せ不可、閉眼不可、鼻唇溝の消失、口の閉鎖不全などの症状を呈するが、末梢性顔面神経麻痺であれば一側性の全ての症状が出揃うのに対して、中枢性であれば額…

細菌性副鼻腔炎における抗生剤の選択は?

細菌性副鼻腔炎の原因菌は肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラなどが代表的。これらは中耳炎の原因菌とほぼ同様である(何故なら副鼻腔炎と中耳は解剖学的に連絡しているため)。 米国感染症学会(IDSA)による副鼻腔炎ガイドラインではエンピリカルな治…

急性喉頭蓋炎で気道確保はいつするべきか

急性喉頭蓋炎における気道確保の適応 急性喉頭蓋炎は喉頭蓋の浮腫により気道を圧迫して窒息を引き起こしうる。なので重症例では速やかに気道確保が必要であるが、軽症の急性喉頭蓋炎ではしなくて良いのだろうか、それとも予防的に気道確保をするべきなのだろ…

killer sore throat5つを簡単にご紹介

怖い咽頭痛5つを簡単にご紹介 ERで咽頭痛を主訴に来る患者の大半はただの風邪であるが、中には致死的な疾患も混ざっているから要注意。海外では死にうる咽頭痛疾患5つをまとめてkiller sore throatなどと呼ばれている。 【killer sore throat】 1,急性喉…

急性副鼻腔炎で抗菌薬治療の適応

急性副鼻腔炎の診断については過去エントリ:副鼻腔炎をいつ疑うか。感度と特異度 - とある研修医の雑記帳を参照 副鼻腔炎にはウィルス性と細菌性どちらもあるが、多くはウィルス性でいわゆる風邪に伴うもの。ウィルス性であれば7〜10日程度で自然軽快す…

副鼻腔炎をいつ疑うか。感度と特異度

副鼻腔炎とは イラスト参照:副鼻腔炎の症状、手術 | 細田耳鼻科 副鼻腔炎にはウィルス性副鼻腔炎と細菌性副鼻腔炎とがある。 ウィルス性副鼻腔炎はいわゆる風邪とも言える。ウィルスは一般的に拡散力が強く、副鼻腔にとどまらず咽頭や気道の方にも感染する…

めまいにATPが効く理由

めまいにATPが効く理由 ATP(アデノシン三リン酸)(商品名;アデホスコーワ) ATPとはグルコースを分解してできる高エネルギーリン酸化物質であるが、めまいの治療に対しても頻繁に用いられている。 めまい症例に対するATPの臨床治験(耳鼻臨床 72: 12;1621…

head impulse testとは何か(+動画)

head impulse test(HIT)とは何か ・患者に前方(医師の鼻先など)を凝視してもらう。 ・鼻を眼で見続けながら、頭を左(もしくは右)に20度程すばやく振ってもらう ・健常者では顔が動いても眼で標的(鼻)を見続けることが出来る。 ・前庭眼反射障害のあ…

めまいにメイロンが効く理由

めまいで救急外来を受診される患者にほぼルーチンでメイロン(炭酸水素ナトリウム)が投与される。どういう作用機序でめまいに効くと考えられているのか? メイロンの成分はHCO3-なので、これが血管内で分解されて HCO3- + H2O→H3O + CO2 となる。CO2には血…

鼻骨骨折への対応

鼻骨骨折への対応 ●受傷機転 スポーツ外傷、転落、自動車事故が多い。 ●身体所見 鼻骨骨折があれば通常明らかな鼻の変形を認め、鼻と眼窩周囲組織の浮腫と斑状出血を認める。また触診で鼻骨の軋音、陥凹、不整を認めれば鼻骨骨折の可能性が高い。 ●単純レン…

急性喉頭蓋炎の診断:vallecula signとthumb sign

急性喉頭蓋炎を疑ったら頚部レントゲンを取るべし 急性喉頭蓋炎とは喉頭蓋が細菌感染により腫脹し、上気道閉塞をきたす。成人発症でも15%は気管挿管が必要で、0.6%は死亡するという非常に危険な疾患でもある。 【急性喉頭蓋炎とは】 ・症状:咽頭痛、喘鳴、…

溶連菌性咽頭炎の診断基準:centor criteria

溶連菌咽頭炎の診断基準 急性咽頭炎は細菌性とウィルス性に分けられる。80-90%がウィルス性と言われており抗菌薬の必要がないが、15%ほどは細菌性の咽頭炎である。 細菌性とウィルス性の鑑別、そして不必要な抗菌薬投与を防ぐための方法が以下のcentor crit…

めまい患者への対応@救急外来

めまいの鑑別と検査(ERメモ ERでのポイント(中枢性と末梢性の鑑別) 中枢性のめまいと末梢性のめまいの鑑別が何より大事。まずは中枢性を否定するというスタンスで。70歳以上で曖昧なめまいは違うとわかるまでは中枢性を疑う。 中枢性のめまいはめまい以外…

声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯の違い

声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯の違い 声帯ポリープについて 原因:喫煙や声の酷使 病因:声帯網様部の血管が破綻して出血と吸収を繰り返すことにより組織が変性してしまうことによる。ガラガラの粗造性嗄声を呈する。ポリープはぶよぶよしているの…

耳せつ(外耳道の化膿性炎症)が夏に多い理由

耳せつの原因〜夏に多い理由 外耳道の軟骨部と骨部の位置*1 【耳せつとは】 外耳道は上イラストのように軟骨部と骨部に分けられる。軟骨部には皮下組織に皮脂腺と耳垢腺があるが、骨部には腺構造がなく、皮下組織の上に扁平上皮細胞が覆っているだけである。…

声門癌の予後はよく、声門上部癌の予後は悪い理由

声門部がんの予後がよい理由 画像はhttp://www.e-carada.jp/ls1/illness/nose_ears_throat/01.htmlより引用 声門部がんでは声帯に癌が発生するために初期から嗄声(かすれごえ)の症状がでる。よって患者が症状を自覚して早期受診し、早期に治療が出来る。ま…

聴覚補充現象の機序

聴覚補充現象(リクルートメント)の機序 感音性難聴の患者は閾値以下の小さな音は聞こえないが、閾値よりも少しでも大きくなった音はものすごくうるさく聞こえてしまう。この現象のことを聴覚補充現象と呼ぶ。聴覚補充現象が陽性となるのは内耳性難聴である…