つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

神経内科

神経伝導速度検査memo

神経伝導速度検査についてメモ ◯運動神経伝導速度(MCV)検査 ・何のために行われるか:末梢神経機能の検査で、ニューロパチーの有無やその病態、治療効果の判定するために用いられる。 ・尺骨神経、正中神経、総腓骨神経、後脛骨神経(脛骨神経)の検査が可…

脳浮腫に漢方五苓散が効く理由

脳梗塞や脳腫瘍あるいは慢性硬膜下血腫など頭蓋内病変によって脳浮腫が起こる。脳浮腫とは文字通り脳細胞がむくんだ状態であるが、脳全体の体積が大きくなりすぎると脳幹を圧迫する脳ヘルニアを引き起こして致死的な状態となりうる。 西洋医学的な治療法とし…

頭部MRIでT2スター撮影する意義

頭部MRIにおけるT2*(T2スター)撮影の意義 ◯T2スターは微小出血の検出に有用 T2強調画像とは多くの脳病変で敏感に高信号となるが、T2強調画像にはT2スター強調像、水強調画像など様々な撮像方法があり、鉄の見え方や実質のコントラストが変化する。T2スタ…

急性期脳梗塞で拡散強調像、ADCを撮る理由

急性期脳梗塞で拡散強調像(DWI:diffusion weighted image)、ADCを撮る理由 まずは、基礎知識の確認から… ◯細胞性浮腫について 正常な細胞では細胞膜にNa+K+ポンプがあり細胞内外でのイオンの輸送を行って細胞内のNaが少なく、細胞内のKが多くなるように…

脳性麻痺と小児麻痺の違い

似てる言葉の整理 ◯脳性麻痺とは 脳性麻痺とは周産期の脳障害を原因とする永続的な運動障害の総称。具体的には受胎から新生児期(生後4週間)までの間に生じた脳の非進行性病変に基づく永続的、しかし変化しうる運動及び姿勢の異常と定義される。正常発達の…

開眼でアルファ減衰する理由

開眼でアルファ減衰する理由(脳波の話) ●アルファ波とは 画像参考:http://logos-classic.id25.com/logos_classic.html 脳波検査は通常「目を閉じて、何もしないが眠っていない状態」で脳活性の評価を行う。通常は後頭部優位のアルファ波(8−13Hz)があ…

脳波の電極配置メモ

脳波の電極配置メモ 引用:http://guides.lib.kyushu-u.ac.jp/content.php?pid=686338&sid=5708879 脳波電極は国際10-20法に従って配置される。 鼻根と喉頭結節を結ぶ線(前後方向)と両耳朶(じだ)を結ぶ線(左右方向)を10%と20%で区分して電極部位を決定…

筋萎縮へのアプローチmemo

筋萎縮へのアプローチmemo ●問診のポイント ・何歳ごろ発症したか(急性か、亜急性か、慢性か) ・家族歴 ・筋萎縮はどこから始まったか(近位か遠位か) ・しびれのような感覚障害を伴っていないか ・筋痛、脱力発作、複視、嚥下障害などの随伴症状はないか…

治癒しうる認知症の鑑別memo

認知機能低下に出会ったら治癒しうる認知症を除外するのが重要 神経内科ハンドブックによれば治癒しうる認知症(treatable dementia)とは 1.脳外科的治療の対象となるもの ・慢性硬膜下血腫:頭部打撲により脳表の架橋静脈が破綻して血腫が発生して圧迫す…

単純ヘルペス脳炎についてmemo

単純ヘルペス脳炎についてまとめ 【疫学】 ・ウィルス性脳炎の中で最も多い。国内で350人/年程度と稀だが死亡率は高い。 ・9歳以下で発症のピークがあるが、全年齢でみられる。 ・単純ヘルペスウィルス1型の再燃による発症が多い(約70%)、初感染による…

頭部外傷患者で(も)内服例の聴取が大事

頭部外傷患者で(も)内服例の聴取が大事 高齢者の頭部外傷においては必ず内服歴を確認する必要がある。とある報告*によるとワーファリンなどの抗凝固薬を服用している場合、神経学的所見が陰性であっても頭部CTで頭蓋内出血を認める例が25%とかなりの頻…

一過性全健忘症とは何か

一過性全健忘(transient global amnesia:TGA)とは突然なんの前触れもなく、新たな記憶ができなくなる前向性健忘と近時記憶の逆行性健忘とで発症する。 (*前向性健忘とは発症後に起きたことを覚えられない、逆行性健忘は発症前の記憶を思い出せない) 一見…

急性硬膜下血腫が三日月型になる理由

急性硬膜下血腫の頭部CTで三日月型になる理由 ・急性硬膜下血腫とは 急性硬膜下血腫と硬膜外血腫の違い - つねぴーblogより 急性硬膜下血腫の原因として脳表の微小血管損傷もしくは架橋静脈の断裂により出血する場合、そして脳挫傷に伴なう脳実質から出血す…

急性硬膜下血腫と硬膜外血腫の違い

硬膜下血腫と硬膜外血腫の違い (似ている病態の整理) 頭部外傷後に起こる頭蓋内血腫の似た疾患として硬膜外血腫と硬膜下血腫がある。 硬膜外血腫は文字通り硬膜の外側に血腫が出来るのに対して、硬膜下血腫は硬膜の内側に血腫ができる。 ●急性硬膜外血腫 …

鶏肉食べてギランバレー症候群になる確率

◯鶏肉の生食を食べてカンピロバクター腸炎になる確率 生食をしない人:家庭では0.2%,飲食店では0.07%→平均約0.15% 生食をする人:家庭では2.0%,飲食店では5.4%→平均約3.7% 参考:鶏肉によるカンピロバクター感染のリスク評価 (Vol. 31 p. 5-7: 2010年1月号)…

下肢筋力の見方memo

下肢筋力の見方の写真的メモ ◯腸腰筋(イリオソウアス) 股関節を屈曲するように指示し、検者は膝を上から押さえつけて抵抗する力をみる。 ◯大腿四頭筋(クアドリセプス)、膝屈筋群(大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋) 画像参考:https://tiryo.net/undoryo…

完全麻痺と不全麻痺の違い

完全麻痺は筋肉が全く収縮できない重度の筋力低下。 不全麻痺は軽度から中等度の筋力低下のことを言う。 徒手筋力テスト(MMT)では完全麻痺はMMT0、不全麻痺はMMT1〜4に該当する。 画像参考:nurseful.jp 当然のことながら、筋力低下とは1つ以上の筋肉…

複視の見方

◯眼球運動の診察について 眼球運動の検査は患者の眼前50cmほどの距離に検者の人差し指を出して、かおを動かさないで見つめてもらう。検者は指を前後左右にゆっくりと動かして、患者の両目が指を終えているか観察する。また、二重に見えないか(複視がない…

つぎあし歩行(tandem gait)とその意義

つぎあし歩行(tandem gait)とその意義 つぎあし歩行とは一方の足先ともう一方のあしのかかとが交互につくようにしながら直線状にまっすぐ歩かせるテストのことである。重度の運動失調があればつぎあし歩行などするまでもなく、真っすぐ歩けないということが…

主訴:歩行障害の鑑別

・痙性片麻痺歩行 大脳〜頸髄レベルでの片側性錐体路障害で片麻痺を呈する。 (内包付近の血管障害:被殻出血、視床出血、中大脳動脈流域脳梗塞など) 歩行時の自然な屈伸が減少し、下肢は伸展しつま先は垂れていることが多い(下肢全体が棒のように突っ張る…

急性期脳梗塞に対するアスピリンとオザグレルの違い

急性期脳梗塞の治療で血栓形成の予防を目的として抗血小板薬が用いられるが、現在有効性が示されているものはアスピリンとオザグレル(キサンボン®、カタクロット®)の2つである。 ◯血小板が凝集するメカニズム 血小板は生理的な状態で血管内皮細胞に接着す…

脳保護薬エダラボン(ラジカット®)とは

脳梗塞で生じる神経細胞死から神経組織を保護する目的で脳保護薬が用いられる。 神経細胞が虚血状態になってから死に至るまでの過程においては興奮性神経伝達物質のグルタミン酸や細胞内へのカルシウム流入、アポトーシス、フリーラジカルなどが関与している…

頸動脈系TIAと椎骨脳底動脈系TIAの症状の違い

頸動脈系TIAと椎骨脳底動脈系TIAの症状の違い TIA(一過性脳虚血発作)は虚血がどこの血管に生じたかで症状が異なる。 一般的には頸動脈系と椎骨脳底動脈系の2つに大別して考えられる。 頸動脈系、椎骨動脈系からそれぞれなんの動脈が分岐しているのか把握…

上肢筋力の見方memo

ERでみるべき筋力スクリーニングmemo ◯三角筋(deltoid:デルトイド) 三角筋の支配神経分節はC5,6 支配末梢神経は腋窩神経 上図のように患者に腕を横に伸ばしてもらった状態を維持してもらう。検者は上から下に抑えるようにして、患者はそれに逆らうように腕…

mingazzini徴候の方法と意義

mingazzini(ミンガッティーニ)徴候の方法と意義 下肢Mingazzini試験とは患者に仰臥位になってもらった状態で股関節と膝関節を90度屈曲させて両側の下肢を両手で持ち挙上させる。検者が手を話すと麻痺側の足が下降、もしくは動揺する。バレー徴候と同様に…

アテローム性、心原性、ラクナ脳梗塞の鑑別

アテローム性、心原性、ラクナ脳梗塞の違い イラスト参照:脳卒中は減ったのか? (3)脳梗塞は減ったのか?: 毎日がしあわせ 頻度としては心原性、アテローム性、ラクナ梗塞いずれも同等。 が、重症度としては心原性>アテローム性>ラクナ梗塞の順。 それ…

A to A型脳梗塞とは何か

A to A(artery to artery embolism)とは脳梗塞のうち、塞栓性機序(動脈原性塞栓)のことを意味する略語である。文字通り動脈にできた塞栓が飛んで先の動脈に詰まってしまう病態である。 脳梗塞は大雑把にいって ・心原性脳梗塞 ・ラクナ梗塞 ・アテローム…

皮質徴候とラクナ徴候の違い

皮質徴候とラクナ徴候の症状の違い 皮質徴候とは大脳皮質の障害による症状のことをいう。 脳の機能は大脳皮質に局在しているため障害部位によって生じる症状も異なる。 前頭葉障害:精神障害、原始反射、運動失調、錐体路症状、運動失語など 頭頂葉障害:複…

TIAで失神を伴わない理由

失神の原因がTIA(一過性脳虚血発作)であることは非常に稀である。 TIAは「局所脳虚血あるいは網膜虚血が原因による短時間の神経症状による症状であり、通常は1時間以内に症状は消失し、急性期脳梗塞の所見を伴わないもの」と定義されている。 脳梗塞で意…

しびれの鑑別診断memo

◯そもそも「しびれ」は本当にしびれなのかよく問診する しびれ→感覚異常、感覚低下、脱力、関節炎によるこわばりもしびれと表現される 考え方その1:病態で分類する ・脳障害 ・脊髄病変 ・神経根障害 ・末梢神経障害 1,脳障害 障害分布のパターン ・顔面…