つねぴーblog

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

感染症

気腫性膀胱炎とは何か

◯気腫性膀胱炎とは 気腫性膀胱炎とは大腸菌やクレブシエラ菌などガス産生菌が膀胱壁内にガス産生を行う膀胱炎であり、通常の膀胱炎よりも予後が悪い。若年女性などでは起こりにくく、コントロール不良の糖尿病患者や神経因性膀胱、尿道閉鎖などに好発する。…

敗血症性ショックではドパミンではなくノルアドレナリンを使う理由

敗血症性ショックの初期治療としては1000〜2000mlの輸液負荷を行うと同時にそれでも改善しない場合は昇圧薬としてノルアドレナリンやドパミンが頻用される。 どちらもαアドレナリン受容体を刺激することによって血管収縮作用を示す。 ドパミンに関してはβ受…

溶連菌感染症のWBCやCRPは細菌によって異なるという話

細菌性扁桃炎患者のWBCはいつもとても高いイメージがあったが、調べてみると扁桃炎の中でも溶連菌感染症のときは他の細菌感染に比べて有意に白血球数が上昇するという報告がある模様。CRPに関しても一部の細菌に比べて溶連菌は高いことが示されている。なお…

ペニシリン不応の扁桃炎でマクロライドを使う理由

急性扁桃炎は主に溶連菌感染症により発症することが知られており、長い間ペニシリンが治療のゴールドスタンダードとして用いられてきたが、近年ペニシリンの効かないケースもしばしば報告されている。 ペニシリン不応の理由として次のような理由が挙げられて…

感染症になると低アルブミン血症になるという話

肺炎や尿路感染症といった感染症や慢性関節リウマチや多発筋痛症など慢性疾患などがあると低アルブミン血症になることが知られている。これにはCRP(C反応性タンパク質)が関係している。 CRPとは肝臓で作られるタンパク質であり、炎症や組織細胞の破壊が起…

溶連菌感染症とEBVの白苔の形状の違い

溶連菌感染症と伝染性単核球症(EBV)の白苔形成の違い 両疾患とも咽頭痛、発熱、頸部リンパ節腫大を呈すため身体所見だけではなかなか鑑別が難しいことがある。実際には採血で白血球分画(好中球優位なら溶連菌感染症、リンパ球優位なら伝染性単核球症)、…

「溶連菌感染症はうつりますか?」

「溶連菌感染症はうつりますか?」という質問に対して 溶連菌感染症の症状は主に発熱、咽頭痛、頸部リンパ節腫脹などで咳嗽や喀痰、鼻水は少ないので飛沫感染しにくいと考えられているが、マスクを着用しないでいると日常生活でしうる軽い咳などで溶連菌は飛…

扁桃周囲膿瘍が小児で少なく青年で多い理由

細菌性扁桃炎(溶連菌感染症)の好発年齢は小児であり、成人では稀である。 が、扁桃炎の進行した病態である扁桃周囲膿瘍では小児・高齢者での発症が稀で、好発年齢は20〜30代と青年期に多い。 ・小児で扁桃周囲膿瘍が少ない理由は小児では後咽頭腔にリ…

第三世代経口セフェムが使えない理由

第三世代経口セフェムが使えない理由 フロモックス®やメイアクト®、セフゾン®、バナン®などのいわゆる第三世代の経口セフェム抗菌薬は開業医などでよく処方される薬剤あるが、実はほとんど役に立たないことで有名である。抗菌薬のカバー範囲の以前の問題とし…

MRSA感染症をいつ疑うか

MRSAとはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌のこと。 通常の黄色ブドウ球菌と異なり多くのペニシリン系やセフェム系抗生物質に耐性を示す。MRSAは常在細菌であり医師や看護師などの医療従事者の2〜3割は保菌していると言われる。MRSA自体の病原性は決して高くは…

タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタの違い

抗インフルエンザ薬の使い分け タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタの違い 作用機序:ノイラミニダーゼ阻害 インフルエンザはヒト体内で増殖する過程においてノイラミニダーゼによって細胞からの遊離をするが、ノイラミニダーゼを阻害することによって…

昨日まで健康だった成人の皮疹+敗血症を見たら

昨日まで健康だった成人の皮疹+敗血症を見たら…? 原因として考えられるものとしては… 1,黄色ブドウ球菌や化膿性連鎖球菌による毒素性ショック症候群 →黄色ブドウ球菌の傷口からの感染や膣の中のタンポンで増殖して小さな傷口からの血流感染することがあ…

ESBL産生菌とは何か

ESBL (extended-spectrum β-lactamases)とは日本語で気質拡張型βラクタマーゼの略である。複数あるβラクタマーゼの総称である故にESBLsと複数形をつけることもある。 【ESBL誕生の流れ】 ペニシリンが使われすぎて細菌がペニシリン分解酵素(ペニシリナーゼ…

セファゾリン、セフメタゾール、セフトリアキソンの違い

セフェム系は第一世代はグラム陽性菌に活性が有り、世代が進むごとにグラム陰性菌もカバーできるようになる代わりにグラム陽性菌へのカバーは悪くなる。 が、同じ世代のセフェムでも抗菌薬ごとに特徴はかなり異なるので注意。 画像参照)https://kusuri-jouh…

発熱性好中球減少症の熱源は?

発熱性好中球減少症(FN)とは好中球500/μl以下の患者が発熱を起こす状態を言う。 FNの患者では症状が明らかではなく、発熱の原因が感染症とはっきりしない状態でも原則細菌感染を想定し、血液培養2セット、尿培養、喀痰培養、血液検査、尿検査、画像検査を…

猫、犬、人咬傷への抗菌薬投与は必要?

猫、犬、人咬傷への対応 ◯まず感染の予防としてまず大量の水道水で洗う 動物咬傷に限らずどんな傷でも言えることではあるが大量の洗浄水でブラッシングしながら洗浄。もしくは生理食塩水に18G針を指して高圧洗浄(ただし200ml以上)。 洗浄をして初めて…

グラム陰性桿菌の覚え方と臨床的な特徴

グラム陰性桿菌の覚え方のゴロ ☆陰性桿菌の覚え方(実用性はなし) 印鑑持って甘美な赤と緑のセーラー服百枚抱いて これらをくれとレジのプロチーフに言った猿 印鑑持って:陰性桿菌 甘美な:カンピロバクター 赤と:赤痢菌 緑の:緑膿菌 セーラー服:セラチ…

野良犬に噛まれましたが大丈夫でしょうか?

野良犬に噛まれましたが大丈夫でしょうか?に対する説明。 日本国内で狂犬病が最後に報告されたのは1956年であり、現在では事実上撲滅されている。日本で見知らぬ犬に噛まれても狂犬病を心配する必要はない。狂犬病ウィルス自体が存在してない(確認され…

ASO高値の原因とその解釈

ASO(antistreptolysin O)とは抗ストレプトリジンO抗体のこと。 ストレプトリジンとはレンサ球菌属の産生する細胞溶解その1つであり、A群ベータ溶連菌が血液寒天培地でβ溶血するのに必要な物質でもある。ASOはA群ベータ溶連菌に感染した際に、A群が産生する…

エルシニア腸炎とは

急性虫垂炎と似た症状を呈するものとして、エルシニア腸炎がある。 エルシニア腸炎はYersinia Enterobacteriaceaeによる腸管感染症であり、回腸末端に侵入し、有痛性の腸間膜リンパ節炎・右下腹部痛を生じさせる。 Yersinia Enterobacteriaceaeは低温でも成…

クロストリジウム・ディフィシル診断(感度と特異度)

CDI感染(クロストリジウム・ディフィシル)はいつ疑うか。 教科書的には抗菌薬使用後+入院患者に発生する下痢では疑わなければならないとされている。 ◯CDIを起こしやすい抗菌薬 リスク比一覧(byホスピタリストのための内科診療フローチャート) クリンダ…

エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシンの違い

各種マクロライド系抗生物質の違い・使い分け エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシンの違い ”まっくろなエクレア”世代順の覚え方 (マクロライド=エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン) ・マクロライド系の抗生物質…

バクタ(ST合剤)はいつ使うか

【ST合剤とは】 STが合剤なのはサルファ成分とトリメトプリムが微生物の葉酸合成経路を別々の機序で阻害するから。これによりシナジーが生まれて1+1は2以上になる現象。葉酸合成系は人間にはなく、微生物のみにしか無いから有効に使える。微生物は葉酸合…

バンコマイシンはいつ使うか

【バンコマイシンとは】 ・バンコマイシンは糖ポリペプチドでグリコペプチド系抗菌薬に用いられる。 ・スペクトラムとしてはほとんど全てののグラム陽性菌(球菌、桿菌)に有効であり、殺菌的に働く。黄色ブドウ球菌に対して1958年から用いられるように…

脾臓摘出患者に肺炎球菌ワクチンを打つ理由

肺炎球菌は莢膜という膜を持つため好中球の貪食に抵抗性を示す。 故に、肺炎球菌防御の主体は脾臓によるトラップということになるが、何らかの理由により脾臓摘出している患者では肺炎球菌の病原性をもろに食らうことになるため、抑えることが出来ずに短時間…

グラム陽性球菌の覚え方と臨床的なポイント

◯グラム陽性球菌の覚え方 【ゴロ】 要求したブドウは超急には配送されんさ 1 ̄ 2 ̄ ̄ 3 ̄ 4 ̄ ̄ 5 ̄ ̄ 1陽性球菌 2ブドウ球菌(黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌) 3腸球菌 4肺炎双球菌 5レンサ球菌 黄色ブドウ球菌 ・健常人でも3−4割の人が保菌…

ピペラシリン・タゾバクタム(ゾシン®)はいつ使うか

ペニシリン系抗菌薬には ・天然ペニシリン(ペニシリンG) ・アミノペニシリン(アンピシリン、アモキシシリン) ・ウレイドペニシリン(ピペラシリン) ・βラクタマーゼ阻害薬との合剤(アンピシリン・スルバクタム、ピペラシリン・タゾバクタム、アモキシシ…

メロペネムはいつ使うか

メロペネム(メロペン®)はいつ使うか、その適応 ◯メロペネムの作用機序 メロペネムはカルバペネム系抗菌薬の一種であり、βラクタム系抗菌薬に分類される。βラクタム環を有し、PBP(ペニシリン結合タンパク質)に結合し、細菌の細胞壁合成を阻害することで細…

カルバペネム系でメロペネムが好まれる理由

現在日本で使えるカルバペネムは以下のものがある。 イミペネム・シラスタチン(チエナム®) メロペネム(メロペン®) パニペネム・ベタミプロン(カルベニン®) ビアペネム(オメガシン®) ドリペネム(フィニバックス®) カルバペネム系は非常に広域の抗菌…

溶連菌感染症疑いにペニシリン投与して良いのか

溶連菌感染症では第一選択的にアモキシシリン(サワシリン®)が用いられる。溶連菌感染症への治療ではそれで良いのだが、発熱、咽頭痛、扁桃の腫大、咳がなしなどの症状がそろっていても咽頭培養をしないことにはあくまで”疑い”である。 溶連菌感染症と類似…