つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

循環器

大動脈解離のCT画像のおさらい

偽腔の血流状態による分類 ◯偽腔開存型:危険度高い 偽腔に血流のあるもの。部分的な血栓が偽腔の中にあることも。 ↑stanfordA型の偽腔開存型:造影CT ◯偽腔(血栓)閉塞型:Intramural hematoma (Intramural hemorrhage) 偽腔が血栓で完全に閉塞しており血…

ペースメーカーモードDDDとDDIの違い

・DDDモードとは 心房と心室にそれぞれに電極が入っているダブルチャンバーの時のモード。 ダブルチャンバーでは心房の興奮を感知もしくは心房にペーシング刺激挿入後、心室興奮を感知しない場合に心房興奮・ペーシング刺激に同期して一定時間後に心室ペーシ…

完全房室ブロックと房室解離の違い

◯房室解離とは 心房と心室の興奮が同期していない状態。2つのケースがあり、 (1)、心房の興奮が心室に伝わっていない場合 (2)、洞調律が遅くなって、その発生頻度が下位中枢(房室結節or接合部調律など)の生理的な刺激頻度よりも少なくなった場合 (…

慢性心不全における輸液の選択

◯救急外来に慢性心不全の患者が来た場合 慢性心不全の患者が何らかの主訴で救急外来を受診された場合、急性増悪が疑われるようなケースであればとりあえず採血・ルートキープは行うことになる。そして採血結果が判明する前にとりあえず何らかの輸液をオーダ…

心室頻拍(VT)を見つけたら

◯心室頻拍(VT)の波形 心室頻拍の定義は心室期外収縮の3連発以上連続すること(100拍/分以上のペースで)。心電図上の判断のポイントはQRS幅が広い(0.12mm以上=小さいマス目3つ分)。 wideQRSで頻脈になっていたら多くが心室性。一部上室性の可能性もあ…

高度房室ブロックと2:1房室ブロックの違い

◯1度房室ブロック〜3度房室ブロックの違い ・1度:房室伝導が遅延してPQ間隔が伸びる ・2度(wenckbach型):PQ間隔が次第に伸びて心室への興奮が脱落するもの。PQが徐々に伸びてQRSが脱落する。危険度は低い ・2度(mobitz型):PQ間隔が伸びずに突然…

ペースメーカー植え込みの適応

ペースメーカー適応メモ 房室ブロック、洞不全症候群、徐脈性心房細動におけるペースメーカー適応について(By JCS2011ガイドライン) 病態によってペースメーカーの適応は違います。 ◯房室ブロックにおけるペースメーカー適応 ClassⅠ: 1.徐脈による明…

心エコーでの右室拡大の鑑別

心エコーで右室拡大を見たら考えるべき病態 →右室圧負荷、右室容量負荷、右室心筋疾患 (心エコーでの右室拡大の一例) ●右心系の圧負荷をきたす病態 1,肺高血圧あり、左房圧上昇なし=肺血管の問題 →原発性肺高血圧症、膠原病、慢性肺塞栓症など →肺実質…

心エコーでの心嚢液量の推定

心エコーでの心嚢液量の推定 ・健常者でも20ml程度の心嚢液は存在する。 ・心エコー検査時、重力に従って心嚢液は後面に貯まるが、心嚢液が中等度(300ml以上)になると前面にも出現してくる。 ・心嚢液と胸水が分かりにくいこともあるが、心臓周囲に全周性…

心房細動におけるリズムコントロール

病棟、あるいは救急外来で心房細動を見たら ◯リズムコントロールとレートコントロールどちらを行うか 心房細動の治療はリズムを洞調律に戻すリズムコントロールと、心拍数を正常化させるレートコントロールとがある。直感的にはまずはリズムを戻さないといけ…

ST上昇型梗塞と非ST上昇型心筋梗塞の違い

心筋梗塞には心電図でST上昇するST上昇型梗塞(STEMI)とST上昇の見られない非ST上昇型梗塞(NSTEMI)とがある。単純に説明すると、虚血が心臓壁全体に至っているとST上昇型、虚血が心内膜側だけにあると非ST上昇型になる。 www.kango-roo.com/sn/k/view/195…

E/Aとは何か(左室弛緩能)

E/Aを理解する前提として… ◯左室拡張能低下は収縮能低下よりも先に起こる ・左室拡張能は収縮能と異なり、加齢とともに低下する。つまり健常高齢者でも低下している。 ・心疾患では収縮能よりも先に拡張能がやられる。左室収縮能が低下している場合は拡張能…

心筋梗塞と大動脈解離の鑑別メモ

突然の胸痛患者が来た時に最初に想起したいのは心筋梗塞、大動脈解離、肺塞栓。 心筋梗塞と大動脈解離の鑑別メモ ◯心筋梗塞 ・急な発症だが大動脈解離に比べるとピークに達するまでの時間は長い ・胸部の圧迫感、押されるような痛み、絞扼感 ・労作などで症…

バタフライシャドウの見方と意義

バタフライシャドウの見方と意義 参考:リアルバタフライ ◯左心不全で肺うっ血が起こる→バタフライシャドウ(butterfly shadow) 左心不全により左室の拍出量が低下すると左房圧力が上昇→肺静脈圧上昇→肺うっ血がおこる。肺うっ血とは肺の毛細血管圧が上昇し…

減塩して血圧が下がる日本人は半数という話

減塩して血圧が下がる人は日本では二人に一人という話 食塩感受性高血圧とは本態性高血圧の中でも塩分摂取によって血圧が上昇するものを言う。「塩分をとると血圧が上がる」とよく言われるが日本人においては食塩感受性高血圧は約50%過ぎないと言われており…

収縮期血圧で心不全の状態を分類する(クリニカルシナリオ)

急性心不全の予後改善には急性期での治療開始が重要と考えられており、救急外来などで簡易に治療方針をすぐに決定できるように収縮期血圧に着目したクリニカルシナリオというものがある。 もちろん血圧は個人差があるため血圧だけで一概に心不全の病態を判断…

腹頸静脈試験とは何か

腹頸静脈試験(肝頸静脈逆流)とは何か →abdominojugular reflux(AJR) 右心不全の徴候として「頸静脈怒張」がある。頸静脈怒張はベッドを45度に傾けて患者の頸静脈が胸骨角のところから頸静脈拍動の最強点までの垂直での距離が4.5cm以上であれば右心不全を…

起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い

◯起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い 起座呼吸は仰臥位になると呼吸困難が出現し、座ると改善することをいう。メカニズムとしては、仰臥位では静脈還流量が増えるため、心不全が増悪して呼吸困難になると考えられている。 起座呼吸は横になるとすぐに苦しく…

心不全急性増悪の原因と頻度

救急に来る心不全増悪疑いの患者で考えること。 とある論文によると心不全の急性増悪原因として多い順番からして次のように報告されている。 ・コンプライアンス不良(食事、薬、活動制限)(47%) ・全身性感染症(20%) ・不整脈(11%) ・身体的…

左脚ブロック患者で心筋虚血はわかるのか?

◯右脚ブロックと左脚ブロック心電図について復習 右脚ブロックと左脚ブロックを見分けるには臨床的にはV1とV6に注目する。 ・V1(もしくはV2)にうさぎの耳のような三相波があれば右脚ブロック ・V5(もしくはV6)にウサギの耳のような三相波があれば左脚ブ…

良性早期再分極とは何か。心筋梗塞との鑑別

良性早期再分極とは若い男性に時々見られる正常亜型であり(正常人の1−5%)、副交感神経の亢進に関連すると言われている。心電図としては、ST上昇をaVR,V1以外の多くの誘導で認める。名前の通り、従来は良性と考えられていたが、近年では良性早期再分極が…

意識障害で心電図をとるべき理由

意識障害の原因は多岐に渡る。原因の覚え方としてAIUEOTIPSが有名↓ 意識障害患者に対してはルーチンで心電図検査が推奨されるが一体何を見ようとしているのか。心電図で検出しうる意識障害の原因について簡単にメモ。 ◯高カリウム血症 →P波消失、QRS幅延長、…

急性肺塞栓症の治療方針

肺塞栓症の治療についてmemo (急性肺血栓塞栓症ガイドライン2017より) ◯心肺停止もしくはショック状態のとき 抗凝固療法に加えて血栓溶解療法を開始。 ◯血圧が保たれている場合 下記の簡易PESIスコアで重症度分類する。 ガイドライン的には・・・ 簡易…

大動脈解離の降圧治療で何をどれだけ使うか

大動脈解離の降圧治療で何を使うか ・stanfordB型など手術適応のない大動脈解離の場合、一般的に最初に用いられるのはペルジピン®(ニカルジピン、カルシウム拮抗薬) ・大動脈解離では血圧が高いとその分、血管に負担をかけるので解離を進行させてしまう。 …

有効循環血液量とは何か

有効循環血液量とは何か 有効循環血液量とは動脈系に存在する血液量のことであり、組織灌流において重要な役割を果たしている。全身の末梢組織に酸素・栄養を運ぶのは動脈であって静脈ではないゆえに動脈の血液量を有効循環血液量と定義している。 有効循環…

急性心不全におけるループ利尿薬の選択

急性心不全で利尿薬はいつ使うか ・急性心不全で体液貯留がある場合は基本的に利尿薬の適応となる。 ・第一選択はフロセミド(ラシックス®)の静脈投与(内服では心不全だと吸収率が低下する) *ループ利尿薬内服の場合のそれぞれの特徴 1,フロセミド:腸…

心膜摩擦音の機序とその音声紹介

心膜摩擦音の機序とその音声紹介 心膜摩擦音とは心膜炎で聴取される心雑音。 心膜炎とは心臓を覆っている心膜が炎症を起こした状態であり、急性心膜炎と続発性心膜炎に分類される。 ・急性心膜炎は原因のはっきりしない特発性か、ウィルス感染によるものが多…

IVCとその呼吸性変動のミカタ

・IVC(inferior vena cava)とは下大静脈径のことであり、ここの静脈径を測定することで右房圧(中心静脈圧)を推定することが出来る。右房圧は体内水分量を反映しているので、身体の中に水が多いか、少ないかの測定に有用。 ・IVCを心エコーでみるには、患者…

PSVTへの対応

PSVTへの対応(memo) 発作性上室頻拍(PSVT:paroxysmal supraventricular tachycardia) ・PSVTとは房室結節や副伝導路などを介するリエントリーによる上室性の頻拍の総称。色んなタイプがある。 ・症状は突然発症する動悸、血圧低下が原因でめまいや意識消…

心不全による胸水貯留は片側性のことも少なくないという話

心不全、特に左心不全が起こると全身に血液をうまく送れなくなり、血管から間質に漏れ出て、そのスピードがリンパ管から取り除かれる速度を上回ってしまうために間質に液体が貯留する。その結果、肺水腫、胸水貯留。 心不全では一般的に両側性に胸水が貯留す…