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とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

羽ばたき振戦の意義(+動画)

羽ばたき振戦とは患者の両上肢をまっすぐと伸ばしてもらい、手関節を背屈させた状態で保持するように指示すると筋緊張の消失と手関節の緊張による背屈位が交互に繰り返され、両手をパタパタと羽ばたかせるようにみえる徴候。 【羽ばたき振戦のイラスト】 Ast…

気管支拡張の見方とその原因(signet ring sign)

CTにおける”気管支拡張”所見の見方 外から肺に取り入れた酸素を血液を介して全身に運ぶために、肺動脈と気管支は並走している。本来であれば肺動脈径と気管支径の大きさは同じようなものであるが、気管支径の方が肺動脈よりも大きくなっている場合を”気管支…

たこつぼ型心筋症と心筋梗塞の違い

たこつぼ型心筋症と心筋梗塞の違い たこつぼ型心筋症とは胸痛とST上昇など心筋梗塞に似た心電図変化を認めながら冠動脈の有意狭窄を認めない状態を言う。原因は明らかになっていないが、精神的あるいは身体的ストレスを受けた高齢女性に発症しやすいことが知…

橈骨神経麻痺への対応@救急外来

橈骨神経麻痺(土曜の夜麻痺)への対応 【撓骨神経麻痺とは】 深く飲酒をしたり睡眠薬を飲んで片腕を下にして眠りにつくと橈骨神経が長時間圧迫されて撓骨神経麻痺となる。本来であれば寝返りにより圧迫が解除されるが深い眠りの場合それが出来ずに神経が長…

進行性核上性麻痺でハチドリサインとなる話

進行性核上性麻痺(PSP)とは 中年期以降に発症し、淡蒼球、視床下核、小脳歯状核、赤核、黒質、脳幹 被蓋の神経細胞が脱落し、異常リン酸化タウ蛋白が神経細胞内およびグリア細胞内に蓄積する疾患である。 神経学的には易転倒性、核上性注視麻痺、パーキン…

総肺静脈還流異常症で雪だるま状陰影になる話

総肺静脈還流異常症とは 本来肺静脈は左心房に流れるが、本症では右心系に流れ込んでしまう。この血行動態だと血液の酸素化が行われないので生存は不可能そうであるが、本症では心房中隔欠損症を合併しているので右房から一部の血液は左房に流れ酸素かされる…

S状結腸軸捻転でcoffe bean signとなる話

S状結腸軸捻転とは腸間膜を軸として腸が180度以上ねじれて腸閉塞(イレウス)をきたした状態である。症状としては突然の腹痛・腹部膨満が典型的で、また本症では血管を巻き込んでねじれることが多いので絞扼性イレウスとなることも少なくない。 ”コーヒー…

ファロー四徴症で木靴心となるのは何故か

【ファロー四徴症とは】 ファロー四徴症では胎生期に円錐中隔の前方偏位が起こり、肺動脈流出路の狭窄が生じる先天性心疾患である。四徴とは 1、肺動脈狭窄2、心室中隔欠損3、大動脈騎乗4、右室肥大 の4つ。 【ファロー四徴症の胸部レントゲンで木靴心…

心内膜床欠損症でグースネックサインとなるのは何故か

【心内膜床欠損症とは】 ダウン症候群などにより心内膜の発達が上手く行かないことによる心疾患。完全形と不完全型があるが、一般的にはASDとMR、TRの合併が多い。 【何故goose neck signとなるのか】 僧帽弁の付着部位が低いために、僧帽弁が左室をえぐるよ…

副甲状腺機能亢進症でラグビージャージ様脊椎になる理由

副甲状腺機能亢進症でラガージャージ様脊椎になるのは何故か 副甲状腺機能亢進症では副甲状腺が過形成を起こし、腫瘍性にPTHを産生してしまう疾患である。PTHは血中Caを上昇させるホルモンであるが、その作用点は様々である。 ・破骨細胞に作用し、骨吸収を…

COPDでビア樽状胸郭となる理由

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは喫煙や有毒物質の吸引などにより肺に慢性的な刺激が加わり、気道の狭窄・肺胞の気腫性変化などが引き起こされる症候群のことである(COPDは病態であり固有の病気の名前ではない)。 末梢気道に炎症性細胞が浸潤し、慢性的な反応…

大動脈弁閉鎖不全で灌水様雑音が聞こえる理由

心臓の拡張期には大動脈弁と肺動脈弁は閉じて心室内への逆流を防いでいるが、弁の締まりが悪いと血液が逆流して雑音を生じる。具体的な疾患としては大動脈弁閉鎖不全症と肺動脈閉鎖不全症がある。 心臓センター | 野崎徳洲会病院 拡張期の大動脈と左室の圧の…

肝硬変でメデューサの頭が見られるのは何故か

肝硬変などの原因によって門脈圧が上昇して約250mmH2O以上になると門脈と大循環の間に側副血行路が発達して様々な病態を引き起こす。 門脈圧が高くなると門脈に入れずにUターンして臍帯静脈に流れ込み、下大静脈に向かう。この血液量が多くなると腹壁皮下静…

胃潰瘍からの吐血が”コーヒー残渣様”となる理由

消化管のどこから出血するかで吐血の性状が異なるという話 食道や胃などの上部消化管(特にトライツ靭帯よりも口側)で出血をきたすと口から血液が吐き出される吐血となるが、その血液の性状・色合いはどの程度胃酸に曝されるかによって異なる。 なぜなら赤…

裂肛でみられる”見はりイボ”とは何か

裂肛とは便秘などによる硬い便をいきんで出した時に生じる肛門の傷であり、俗語的には”切れ痔”に相当する。裂孔は数日で回復するが、再発を繰り返してしまうと炎症は慢性的なものとなり、裂肛の外側には見はりイボが見られるようになる。 画像引用元:http:/…

虚血性大腸炎の母指圧痕像とは何か

虚血性大腸炎の母指圧痕像とは何か 虚血性大腸炎とは: 動脈硬化や糖尿病などを素因として腸間膜動脈の狭窄・閉塞が起こり、大腸粘膜の限局性の虚血性変化を起こす疾患である。便秘なども誘因として重要で、症状としては突然の腹痛、下血などを呈する。 注腸…

鉄欠乏性貧血でスプーン爪となる理由

スプーン爪の機序 スプーン爪(別名:匙状爪)とは 鉄欠乏性貧血に特徴的な爪。鉄欠乏性貧血とは鉄の欠乏によって赤芽球のヘモグロビン合成が低下して起こる貧血である。鉄は造血以外にも細胞増殖全般に必要な因子であるので、細胞分裂の盛んな爪は上手く増…