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とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

副腎クリーゼを診断するには

副腎クリーゼとは副腎機能が低下することにより鉱質コルチコイド、糖質コルチコイドが欠乏し、ショックに至る病態である。 【症状】 嘔吐、腹痛、発熱、、倦怠感、関節痛、食欲不振、意識障害などなど…。多様かつ非特異的な症状が見られる。これらの症状を複…

混合型インスリン製剤とその適応

混合型インスリン製剤とは 糖尿病患者において経口血糖降下薬を何種類か併用しても血糖コントロールが難しい場合は生理的なインスリン分泌が低下していると考えられ、インスリン療法の適応となる。本来であれば基礎分泌と追加分泌を両方補うことのできる強化…

GI療法(グルコースインスリン療法)とは何か

GI療法(グルコースインスリン療法)とはグルコースとインスリンを投与によって高カリウム血症を補正するための治療である。 インスリンは末梢組織(筋肉、脂肪)に働きグルコースと共にカリウムを血管から細胞内に移動させる働きがある。 【詳しく言うと…】…

強化インスリン療法とその適応

強化インスリン療法とは ■生理的なインスリン分泌(基礎分泌と追加分泌) 強化インスリン療法とは頻回のインスリン注射によって血糖変動を健常者に近づける方法。健常者の生理的なインスリン分泌は基礎分泌と追加分泌からなるが、強化インスリン療法では速効…

甲状腺機能低下症で貧血になる理由(メモ)

甲状腺機能低下症で貧血になる機序(メモ) 1,エリスロポエチンの問題 腎性貧血甲状腺ホルモンは腎臓におけるエリスロポエチンの産生に関与しており、貧血が長引くとエリスロポエチンの産生の低下をきたし、骨髄における赤血球への分化を抑制してしまう。…

糖尿病患者で発がんリスクが上昇する理由

糖尿病で発がんリスクが上昇する理由 自分の勤務先の病院では糖尿病の教育入院患者にほぼ全例腹部エコーをしている。糖尿病では悪性腫瘍の合併率が高いことが知られており、そのスクリーニング目的で行われているようである。10万人規模のコホート研究では糖…

糖尿病でCVRRが低下する理由

糖尿病でCVRRが低下する理由 CVRRとは(Coefficient of Variation of R-R intervals )の略で 心電図R-R間隔変動係数のこと。 つまり…? 心電図においてPーQRSーTのRというのは心室の興奮、つまり心室が収縮をするときの点であり、RとRの間隔は脈と脈の間隔…

糖尿病患者の目標血糖値はいくらにするべきか(メモ)

糖尿病患者の目標血糖値 http://www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_474C323031332D30322E706466を参考に。 ・良好な血糖コントロールは長期予後を改善する。 ・細小血管症(腎症、網膜症、神…

経口血糖降下薬の使い分け

経口血糖降下薬の作用機序と使い分け ■ 経口血糖降下薬の適応 糖尿病治療はまず食事療法・運動療法からスタートするが、それでも血糖コントロール不良の場合は経口血糖降下薬の適応となる。 血糖コントロール不良とは以下のいずれか1つ以上が当てはまるとき…

バセドウ病で眼球突出する理由

バセドウ病で眼球突出する理由 バセドウ病とは甲状腺に対する自己抗体であるTSH受容体抗体が産生され、甲状腺機能が異常に亢進してしまう疾患である。バセドウ病の症状の1つとして眼球突出が知られている(患者の25-50%)。眼球突出はバセドウ病眼症(grave…

糖尿病重症化で下肢切断となる理由

糖尿病重症化で下肢切断となる理由 糖尿病の合併症として足病変がある。糖尿病足病変の定義は「神経障害や末梢毛血流障害を有する糖尿病患者の歌詞に生じる感染、潰瘍、深部組織の壊死性病変」と定義されている。 足病変の原因は神経障害、血流障害 感覚神経…

糖尿病でCharcot(シャルコー)関節になる理由

糖尿病でCharcot(シャルコー)関節になる理由 糖尿病で高血糖状態が持続すると全身性に末梢神経障害、血管障害が生じる。神経障害、血管障害が関節にも及ぶと不規則に関節の破壊と増殖が繰り返され、実質的に関節が破壊される。シャルコー関節患者は足の感…

乳酸アシドーシスで腹痛が起こる機序

糖尿病の乳酸アシドーシスで腹痛が起こる理由 乳酸アシドーシスとは 1型糖尿病などでインスリンが働かない場合、糖の代わりにエネルギー源として脂肪が利用されるようになる。その結果、脂肪代謝の副産物であるケトン体が生成されケトアシドーシスとなって…

尿ケトン体陽性の原因と意義

尿ケトン体陽性の原因と意義 ケトン体とは脂肪がβ酸化によって分解される時にできる副産物である。具体的にはアセト酢酸、βハイドロオキシ酢酸、アセトンが産生される。 尿中にケトン体があるということは当然血中のケトン体濃度が上昇していることを反映し…

速効型インスリンと超速効型インスリンの違い

速効型インスリンと超速効型インスリンの違い イラスト参照*1 ・速効型インスリン製剤はインスリンが6量体を形成しており、皮下に注射してから2量体に分解、更に単量体になって初めてインスリンホルモンとしての働きを持つ。注射してから効果発揮まで30…

痩せてる患者にSGLT2禁忌の理由

・SGLT2阻害薬とは SGLT2阻害薬とは近位尿細管でのブドウ糖の再吸収を抑制することで尿から糖を排泄し、血糖値を低下させる薬剤である。1日100g程度のブドウ糖を尿中に排泄することができ、カロリーにすると400Kcal相当。糖質をエネルギーとして利用できなく…

αグルコシダーゼ阻害薬で消化器症状がでる理由

αグルコシダーゼ阻害薬(糖尿病治療薬)の副作用で消化器症状がでる機序 一般名:アカルボース、ボグリボース、ミグリトールなど ・αグルコシダーゼは血糖上昇を抑えることが出来る 食事でとられる炭水化物はまず唾液のアミラーゼによって二糖類に分解される…

ビグアナイドで乳酸アシドーシスになる機序

ビグアナイド薬(一般名:メトホルミン、ブホルミン)で乳酸アシドーシスになる理由 ■ビグアナイドの作用機序:ビグアナイドはAMPキナーゼ(AMPK)を活性化させる作用があり、AMPKが肝臓での糖新生の抑制を抑制している。つまり、ビグアナイドはアミノ酸や乳…

シックデイとは何か

シックデイとは糖尿病の治療中に発熱、消化器症状、ストレスなどにより体調を崩したり、食欲不振のため食事ができない時をシックデイ(sick day)という。 このような状態ではそれまで血糖コントロール良好であった患者でも一気に血糖が崩れてしまう。機序とし…

スライディングスケールとは何か

【糖尿病治療のスライディングスケールとは何か】 糖尿病のインスリン療法における血糖コントロール方法の1つ。血糖値を測定して、その値が目標の血糖がどれぐらい乖離しているかによって次に投与するインスリン量を増減させて調節する。使用するインスリン…

インスリン分泌能とその検査

インスリンは膵臓のβ細胞から分泌されて血中の糖を細胞内に取り込ませて血糖値を低下させるホルモンである。1型糖尿病ではβ細胞が破壊されて慢性的にインスリン分泌が低下し、2型糖尿病でも食後の追加分泌が低下する。インスリンがβ細胞からどの程度分泌さ…

インスリン基礎分泌と追加分泌の違い

インスリン基礎分泌と追加分泌の違い インスリンは膵臓のβ細胞から分泌されるホルモンであり、筋肉、肝臓、脂肪細胞などに働きかけて、血中の糖を取り込ませて血糖値を低下させる働きがある。インスリンの分泌は基礎分泌という常に少しずつ出てるインスリン…

インスリン抵抗性とHOMA-R

■インスリン抵抗性とは インスリンは膵臓β細胞から分泌されて肝臓や筋肉、脂肪組織のような末梢の細胞に働きかけ、血液中の糖を細胞内に取り込ませて血糖値を下げる役割がある。インスリンの抵抗性とは血中のインスリン濃度に見合ったインスリンの作用が得ら…

サブクリニカルクッシング症候群の診断基準

サブクリニカルクッシング症候群とは何か 副腎腫瘍や副腎の過形成などによってコルチゾールが過剰に分泌されて様々な症状をきたすものをクッシング症候群という。クッシング症候群では満月様顔貌やバッファローハンプ、多毛、色素沈着など特徴的な身体的特徴…

三者負荷試験とは何か

三者負荷試験とは何か 三者負荷試験とは下垂体機能の低下が疑われる患者に対して、3者(3つのホルモン)を投与して調べる検査である。3者とはGnRH、TRH、CRHの3つ。 ・GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)負荷 →卵巣刺激ホルモンや黄体化ホルモンを分泌…

糖尿病治療のBOTとは

糖尿病治療のBOTとその適応 BOT(basal supported oral therapy)=経口薬併用療法のこと。 インスリンの絶対的な適応ではないが、インスリンを使ったほうが良い(=相対的インスリン適応)の患者においてはBOTが行われる。例えば2型糖尿病でSU薬を内服して…

糖尿病のインスリン治療の適応

糖尿病の治療では経口血糖降下薬とインスリン療法がある。 インスリン療法の主な適応以下のとおり ・1型糖尿病 (膵臓β細胞が破壊されて絶対的なインスリン欠乏状態) ・重度の2型糖尿病 (インスリンの分泌が保たれている2型糖尿病であっても著明な高血…

糖尿病でケトアシドーシスになる理由

糖尿病でケトアシドーシスになる理由 糖尿病が進行するとインスリン抵抗性が増大そしてインスリンの分泌不足により末梢組織(肝臓や筋肉)が糖を利用できなくなり、血液中に糖がたまり所謂高血糖の状態になる。エネルギー源として糖が使われなくなると代わり…

劇症1型糖尿病の診断基準

■劇症1型糖尿病とは 1型糖尿病は発症の経過で急性発症1型(数週間〜数ヶ月)、劇症1型(数日間で急激に発症)、緩徐進行1型(数年〜数十年)のものに分けられる。 劇症1型糖尿病の病態としてはウイルス感染による膵臓炎、あるいはウイルス感染に対する…

甲状腺機能低下症でアキレス腱反射弛緩相遅延が起こるのは何故か

甲状腺機能低下症でアキレス腱反射弛緩相遅延となる機序 甲状腺機能低下症とは 甲状腺ホルモンの作用低下によって様々な全身症状をきたす疾患。原因(病変)は甲状腺そのものにある場合とその上流の視床下部にある場合とがある。アキレス腱反射弛緩相遅延と…

17OHCSとは何か。なぜ血中ではなく尿中を調べるのか

17-OHCSとは何か OHCSとはhydroxycorticosteroidの略。-OHとは水酸基を意味しているので水酸化されたコルチコステロイドと考えるとわかりやすい。 臨床においては尿中17OHCSを測定する。血中の値を測定したほうが簡便な気もするが、ステロイドというのは日…

慢性腎不全でインスリン必要量が減る理由

慢性腎不全でインスリン必要量が減る機序 糖尿病患者ではインスリンがうまく分泌されない・働かないために治療としてインスリン注射が必要である。糖尿病が悪化すればするほどインスリン必要量も増えそうであるが、合併症として腎不全が進行するとインスリン…

クッシング症候群で代謝性アルカローシスになる理由

クッシング症候群とはコルチゾールが異常に産生されてしまう疾患である。 コルチゾールは糖質コルチコイドとしての作用も持ち、遠位尿細管においてNaの再吸収、Kの排出を促進し、低カリウム血症を引き起こす。故に代謝性アルカローシスとなる。(血中のカリ…

高K血症ではアシドーシス、低K血症ではアルカローシスになる機序

高K血症では代謝性アシドーシス、低K血症では代謝性アルカローシスになる理由 一般的な話として、高カリウム血症ではアシドーシスが、低カリウム血症ではアルカローシスが引き起こされる。これはなぜかというと、 前提的な話ではあるが、細胞内にはカリウム…

副甲状腺機能亢進症でラグビージャージ様脊椎になる理由

副甲状腺機能亢進症でラガージャージ様脊椎になるのは何故か 副甲状腺機能亢進症では副甲状腺が過形成を起こし、腫瘍性にPTHを産生してしまう疾患である。PTHは血中Caを上昇させるホルモンであるが、その作用点は様々である。 ・破骨細胞に作用し、骨吸収を…

クッシング症候群で中心性肥満になる理由

クッシング症候群で中心性肥満となる機序 【クッシング症候群とは】 クッシング症候群とは糖質コルチコイドが異常に産生されてしまう症候群であり、特徴的な体つきや代謝異常を生じる。 クッシング症候群はその原因によりいくつかに分類されている。例えば副…

SIADHで低尿酸血症となる理由

SIADHで高尿酸血症となる機序 【SIADHとは(ちょっと復習)】 SIADHとは抗利尿ホルモンであるバソプレッシンが不適切に、過剰に分泌されてしまう症候群である。バソプレシンは腎臓集合管での水の再吸収を促進するために、体内の循環血液量は増加する。 循環…

グルカゴン負荷試験とブドウ糖負荷試験の違い

グルカゴン負荷試験とブドウ糖負荷試験の違い ブドウ糖もグルカゴンも血糖値を上昇させる働きがあるが、検査としてはどのような意義の違いがあるのだろうか。 グルカゴン負荷試験とは グルカゴンとは膵臓のα細胞から分泌されているホルモンでありグリコーゲ…

妊娠糖尿病の新生児が低カルシウム血症となる理由

妊娠糖尿病の新生児が低カルシウム血症となるのは何故か 出生後72時間以内に低カルシウム血症をきたすものを早発型の低カルシウム血症というが、妊娠糖尿病から生まれてくる新生児も早発型低Caとなるリスクが高い(頻度としては約25-50%)。 ・前提的な話…

単神経炎、多発単神経炎、多発神経炎の違い

単神経炎、多発単神経炎、多発神経炎の違い ・単神経障害(単ニューロパチー) 単神経障害は末梢神経の一本が障害され、支配領域のみの障害が現れる。 主な原因としては圧迫であり、手根管症候群や撓骨神経麻痺、正中神経麻痺などが代表的。他にもBell麻痺や…

補正カルシウムの計算式

カルシウムの補正式 血中カルシウム濃度はアルブミンが4g/dl以下の場合、次のような補正を行わなければならない。 補正血清カルシウム値(mg/dl)= 実測血清カルシウム値(mg/dl)+4ー血清アルブミン値(g/dl) 何故このような補正をしなければならないのだろう…

思春期男児に女性化乳房が多い理由

思春期の男子においては女性のように胸の膨らむ”女性化乳房”がしばしばに見られる。乳腺の増殖を促進するエストロゲンが乳腺の増殖を抑制しているテストステロンよりも多く分泌されてしまうことが原因である。エストロゲンがアンドロゲンよりも多く産生され…

糖尿病合併妊娠と妊娠糖尿病の違い+覚え方

糖尿病合併妊娠と妊娠糖尿病の違い+ゴロ合わせ 糖尿病合併妊娠と妊娠糖尿病は似ているが異なる概念であるので注意。 糖尿病合併妊娠とは既に糖尿病と診断されている妊婦が妊娠することであり、妊娠糖尿病とは糖尿病でない女性が妊娠によるカラダの変化によ…

副腎静脈サンプリングとは何か

副腎静脈サンプリングとは原発性アルドステロン症を診断するための検査である。 ■原発性アルドステロン症とは 副腎皮質の球状層に過形成が起こり、アルドステロンが過剰に分泌される疾患である。アルドステロンは腎臓の集合管でナトリウムイオンを再吸収・カ…

逆説的アシドーシスとは何か

糖尿病性アシドーシスの治療として、まずインスリンが用いられる。インスリンは標的細胞に働く際に血液中のカリウムを細胞の中に入れる作用があるので、それにより血液をアルカリに傾けることが出来る(一般的に、血中カリウムが上昇すればアシドーシスに、…

MENの覚え方・ゴロ合わせ

MEN(multiple endocrine neoplasia)とは多発性内分泌腫瘍のことで、定義としては2つ異常の内分泌腺で同時に腫瘍や過形成が生じる病態のことである。 どのような腫瘍の組み合わせかで MEN1型(wermer症候群) MEN2A型(sipple症候群) MEN2B型 に分類され…

女性化乳房をきたす疾患の覚え方

女性化乳房とは男性の乳腺組織が増殖する良性疾患である。病因としては男性ホルモンのアンドロゲン産生の低下や女性ホルモンのエストロゲン産生の上昇である。 鑑別としては、乳腺組織の増殖を伴わない胸部の脂肪沈着(肥満男性に多い)や男性乳がんが考えら…

ペラグラの症状とそのゴロ合わせ

ペラグラの症状とその覚え方 ペラグラとはナイアシン不足により生じる欠乏症状のことであり、日本においてはアルコール多飲や偏食により発症することがある(発展途上国では栄養失調として生じる)。症状としては皮膚症状(露光部の紅斑、色素沈着)、下痢、…

先端巨大症で高リン血症になる機序

先端巨大症で高リン血症になる機序 先端巨大症とは成長ホルモンが過剰に分泌されて骨・軟部組織の異常な発育と代謝異常をきたす疾患である。成長ホルモンは軟部組織だけでなく臓器も肥大させてしまい、たとえば心臓が肥大して心機能が落ちたり、甲状腺が増大…

肝硬変で低ナトリウムになる機序

肝硬変で低ナトリウムになる機序 肝硬変ではアルブミンの産生能が低下することにより膠質浸透圧が低下し、水が間質に移動する。それにより血管内が脱水状態となり、代償的に水を血管内に増やそうとする機構が働く。 一つはアルドステロンによる遠位尿細管か…