つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

外科

外科手術中に色素を投入するのは何故か

外科手術中に色素を投入するのは何故か インジゴカルミンやメチレンブルーといった色素を手術中に静脈投与することがある。静脈に入った色素は心臓に還ってまた動脈血から腎臓に行き、濾過されて尿中に排泄される。もし注射した色素が腹腔内に漏れ出るようで…

術後抗菌薬予防投与はいつまで行うべきか

術後抗菌薬予防投与はいつまで行うべきか 侵襲的な外科手術の後は感染症リスクが上昇するために予防的に抗菌薬投与を行う。術後24時間以内に予防的抗菌薬投与は終了してよいというエビデンスが多くあるが、実際の臨床では術後2−3日間投与され続けること…

術前抗菌薬予防投与で何を選択するか

外科手術では手術部位が微生物に暴露するために感染リスクが常に付きまとう。CDCの定義では手術から30日以内(人工物を留置する手術の場合は90日以内)に発症する手術部位の感染症を手術部位感染(SSI)としている。 感染の予防のために術前抗菌薬投与が…

モノポーラとバイポーラの違い

モノポーラとバイポーラの違い 電気メスはメスの先端を患者に当てることによって高周波電流を流し、ジュール熱を発生させることが出来る。熱により細胞内液を蒸発させて細胞を破裂させる切開作用や、60度以上に加熱してタンパク変性による凝固作用を生じさ…

クーパーとメッツェンバウムの違い

クーパーとメッツェンバウムの違い クーパーはいわゆるハサミ。糸切りバサミと呼ばれることもあり、外科手術においては血管を縫合した後の糸を切るために用いられる。直剪刀の先端が曲がった形をしている。また組織を押して術野を確保するためにも頻用される…

両手結び、片手結び、器械結びの違い(+動画紹介)

糸結びは外科処置において必須の手技である。糸結びは皮膚や筋膜など損傷などにより離れた組織を縫い合わせるために行うが、強く結びすぎると組織の血流が悪くなり生着が悪くなり、逆に弱く縫合してしまうと縫合不全の原因になる(特に消化管縫合における縫…

術前のヘパリン置換とは何か

ヘパリン置換とは何か 脳梗塞既往や心房細動などの患者は血液が固まって血栓症を起こしてしまうリスクが有る。そこで血液が固まらないように抗血小板薬や抗凝固薬などいわゆる血液をサラサラにする薬を服用していることが多い。 抗血小板薬や抗凝固薬を服用…

ドレーン排液の性状とその術後変化

ドレーン排液の性状 外科手術の後に体内に溜まったの血液や膿、浸出液などを体外に排出することをドレナージという。ドレナージによって排出された液体の性状を見ることにより体内での異常を素早く察知することが出来る。 手術直後の経過としては血性→淡血性…

縫合糸のサイズと選択

縫合糸の太さはUSP(アメリカ薬局方)の基準が用いられている。 対応は以下の通り USPサイズと糸の直径の対応は以下の通り 4−0 : 0.15-0.199mm(糸の直径の最小〜最大径) 3−0 : 0.2-0.25mm 2−0 : 0.3-0.339mm 1−0 : 0.35- 0.399mm USP規格サイズと…

有鈎鉗子と無鈎鉗子の違い

有鈎鉗子と無鈎鉗子の違い 鉗子とは外科手術において生体組織を保持するために用いられる道具であるが、先端に尖ったかみ合わせのあるものを「有鈎鉗子」、先端にかみ合わせのないものを「無鈎鉗子」という(写真参照)。 ・有鈎鉗子 基本的には皮膚や筋膜を…

吸収糸と非吸収糸の違い(縫合糸)

外科手術に用いられる縫合糸は吸収糸と非吸収糸に分けられる。 吸収糸は縫合後しばらくは張力を保持して組織を生着させる役割を果たすが、一定時間後に加水分解されて組織に吸収される。適応としては皮下組織や消化管、筋膜、胆道系、尿路系などである。 吸…

モノフィラメント(単糸)とブレイド(編糸)の違い

モノフィラメント 名前の通りmono(単)+filament(線)=単糸とも言う。 一本の線からなる糸であり表面が平らで細菌がつきにくい(感染が起こりにくい)。また表面がなめらかなために縫合の際に組織を傷つけにくい。ただし弾力が大きいために結びにくく、ほ…

大腸穿孔に大網充填しない理由

大腸穿孔に大網充填しない理由 イラスト引用:http://www.med.akita-u.ac.jp/~geka1/03-01.html 胃穿孔では大網を充填することで閉鎖を期待できるが、大腸穿孔症例に関して大網充填術を行うことは通常ない。胃の場合組織が分厚いので大網を充填するだけでし…