つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

手技・身体診察

皮膚のツルゴールの低下とその意義

「皮膚のツルゴール」とは「皮膚の緊張」という意味である。健常人であれば皮膚に張りがあって皮膚にシワが出来てもすぐに復元される。 【皮膚ツルゴールの見方…】 親指と人差指で患者の手の甲の皮膚(手の甲が難しければ鎖骨下)を引っ張りテント状の盛り上…

wheezeの重症度分類(silent chestとは)

◯wheezeとは 下気道の細い気道が閉塞することにより聞こえる「ヒュー、ヒュー」というような高い雑音。笛音とも呼ばれる。原因としては気管支喘息や炎症などによって気道内の分泌物が貯留することが考えられる。 聴診で聞こえるのは主に呼気だが吸気に聴かれ…

hand drop testの方法とその意義

hand drop test(上肢落下テスト,arm drop test)とは意識障害が器質的なものか、ヒステリー(心因性)のものか判断するための身体診察。 仰臥位の患者の両上肢を顔の上に挙げてもらい、突然離す。それで患者の手が顔にそのまま勢い良くぶつかれば本物の意識…

安静時振戦と姿勢時振戦、企図振戦の違い

◯安静時振戦(静止時振戦) 両手を膝の上に載せておいてもらい力を抜いてもらい振戦が見られるかどうか確認する。わかりにくい場合は手を目標に近づけるなどの動作をしてもらい、それで振戦が消失するかどうかをみる。安静時振戦の原因としてはパーキンソン…

末梢性顔面神経麻痺と中枢性顔面神経麻痺の鑑別

【中枢性・末梢性顔面神経麻痺のイメージ】 画像参照:http://heart-clinic.jp/index.php?%E7%A5%9E%E7%B5%8C ◯中枢性の顔面神経麻痺の場合 病変の対側の顔面下部のみの麻痺が生じる →つまり、額のしわ寄せや閉眼は出来るが、鼻唇溝は浅くなり、口角を上げる…

踵膝試験の方法とその意義(+動画)

踵膝試験(かかとひざしけん)の方法とその意義(+動画) 踵膝試験とは運動失調の有無をみるための神経診察。患者に仰臥位になってもらい、片足の踵を出来るだけ高く挙げてもらい、それを出来るだけ正確にもう一方の下肢の膝にのせ、そのまま脛にそって足首…

肛門括約筋反射の見方とその意義

肛門括約筋反射の見方とその意義 肛門括約筋反射とは直腸に指を入れるか(直腸診)、肛門周囲をピンなどでこすると肛門括約筋が収縮する反射。皮膚の表在反射の一種。指を直腸内に挿入すると、肛門括約筋が収縮して指に力が加わるので反射が生じているのがわ…

頸動脈血管雑音(bruit)聴診の方法とその意義

頸動脈血管雑音(bruit)聴診の方法とその意義 頸動脈血管の雑音聴取は頸動脈が狭窄などにより血流が速くなっていることを示唆する。頸動脈で最も狭窄が起こりやすい場所は総頸動脈が内頚動脈と外頸動脈に分岐する部分。狭窄があれば低調の連続性雑音が聞こ…

Homans徴候とは何か

Homans sign(ハマンズ徴候)とは何か 深部静脈血栓症(DVT)を診断するための身体所見の1つ。患者の膝を屈曲した状態で足関節を背屈させて腓腹部の痛みが出現すればHomans陽性となる。あまり静脈血栓っぽくない患者に試して陽性だったらDVTを疑うという意味…

起立性低血圧の定義とその原因

ヒトが起立するとおよそ400〜600mlの血液が下半身に移行するが、健常人であればそのことによって血圧が大幅に低下することはない。何故なら血液の下半身への移行に伴って代償的に交感神経を活性化させることにより末梢血管抵抗が増加し、心拍数・心拍出量も…

足背動脈触知の方法とその意義

◯足背動脈の場所とその触診方法 足背動脈とは前脛骨動脈の延長で、足背において長母指伸筋腱の外側(小指側)に位置する動脈のことである。内果と第三指の付け根を結ぶ線の中心部あたりを通る。 触診のコツとしては、患者に下肢を伸ばしてもらい、母指を上に…

手回内回外試験の方法と意義

手回内回外試験の方法と意義(+動画) 手回内回外試験とは小脳失調をみるための身体診察。 方法:被検者に両手を前に出してもらい肘を軽く屈曲して手首を大きく、出来るだけ早く回してもらう。検者が見本を見せてやると良い。 小脳失調がある場合、失調側の…

把握反射の方法とその意義(+動画で紹介)

把握反射の方法とその意義(+動画で紹介) 把握反射とは患者の手掌を指球から指先にかけて手指でこすると、検者の指を掴むような動作をすることをいう。把握反射は原始反射の1つであり、通常であれば新生児期に消失するが、前頭葉障害のある患者では再度出…

手掌おとがい反射とは何か(+動画)

手掌頤(おとがい)反射=palmomental reflexとは 手掌おとがい反射とは手掌の母指球を中枢側から末梢側にかけてハンマーの柄などで軽くこすると同側のおとがい筋の収縮が生じる反射である。この他眼輪筋や口輪筋の収縮を認めることもある。 手掌おとがい反…

ジストニアとジスキネジアの違い

似ている言葉の整理 ◯ジストニアとは ジストニアとは身体の一部または全身に不随意の持続的な筋収縮が生じる症候群。語源はdys=異常、tonia=緊張であり緊張の異常という意味になる。 持続的に筋収縮が起こるために身体の捻転や反復運動、姿勢異常が生じる。…

口尖らし反射の意義(+動画)

口尖らし反射(snout reflex)とは両側の錐体路障害(上位運動ニューロン障害)で出現する反射の1つ。 上口唇の真上の正中部を軽くハンマーなどで叩くと、被験者の口輪筋の収縮が生じて口を尖らせる様な動作をする。前頭葉を中心とする広範な大脳皮質障害や…

睫毛徴候の見方とその意義

◯睫毛(まつげ)徴候の見方とその意義 睫毛徴候とは顔面神経麻痺の時に出現する身体所見である。「しっかりと目を閉じて下さい」と患者に指示して両目の閉眼を指示する。顔面神経麻痺がある場合は眼輪筋の筋力低下により目をとじることが出来ずに兎眼(白目…

口角挙上試験の方法と見方

口角挙上試験の方法と見方 口角挙上試験とは顔面神経麻痺のスクリーニング検査。顔面神経麻痺では顔面筋の筋力が低下しており、「口をいーっとして下さい」と患者に指示することで顔面の筋肉の左右差が目立ち、顔面神経麻痺の有無を調べることが出来る。 ポ…

瞳孔動揺の原因と意義

瞳孔動揺とは何か 瞳孔が縮瞳と散瞳を繰り返すこと瞳孔動揺(hippus)という。対光反射など光を当てる時に目立つが、光を当てない状況でも瞳孔動揺は出現する。 種々の疾患などで起こることがあるが、正常の生理的状態でも見られることのある所見であり病的…

指鼻指試験の方法とその意義

指鼻指試験の方法とその意義 指鼻指試験とは小脳運動のスクリーニングテスト。 患者は人差し指で患者の鼻先と検者の指先を交代交代に触れさせる。検者は少しずつ指の位置を動かして患者がそれに合わせて指を動かせるか観察する。検者は自分の指を患者が手を…

FNSテストとは何か+動画紹介

FNSテストとは大腿神経伸展試験(femoral nerve stretch test)のこと 腰部の神経根症状の有無を調べるための身体診察。方法としては、腹臥位で患者の膝を屈曲させ、股関節を伸展させる。この時に大腿神経根(L1-L4)の圧迫があると大腿前面に放散する疼痛が…

valleixの圧痛点とは何か

valleix(ヴァレー)の圧痛点とは何か 坐骨神経は腰椎や仙骨から出て大坐骨切痕から梨状筋下孔を通過して臀部や太腿の末梢に出るように走行する。坐骨神経が臀部や太ももなど身体の背側に出る部位のことをヴァレーの圧痛点という。 ここで圧痛が認められると…

グル音で機械性イレウスと複雑性イレウスを鑑別する

グル音(腸蠕動音)は頻度だけでなく強度も評価したほうが良いという話。 グル音の頻度の判定は以下のように行う。 ・1分間で5回以上グル音が聞こえる→「正常」 ・1分間で常に聞こえ続ける→「グル音亢進」 (by腸炎、過敏性腸症候群、機械性イレウス) ・…

虫垂炎の身体所見いろいろご紹介

虫垂炎の身体所見いろいろご紹介 ◯McBurney点の圧痛、Lanz点の圧痛 Mcburney点とは右上前腸骨棘と臍を結ぶ線の外側1/3の点。虫垂の付着部の位置。 Lanz点とは左右の上前腸骨棘を結ぶ線の右外側1/3の点。虫垂の先端の位置。 虫垂炎ではこれらの点に限局する圧…

羽ばたき振戦の意義(+動画)

羽ばたき振戦とは患者の両上肢をまっすぐと伸ばしてもらい、手関節を背屈させた状態で保持するように指示すると筋緊張の消失と手関節の緊張による背屈位が交互に繰り返され、両手をパタパタと羽ばたかせるようにみえる徴候。固定姿勢を保持できないことから…

プレーン徴候は精巣捻転の診断に有用か?

プレーン徴候は精巣捻転の診断に有用か? プレーン徴候(prehn徴候)とは急性陰嚢痛の患者に対して精巣を挙上することで痛みが増強する徴候である。精巣を持ち上げて痛みが軽快すれば精巣上体炎を疑い、痛みが増強すれば精巣捻転を疑う。が、プレーン徴候が認…

中枢性めまいを身体所見で除外する方法:HINTS

中枢性めまいを身体所見で診断する方法:HINTS めまいを主訴に来院した患者でいちばん重要なのは脳血管障害などの中枢性めまいなのかBPPVなどの末梢性めまいなのかを鑑別すること。ERでは頭部CTをルーチンで取られることも多いが、急性期の脳梗塞はCTではっ…

Howship-Romberg徴候とは何か

Howship-Romberg徴候とは何か 閉鎖孔ヘルニアで見られる特徴的な所見。 ヘルニア内容が閉鎖神経を圧迫することにより大腿内側から膝、下腿にかけて痛みやしびれが生じる。股関節の伸展、外転、内旋で痛みが増強する。大腿屈曲で軽減。 閉鎖孔ヘルニアはヘル…

test of skew deviationとは何か

test of skew deviation(斜偏倚)とは脳梗塞診断に用いられる身体所見の1つ。 skew deviationとは眼球(正確に言うと視軸)が垂直方向にずれて、片目がもう片方の目より上に偏位していることをいう。下方偏倚した側の脳幹障害を示唆する。 (手順) ・患者…

中枢性めまいの時の眼振の見方

注視方向交代性眼振の意義 (眼振記号の見方) 注視方向交代性眼振とは ペンライトの先などを目の前に出して、患者から50cmほど離れた距離でペンライトを正中視から上下左右に動かし目で追ってもらう(この時患者の顔が動かないように頭を軽く押さえる)。…

点滴セットと輸液スピードの関係

点滴をする時、クレンメを締めたり開いたりすることで輸液のスピードを調節できる。例えば急速に水分を補給したい時は全開に開いて点滴するのに対して、心臓が悪いなどでゆっくりと輸液したい場合はクレンメを絞って少量ずつ点滴することになる。具体的にど…

インフルエンザ濾胞とは何か(+写真)

インフルエンザ患者の咽頭後壁には特徴的なリンパ濾胞が出現することが知られている(=インフルエンザ濾胞)。半球形で周囲の色調に比べて紅色(周囲が白色)になり境界明瞭の濾胞になる。緊満で光沢を帯びているように見えるためイクラ様とも例えられる。 …

腸閉塞を示唆する病歴と身体所見

腸閉塞を示唆する病歴と身体所見 陽性尤度比の高い順に… 肉眼的腸蠕動(21) 便秘の病歴(8.76) 腹部膨満(6.07) 腹部全体の圧痛(5.13) 嘔吐後に症状軽快(4.3) 腸蠕動音亢進(3.47) 腹部全体の腹痛(3.32) 腸蠕動音低下(3.18) 間欠痛(2.9) 食事で腹痛増…

血圧測定における最適な腕の高さ

一般的に血圧を測るときの腕の高さは心臓と同じ位置、胸骨での第四肋間に当たる位置が推奨されている。もし腕が心臓より6-7cm高くなると収縮期血圧と拡張期血圧ともに約5mmHg低下し、逆に心臓より7-8cm低くなると血圧は収縮期も拡張期も6mmHgほど上昇すると…

両手結び、片手結び、器械結びの違い(+動画紹介)

糸結びは外科処置において必須の手技である。糸結びは皮膚や筋膜など損傷などにより離れた組織を縫い合わせるために行うが、強く結びすぎると組織の血流が悪くなり生着が悪くなり、逆に弱く縫合してしまうと縫合不全の原因になる(特に消化管縫合における縫…

ドレーン排液の性状とその術後変化

ドレーン排液の性状 外科手術の後に体内に溜まったの血液や膿、浸出液などを体外に排出することをドレナージという。ドレナージによって排出された液体の性状を見ることにより体内での異常を素早く察知することが出来る。 手術直後の経過としては血性→淡血性…

筋性防御と筋硬直、板状硬の違い

■筋性防御と筋硬直、板状硬の違い 筋性防御とは腹部の触診の際に患者が自分で痛みを自覚しているために自分の意思で腹筋に力を入れて痛みを和らげようとする徴候のこと。 筋硬直とは腹壁の腹膜に激しい炎症が及ぶと、同部位の筋肉が患者の意思とは関係なく反…

喀痰の性状と原因菌@肺炎の診断

肺炎を疑うときに原因菌を調べる目的で喀痰培養を行う。 が、培養結果を待たなくてもある程度喀痰の色で原因を推定することが可能である。 ・鉄さび色→肺炎球菌 ・イチゴゼリー状→クレブシエラ ・オレンジ色→レジオネラ 肺炎球菌の喀痰(鉄錆色) 画像引用:…

血液培養でいつコンタミを疑うか

血液培養でいつコンタミを疑うか 血液培養は菌血症を疑うときに必要な検査であるが、いくら慎重に採取してもコンタミを0にすることはできないので注意が必要である。が、血液培養で生えてきた菌が本当に血中にいるものなのかコンタミによるものなのか鑑別す…

鎖骨上窩リンパ節腫大の原因

鎖骨上リンパ節腫大の原因 イメージ図:効果のメカニズムとポイント | リンパマッサージの方法 鎖骨上窩リンパ節が腫大すると悪性腫瘍の可能性を考えなければならない(鎖骨上窩のリンパ節は健常人でも大きくなりやすいので1cm以上の大きさが異常とされて…

リンパ節腫脹が病的かどうかの基準(リンパ節スコア)

リンパ節の腫脹が病的かどうかを判断するための指標(Zスコア)がある。 以下の6項目(年齢、圧痛、大きさ、そう痒感、部位、性状) ・年齢40歳以上:+5点 ・リンパ節の圧痛あり:−5点 ・一番大きなリンパ節の大きさ:1cm^2以下:0点、1-4cm^2:4点、4…

動脈触知と血圧の関係

動脈を触知することでおおよその血圧を予測することができる。 橈骨動脈…収縮期血圧80mmHg以上 大腿動脈…収縮期血圧70mmHg以上 頸動脈…収縮期血圧60mmHg以上 が、血圧が40-50mmHgほどしかなくても頸動脈を触知できてしまう場合など例外も当然ある。ショック…

スカルパ三角の意義と語呂合わせ

スカルパ三角(大腿三角)とは鼠径靭帯、縫工筋、長内転筋の内縁で囲まれた大腿前面の三角形状のくぼみのこと。このくぼみの奥に大腿骨頭が位置しており、触診で正常な位置にあるかどうか判定することができる。股関節脱臼では大腿骨頭が変位しているので触…

吐血と喀血、血痰の違い

吐血と喀血は似ている言葉であるが、医学的な定義は異なる。 端的に言うと… 吐血=消化器系からの出血 喀血=気道からの出血 である。 喀血は気管支や肺などの気道からの出血であるが、原因としては気管支動脈と肺動脈のシャントの破綻などが多い。肺への血…

単結節縫合、真皮縫合、垂直マットレス縫合の違い

単結節縫合、真皮縫合、マットレス縫合の違い ・単結節縫合とは(interrupted suture) 最も標準的な縫合。内反しやすいので縫合後のチェックは必要。 画像参照:http://flylib.com/books/en/2.569.1.25/1/ ・真皮縫合(皮下縫合) 画像参照:http://www.sli…

holo inspiratory crackleとは何か

【coarse crackleとは】 coarse crackleとは断続性ラ音の一種であり、粗い断続音、水泡音とも呼ばれる。 fine crackleとの違いは下記事参照 【holo crackleが聞こえたら心不全か肺炎を疑う】 coarse cracleは吸気時にぱちぱちと低い音が聞こえるのが特徴であ…

Kernig徴候とBrudzinski徴候の違い

Kernig徴候とBrudzinski徴候の違い 混乱しやすい徴候なので整理。 Kernig徴候とは髄膜刺激徴候に対するスクリーニング検査。 検査の手順: 1,患者の片側の股関節、膝関節を共に90度に屈曲してもらう。 2、股関節を90度に屈曲させたまま、患者の大腿伸…

バセドウ病で眼球突出する理由

バセドウ病で眼球突出する理由 バセドウ病とは甲状腺に対する自己抗体であるTSH受容体抗体が産生され、甲状腺機能が異常に亢進してしまう疾患である。バセドウ病の症状の1つとして眼球突出が知られている(患者の25-50%)。眼球突出はバセドウ病眼症(grave…

糖尿病でCharcot(シャルコー)関節になる理由

糖尿病でCharcot(シャルコー)関節になる理由 糖尿病で高血糖状態が持続すると全身性に末梢神経障害、血管障害が生じる。神経障害、血管障害が関節にも及ぶと不規則に関節の破壊と増殖が繰り返され、実質的に関節が破壊される。シャルコー関節患者は足の感…

グル音の”亢進”、”正常”、”減弱”の違い

腹部の腸蠕動音(グル音)の聴診においてその音の頻度によって原因の鑑別をすることが可能である。 グル音の頻度の判定は以下のように行う。 ・1分間で5回以上グル音が聞こえる→「正常」 ・1分間で常に聞こえ続ける→「グル音亢進」 (by腸炎、過敏性腸症…