つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

手技・身体診察

膝蓋跳動の方法と意義

膝蓋跳動とは関節水腫(関節に液体が貯留しているかどうか)を判定するための診察方法。関節液が貯まると膝蓋骨が跳ぶように動くことに由来。 ●関節液はどこにあるか 膝蓋骨周囲の解剖学的な断面図。膝蓋骨周囲に水が溜まっている様子↓@水色の部分。 関節液…

神経伝導速度検査memo

神経伝導速度検査についてメモ ◯運動神経伝導速度(MCV)検査 ・何のために行われるか:末梢神経機能の検査で、ニューロパチーの有無やその病態、治療効果の判定するために用いられる。 ・尺骨神経、正中神経、総腓骨神経、後脛骨神経(脛骨神経)の検査が可…

腹頸静脈試験とは何か

腹頸静脈試験(肝頸静脈逆流)とは何か →abdominojugular reflux(AJR) 右心不全の徴候として「頸静脈怒張」がある。頸静脈怒張はベッドを45度に傾けて患者の頸静脈が胸骨角のところから頸静脈拍動の最強点までの垂直での距離が4.5cm以上であれば右心不全を…

起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い

◯起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い 起座呼吸は仰臥位になると呼吸困難が出現し、座ると改善することをいう。メカニズムとしては、仰臥位では静脈還流量が増えるため、心不全が増悪して呼吸困難になると考えられている。 起座呼吸は横になるとすぐに苦しく…

咽頭・扁桃の白苔は細菌感染を示唆するものではないという話

咽頭や扁桃を観察して白苔の付着があるとウィルス感染ではなく細菌感染を示唆するとしばしば誤解されるが、実際には溶連菌感染症以外にも伝染性単核球症やアデノウィルス、インフルエンザA型などでも白苔の付着は普通に認められる。むしろ、伝染性単核球症で…

溶連菌感染症とEBVの白苔の形状の違い

溶連菌感染症と伝染性単核球症(EBV)の白苔形成の違い 両疾患とも咽頭痛、発熱、頸部リンパ節腫大を呈すため身体所見だけではなかなか鑑別が難しいことがある。実際には採血で白血球分画(好中球優位なら溶連菌感染症、リンパ球優位なら伝染性単核球症)、…

陥没呼吸のメカニズムとその重症度判定

陥没呼吸とは努力呼吸の様式の1つ。呼吸筋疲労や気道の狭窄などで吸気時の仕事量(エネルギー)が増加してしまっている状態。 陥没呼吸のメカニズムとしては、気管支喘息、COPD、呼吸窮迫症候群(RDS)などの原因で気道の狭窄が起こっていると、息を吸う時…

CVA叩打痛の方法とその鑑別

CVA叩打痛の方法とその意義 CVA叩打痛とは CVAとはcostovertebral angle(肋骨脊椎角)の略であり、肋骨と脊椎が三角に交わる場所のことである。CVAは臓器としては腎臓が近くに位置しているために腎盂腎炎や尿管結石のような腎臓疾患の検出に有用な所見であ…

ショックでは特徴的な皮疹が出る(網状皮斑)

網状皮斑(livedo reticularis)とは末梢の循環不全によって生じる四肢の限局的な領域に赤〜青色に変色した斑点状or網状の皮疹のことである。原因は多岐にわたるが、血流障害や血管壁の問題、その他先天性や特発性がある。 血流障害の例としては心不全やショ…

下肢筋力の見方memo

下肢筋力の見方の写真的メモ ◯腸腰筋(イリオソウアス) 股関節を屈曲するように指示し、検者は膝を上から押さえつけて抵抗する力をみる。 ◯大腿四頭筋(クアドリセプス)、膝屈筋群(大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋) 画像参考:https://tiryo.net/undoryo…

死戦期呼吸のメカニズム

死戦期呼吸は喘ぎ呼吸、下顎呼吸とも呼ばれる。 リズムは不規則で呼吸の大きさは大小様々ではあるが、やがては無呼吸に至る。 「努力様の呼吸」「つらそうな呼吸」「胸の上がりが不十分な呼吸」「呼吸が不規則、少ない」など様々な表現がされうるが、正常な…

つぎあし歩行(tandem gait)とその意義

つぎあし歩行(tandem gait)とその意義 つぎあし歩行とは一方の足先ともう一方のあしのかかとが交互につくようにしながら直線状にまっすぐ歩かせるテストのことである。重度の運動失調があればつぎあし歩行などするまでもなく、真っすぐ歩けないということが…

主訴:歩行障害の鑑別

・痙性片麻痺歩行 大脳〜頸髄レベルでの片側性錐体路障害で片麻痺を呈する。 (内包付近の血管障害:被殻出血、視床出血、中大脳動脈流域脳梗塞など) 歩行時の自然な屈伸が減少し、下肢は伸展しつま先は垂れていることが多い(下肢全体が棒のように突っ張る…

上肢筋力の見方memo

ERでみるべき筋力スクリーニングmemo ◯三角筋(deltoid:デルトイド) 三角筋の支配神経分節はC5,6 支配末梢神経は腋窩神経 上図のように患者に腕を横に伸ばしてもらった状態を維持してもらう。検者は上から下に抑えるようにして、患者はそれに逆らうように腕…

mingazzini徴候の方法と意義

mingazzini(ミンガッティーニ)徴候の方法と意義 下肢Mingazzini試験とは患者に仰臥位になってもらった状態で股関節と膝関節を90度屈曲させて両側の下肢を両手で持ち挙上させる。検者が手を話すと麻痺側の足が下降、もしくは動揺する。バレー徴候と同様に…

デジェリーヌ徴候(dejerine sine)とは何か

デジェリーヌ徴候(dejerine sine)とは何か 腰椎椎間板ヘルニアなどによる坐骨神経痛においては咳やくしゃみ、排便時のいきみなどで下肢痛の増悪など放散痛が出現することがある(=デジェリーヌ徴候)。この徴候が見られた場合は椎間板ヘルニアや脊髄腫瘍な…

瞳孔不同の定義とその原因

◯瞳孔不同の定義 写真参照:Anisocoria : WTF 瞳孔不同とは、瞳孔の直径の差が0.4mm以上のものと定義されている。 0.5mm以上の左右差で器質的な脳障害を示唆、1.0mm以上の左右差で器質的な脳障害を強く示唆。 瞳孔径は神経支配である交感神経(散瞳機能)と…

カンジダ指間びらん症が第三指間に多い理由

カンジダ指間びらん症が第三指間に多い理由 画像参照:皮膚カンジダ症 | 埼玉県皮膚科医会 カンジダ指間びらん症とは真菌カンジダがゆびの間で増殖して発赤や掻痒感を引き起こす皮膚疾患。水仕事の多い主婦や美容店など働く人に多く見られる。 なぜ第三指間…

hutchinson徴候とは何か

hutchinson徴候とは帯状疱疹において鼻背〜鼻尖部に皮疹が出現すること。 画像参照:http://www.kogiso-clinic.com/menu/nose.html 帯状疱疹において鼻背〜鼻尖部(鼻毛様体神経支配領域)に皮疹があると眼病変の発症リスクが高くなり、症状が重症化しやすく…

眼球結膜黄疸の感度

眼球結膜(つまり眼球の白いところ)の観察において重要なのは黄染と充血の有無。 何らかの原因により血中ビリルビン濃度が上昇すると、顔面、粘膜、そして全身の皮膚の色が黄色に変化していく。眼球結膜の黄疸は最もわかりやすく、最初に認識されると言われ…

ミオクローヌスとは何か

ミオクローヌスとは不随意運動の一種。筋肉の不随意的かつ突発的な収縮を意味する。 一定のリズムで素早い不随意運動があればミオクローヌスではなく振戦と呼ばれる。 限局的であれば一つの筋肉がピクッ、ピクッという程度の収縮であるが広範囲になると全身…

ボーラス投与、ワンショット、フラッシュの違い

ボーラス投与(bolus=ひと塊の意味)とは短時間で大量の用量の静脈内注射を行う投与方法のこと。別の言い方としては、「急速静注」「ワンショット」などとも言う。 静脈からの投与方法はintravenous adminiserからi.v.と略されるが… ・点滴による静脈内投与…

心膜摩擦音の機序とその音声紹介

心膜摩擦音の機序とその音声紹介 心膜摩擦音とは心膜炎で聴取される心雑音。 心膜炎とは心臓を覆っている心膜が炎症を起こした状態であり、急性心膜炎と続発性心膜炎に分類される。 ・急性心膜炎は原因のはっきりしない特発性か、ウィルス感染によるものが多…

膝立て試験とその意義

膝立て試験とその意義 麻痺が疑われる場合、患者に四肢を動かすように指示して動かしてくれれば麻痺の有無が容易に判断できるが、意識レベル低下などで意思疎通の取りにくい患者ではそうはいかない。 患者に仰臥位になってもらい膝関節を曲げて膝を立てさせ…

舌下神経の診察とその意義

第12脳神経の舌下神経の診察方法とその意義 舌下神経は純粋な運動ニューロン。舌下神経核は延髄の第四脳室の腹側に存在し、舌筋を支配する。 by wikipedia 舌の診察において特に大事なのは以下の3つ 1,舌の偏位 2,舌の萎縮 3,線維束性収縮 ・舌の偏…

静脈留置針で用いる針の太さの使い分け

静脈留置針(サーフロー)で用いる針の太さの使い分け 留置針の単位はゲージ(G)で表されるが、ゲージとは1インチ(25.4mm)の何分の1かを表す単位であり、例えば22Gは1/22インチということになる。よって数字が大きくなればなるほど針の外径は小さくなる。 …

皮膚のツルゴールの低下とその意義

「皮膚のツルゴール」とは「皮膚の緊張」という意味である。健常人であれば皮膚に張りがあって皮膚にシワが出来てもすぐに復元される。 【皮膚ツルゴールの見方…】 親指と人差指で患者の手の甲の皮膚(手の甲が難しければ鎖骨下)を引っ張りテント状の盛り上…

wheezeの重症度分類(silent chestとは)

◯wheezeとは 下気道の細い気道が閉塞することにより聞こえる「ヒュー、ヒュー」というような高い雑音。笛音とも呼ばれる。原因としては気管支喘息や炎症などによって気道内の分泌物が貯留することが考えられる。 聴診で聞こえるのは主に呼気だが吸気に聴かれ…

hand drop testの方法とその意義

hand drop test(上肢落下テスト,arm drop test)とは意識障害が器質的なものか、ヒステリー(心因性)のものか判断するための身体診察。 仰臥位の患者の両上肢を顔の上に挙げてもらい、突然離す。それで患者の手が顔にそのまま勢い良くぶつかれば本物の意識…

安静時振戦と姿勢時振戦、企図振戦の違い

◯安静時振戦(静止時振戦) 両手を膝の上に載せておいてもらい力を抜いてもらい振戦が見られるかどうか確認する。わかりにくい場合は手を目標に近づけるなどの動作をしてもらい、それで振戦が消失するかどうかをみる。安静時振戦の原因としてはパーキンソン…