つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

整形外科

腰椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症の鑑別

腰椎椎間板ヘルニア ・20−40歳男性に好発 ・一側性の坐骨神経痛、感覚障害、脱力などの神経根障害、及び腰痛。 ・膀胱直腸障害や会陰部の灼熱感など馬尾障害も出現しうる ・前屈時に症状増悪しやすい ・神経根障害の場合SLRテストやFNSテストが陽性 ・MR…

デジェリーヌ徴候(dejerine sine)とは何か

デジェリーヌ徴候(dejerine sine)とは何か 腰椎椎間板ヘルニアなどによる坐骨神経痛においては咳やくしゃみ、排便時のいきみなどで下肢痛の増悪など放散痛が出現することがある(=デジェリーヌ徴候)。この徴候が見られた場合は椎間板ヘルニアや脊髄腫瘍な…

肛門括約筋反射の見方とその意義

肛門括約筋反射の見方とその意義 肛門括約筋反射とは直腸に指を入れるか(直腸診)、肛門周囲をピンなどでこすると肛門括約筋が収縮する反射。皮膚の表在反射の一種。指を直腸内に挿入すると、肛門括約筋が収縮して指に力が加わるので反射が生じているのがわ…

腰椎椎体間ヘルニアが自然軽快するのは何故か

腰椎椎体間ヘルニアが自然軽快するのは何故か 椎間板ヘルニアは脊髄神経根を圧迫することにより疼痛が出現する病態であるが、多くの場合その痛みは自然に軽快する。 脱出した腰椎椎間板が血管新生を惹起し、様々なサイトカインが誘導されマクロファージを始…

馬尾圧迫症候群とは何か

馬尾圧迫症候群とは何か 馬尾とは脊髄の下端に見られる脊髄神経の束。腸神経、仙骨神経、尾骨神経などの精髄神経の神経根は脊柱管の中をまっすぐと下降する。この外観が馬の尻尾のようにみえることから馬尾と呼ばれている。 【馬尾のイメージ図】 イラスト参…

FNSテストとは何か+動画紹介

FNSテストとは大腿神経伸展試験(femoral nerve stretch test)のこと 腰部の神経根症状の有無を調べるための身体診察。方法としては、腹臥位で患者の膝を屈曲させ、股関節を伸展させる。この時に大腿神経根(L1-L4)の圧迫があると大腿前面に放散する疼痛が…

valleixの圧痛点とは何か

valleix(ヴァレー)の圧痛点とは何か 坐骨神経は腰椎や仙骨から出て大坐骨切痕から梨状筋下孔を通過して臀部や太腿の末梢に出るように走行する。坐骨神経が臀部や太ももなど身体の背側に出る部位のことをヴァレーの圧痛点という。 ここで圧痛が認められると…

椎体圧迫骨折の診断基準(byレントゲン)

椎体骨折の診断には胸腰椎レントゲンの側面像が用いられる。 【椎体のデフォルメ】 (椎体前縁部の高さをA、椎体中央部の高さをC、椎体後縁部の高さをP) Aはanterior,Cはcenter,Pはposteriorの略 【椎体骨折評価基準(2012 年度改訂案)参照】 ・圧迫骨折は…

肋骨骨折に鎮痛薬が大事な理由

肋骨骨折に関しては鎮痛薬はただの痛み止め以上の意義がある。 肋骨は呼吸によって変動する骨であるので肋骨骨折患者は出来るだけ息を大きくしないようにして痛みが生じないように意識的に、あるいは無意識的に呼吸をコントロールする。深呼吸を出来るだけし…

肋骨骨折の診断(画像か臨床所見か)

肋骨骨折の診断 ◯肋骨の診断 肋骨骨折の診断は画像所見(レントゲン)と身体所見を合わせてなされる。 レントゲンで明らかに骨が折れていれば診断は容易であるが、肋骨の周りには肺、血管、気管、食道など様々な器官があり骨折の中でも非常にわかりにくい。…

腰椎椎間板ヘルニアへのアプローチ

腰椎椎間板ヘルニアのメモ (記事の再構築予定…) ◯腰椎椎間板ヘルニアの概要 好発年齢は20〜40代と若年に多い。ヘルニアの中で腰椎ヘルニアが最も多い。 後側方へのヘルニア脱出が多いので健側と患側が出来る(稀に中央でヘルニア)。 好発部位はL4/L5…

頸椎レントゲンの見方

頸部外傷などにより頸椎損傷が疑われる場合、頸椎レントゲンを取る。 基本的に3方向(側面、正面、開口位)で撮影、不十分な場合は頸椎CTを追加する。 頚椎骨折で最も多い部位は第二頸椎(約25%)、そして第6頸椎、第7頸椎が続く。 頸椎レントゲン読影のAB…

頚椎カラーの解除基準

頸部より上の外傷の場合、頸椎損傷、脊髄損傷を念頭に置きながら対応する。救急搬送の場合は頚椎カラーで固定された状態で搬送されてくることが多い。頸椎、脊髄の保護は仰臥位で正中中間位として他動的な負荷をかけないようにするのが基本。また、体位変換…

「発熱がないから化膿性関節炎は否定的」とも言えない

「関節が発赤して痛がっているが、熱もなく化膿性関節炎は否定的」と思ってしまうこともあるが実際には発熱のない化膿性関節炎もそれなりに有るようだ。 とある報告によれば 発熱の感度は57% 関節腫脹の感度は78% 関節痛の感度は85% とのこと。化膿…

脊椎の神経支配の覚え方

脊椎損傷レベルの覚え方、語呂合わせ 【脊椎と運動神経】 C3(第三頸椎)=横隔膜 →C3、漢字で三と書くので横隔膜を隔てる膜をイメージする C5(第五頸椎)=上腕二頭筋(肘を曲げる筋肉) →手のひらで顔を叩き、その痛みで覚える。手のひら=5本の指 C6(…

骨盤骨折疑いへのアプローチ

骨盤骨折疑いへのアプローチ@救急外来 骨盤の解剖 画像引用http://www.takatsu-chiro.com/yougoshu/name-pelvis.htm 【骨盤骨折の種類】 骨盤骨折には骨盤輪の破綻する骨盤輪骨折と股関節を形成する寛骨臼骨折とにわけられる。骨盤は周囲に血管が豊富である…

膝外傷でいつレントゲンが必要になるか(オタワ膝ルール)

膝外傷でいつレントゲンの適応になるか(オタワ膝ルール) 膝外傷患者においては骨折よりも靭帯の損傷や半月板損傷が多く、骨折を見つけるためにレントゲンをとっても意味のないことが多い。オタワでは医療費の観点から無駄なレントゲン撮影をやめようと膝外…

脊椎圧迫骨折への対応

高齢者の腰痛、脊椎圧迫骨折疑いへの対応@救急外来 【圧迫骨折のイメージ】 【問診】 受傷機転:外傷歴がないか問診。50歳以上では外傷歴がなくても圧迫骨折は起こる いつから痛むか:腰背部痛出現のタイミング。いつ発症したか明確にする 増悪・寛解因子…

足首の捻挫でいつ骨折を疑うか(オタワ足関節ルール)

【”足首の捻挫”でいつレントゲンを取るか】 足首をひねった患者が来て、痛みが強い場合とりあえずルーチンでレントゲンを取られてしまうことが多いが、オタワでは無駄なレントゲン撮影を防ぐためにどういう時に骨折を疑うのか、レントゲンの必要がないかなど…

橈骨神経麻痺への対応@救急外来

橈骨神経麻痺(土曜の夜麻痺)への対応 【撓骨神経麻痺とは】 深く飲酒をしたり睡眠薬を飲んで片腕を下にして眠りにつくと橈骨神経が長時間圧迫されて撓骨神経麻痺となる。本来であれば寝返りにより圧迫が解除されるが深い眠りの場合それが出来ずに神経が長…

肩関節脱臼へのアプローチ@救急外来

肩関節脱臼へのアプローチ+整復 肩関節脱臼の分類 ・前方脱臼:肩関節脱臼の95%がこれ。転倒による受傷だと前方脱臼となる。 ・後方脱臼;肩関節を90度挙上している状態で前方からの外力により後方脱臼となりうる。またてんかん発作が原因でも後方脱臼…

肘内障(橈骨頭の亜脱臼)への対応@救急外来

肘内障(橈骨頭の亜脱臼)への対応@救急外来 【肘内障とは】 典型的な肘内障では幼児が突然親に手を引っ張られるなどして痛みのために突然手を動かさなくなってしまう。機序としては前腕を回内し、肘を進展した状態で長軸方向に急激に引っ張る結果生じる。…

腰椎レントゲンの適応

救急外来受診で腰痛を訴える患者の中で緊急性のある腰痛は3%程度しかない。およそ70〜80%は急性腰椎症、所謂ぎっくり腰と言われており特に治療をしなくても1ヶ月以内に軽快する。 ルーチンで腰椎レントゲンを取ることはコストの点でも放射線被曝の点でも…

腰痛患者の危険な徴候リスト

主訴:腰痛患者の必須確認ポイント ●赤信号の腰痛疾患のゴロ『FACET』 F(Fracture)→骨折 ステロイド内服、担癌患者、骨粗鬆症ないか問診 A(Aorta)→腹部大動脈瘤、大動脈解離 高齢者、胸痛・背部痛、腹部拍動性腫瘤 C(Compression)→脊髄の圧迫(腰椎椎…

肩鎖関節脱臼への対応@救急外来

肩鎖関節脱臼への対応 肩鎖関節とは 肩鎖関節は鎖骨と肩甲骨の間の関節のことで、この関節の安定性は肩鎖靱帯(肩峰と鎖骨の間)、烏口鎖骨靱帯(烏口突起と鎖骨の間)、三角筋・僧帽筋(鎖骨の外側につく筋肉)により保たれている。 画像参照:http://kotos…

完全骨折と不全骨折の違い

骨折は骨折線によって完全骨折と不全骨折に分類される。 完全骨折とは 骨の連続性が完全に失われた状態。粉砕骨折、横骨折、斜骨折、らせん骨折などがある。 横骨折の一例:骨の短軸方向に骨折が起こり連続性がなくなっている。 画像参照:http://blog45.nee…

鎖骨骨折への対応(+画像)

【鎖骨骨折の単純レントゲンの一例】 画像引用:http://healthil.jp/16204 【受傷機転】 典型的には肩から転倒、鎖骨の直接強打など 【身体所見で見るべきもの】 視診で変形、腫脹、擦過傷、斑状出血の有無 圧痛点の有無と部位 神経症状の確認(腕神経叢の損…

四肢の単純X線の読影ポイント(ABCSルール)

四肢の単純レントゲンの見方 ABCSに着目して読影する。 A:alignment(配列) 骨相互の位置関係を確認。そして1つの骨膜がきれいに揃っているか(連続性)見る。 B;bone(骨) 骨の中を見る。濃くなってないか、薄くなってないか。 C;Cartilage(軟骨) 軟骨…

捻挫・骨折疑い患者への対応

捻挫・骨折疑い患者への対応 【捻挫とは】 捻挫とは転倒やスポーツなどにより関節に強い外力が加わった外傷のうち骨折と脱臼を除いたものであり、軟骨や関節周囲の軟部組織の損傷である。なお、骨には異常がないのでレントゲン検査で異常を認めない。受傷時…

頸部捻挫(むちうち)へのアプローチ

頸部捻挫(むちうち)へのアプローチ 【受傷機転】 典型的には自動車の後部から衝突された時、頸が急激に伸展、屈曲することにより頸部痛が出現する。障害部位としては椎間関節、椎間板、椎間靭帯、頸筋、神経根などが傷害されうる。 https://jico-pro.com/c…