つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

なぜ?

救急外来でまず何の輸液を選択するか

救急外来でまず何の輸液を選択するか ◯病態もはっきりしないのまま輸液をつなぐことになる救急外来 救急外来では患者の病名も病態もはっきりとしない段階で輸液しなければならないことも少なくない。が、明らかに有害であることを示す所見がない限り、循環血…

敗血症性ショックではドパミンではなくノルアドレナリンを使う理由

敗血症性ショックの初期治療としては1000〜2000mlの輸液負荷を行うと同時にそれでも改善しない場合は昇圧薬としてノルアドレナリンやドパミンが頻用される。 どちらもαアドレナリン受容体を刺激することによって血管収縮作用を示す。 ドパミンに関してはβ受…

外傷で肋骨骨折があれば胸部CTもとっておくべき

外傷で肋骨骨折があれば胸部CTもとっておくべき 胸部打撲などの主訴で救急外来を受診されて胸部レントゲン撮影で肋骨骨折を認めた場合、基本的には保存的な治療になる。が、肋骨骨折をするような外傷の場合、胸部レントゲンで気胸が映らなくても実は気胸を起…

減塩して血圧が下がる日本人は半数という話

減塩して血圧が下がる人は日本では二人に一人という話 食塩感受性高血圧とは本態性高血圧の中でも塩分摂取によって血圧が上昇するものを言う。「塩分をとると血圧が上がる」とよく言われるが日本人においては食塩感受性高血圧は約50%過ぎないと言われており…

腹頸静脈試験とは何か

腹頸静脈試験(肝頸静脈逆流)とは何か →abdominojugular reflux(AJR) 右心不全の徴候として「頸静脈怒張」がある。頸静脈怒張はベッドを45度に傾けて患者の頸静脈が胸骨角のところから頸静脈拍動の最強点までの垂直での距離が4.5cm以上であれば右心不全を…

起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い

◯起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い 起座呼吸は仰臥位になると呼吸困難が出現し、座ると改善することをいう。メカニズムとしては、仰臥位では静脈還流量が増えるため、心不全が増悪して呼吸困難になると考えられている。 起座呼吸は横になるとすぐに苦しく…

脳浮腫に漢方五苓散が効く理由

脳梗塞や脳腫瘍あるいは慢性硬膜下血腫など頭蓋内病変によって脳浮腫が起こる。脳浮腫とは文字通り脳細胞がむくんだ状態であるが、脳全体の体積が大きくなりすぎると脳幹を圧迫する脳ヘルニアを引き起こして致死的な状態となりうる。 西洋医学的な治療法とし…

頭部MRIでT2スター撮影する意義

頭部MRIにおけるT2*(T2スター)撮影の意義 ◯T2スターは微小出血の検出に有用 T2強調画像とは多くの脳病変で敏感に高信号となるが、T2強調画像にはT2スター強調像、水強調画像など様々な撮像方法があり、鉄の見え方や実質のコントラストが変化する。T2スタ…

ペニシリン不応の扁桃炎でマクロライドを使う理由

急性扁桃炎は主に溶連菌感染症により発症することが知られており、長い間ペニシリンが治療のゴールドスタンダードとして用いられてきたが、近年ペニシリンの効かないケースもしばしば報告されている。 ペニシリン不応の理由として次のような理由が挙げられて…

左脚ブロック患者で心筋虚血はわかるのか?

◯右脚ブロックと左脚ブロック心電図について復習 右脚ブロックと左脚ブロックを見分けるには臨床的にはV1とV6に注目する。 ・V1(もしくはV2)にうさぎの耳のような三相波があれば右脚ブロック ・V5(もしくはV6)にウサギの耳のような三相波があれば左脚ブ…

感染症になると低アルブミン血症になるという話

肺炎や尿路感染症といった感染症や慢性関節リウマチや多発筋痛症など慢性疾患などがあると低アルブミン血症になることが知られている。これにはCRP(C反応性タンパク質)が関係している。 CRPとは肝臓で作られるタンパク質であり、炎症や組織細胞の破壊が起…

急性期脳梗塞で拡散強調像、ADCを撮る理由

急性期脳梗塞で拡散強調像(DWI:diffusion weighted image)、ADCを撮る理由 まずは、基礎知識の確認から… ◯細胞性浮腫について 正常な細胞では細胞膜にNa+K+ポンプがあり細胞内外でのイオンの輸送を行って細胞内のNaが少なく、細胞内のKが多くなるように…

「溶連菌感染症はうつりますか?」

「溶連菌感染症はうつりますか?」という質問に対して 溶連菌感染症の症状は主に発熱、咽頭痛、頸部リンパ節腫脹などで咳嗽や喀痰、鼻水は少ないので飛沫感染しにくいと考えられているが、マスクを着用しないでいると日常生活でしうる軽い咳などで溶連菌は飛…

グリセリン浣腸と高圧浣腸の違い

グリセリン浣腸とは便秘患者に対してグリセリンを肛門から入れることにより排便を促す浣腸。グリセリンは浸透圧が高いので直腸内に入ったグリセリンは腸管外から水を引っ張ってきて便を柔らかくする効果がある。すると、直腸内圧が高まり内肛門括約筋が弛緩…

開眼でアルファ減衰する理由

開眼でアルファ減衰する理由(脳波の話) ●アルファ波とは 画像参考:http://logos-classic.id25.com/logos_classic.html 脳波検査は通常「目を閉じて、何もしないが眠っていない状態」で脳活性の評価を行う。通常は後頭部優位のアルファ波(8−13Hz)があ…

扁桃周囲膿瘍が小児で少なく青年で多い理由

細菌性扁桃炎(溶連菌感染症)の好発年齢は小児であり、成人では稀である。 が、扁桃炎の進行した病態である扁桃周囲膿瘍では小児・高齢者での発症が稀で、好発年齢は20〜30代と青年期に多い。 ・小児で扁桃周囲膿瘍が少ない理由は小児では後咽頭腔にリ…

陥没呼吸のメカニズムとその重症度判定

陥没呼吸とは努力呼吸の様式の1つ。呼吸筋疲労や気道の狭窄などで吸気時の仕事量(エネルギー)が増加してしまっている状態。 陥没呼吸のメカニズムとしては、気管支喘息、COPD、呼吸窮迫症候群(RDS)などの原因で気道の狭窄が起こっていると、息を吸う時…

健常者でも肺底部に出現するすりガラス影(重力効果)

胸部CTを仰臥位で撮影すると健常者であっても肺底部背側にすりガラス影がみられることがある。仰臥位においては一番低い肺底部背側の静脈圧・リンパ管圧が高まり、肺末梢間質の容積が増えてしまうことにより、肺実質が圧排されてしまうからである(つまり無…

フィブリノーゲン測定の意義

フィブリノゲン測定の意義 ●まず血液凝固カスケードについて復習 #1 新しい抗凝固薬の展望 | Expert Keynote | Clotman Press | 疾患情報エリア | イグザレルト.jp フィブリノーゲンは下図のようにEドメインをDドメインで挟まれたような構造をしており…

急性硬膜下血腫が三日月型になる理由

急性硬膜下血腫の頭部CTで三日月型になる理由 ・急性硬膜下血腫とは 急性硬膜下血腫と硬膜外血腫の違い - つねぴーblogより 急性硬膜下血腫の原因として脳表の微小血管損傷もしくは架橋静脈の断裂により出血する場合、そして脳挫傷に伴なう脳実質から出血す…

MRSA感染症をいつ疑うか

MRSAとはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌のこと。 通常の黄色ブドウ球菌と異なり多くのペニシリン系やセフェム系抗生物質に耐性を示す。MRSAは常在細菌であり医師や看護師などの医療従事者の2〜3割は保菌していると言われる。MRSA自体の病原性は決して高くは…

ショックでは特徴的な皮疹が出る(網状皮斑)

網状皮斑(livedo reticularis)とは末梢の循環不全によって生じる四肢の限局的な領域に赤〜青色に変色した斑点状or網状の皮疹のことである。原因は多岐にわたるが、血流障害や血管壁の問題、その他先天性や特発性がある。 血流障害の例としては心不全やショ…

ビーフリードを12時間以上かけて投与してはならない理由

ビーフリード®とは 静脈栄養は基本的に中心静脈から管理するのがキホン。が、中心静脈では手技も大変であるし、合併症などのリスクも有るため末梢からそれなりのエネルギーを投与できたらそれに越したことはない。そういう時によく用いられるのはビーフリー…

低血糖で死亡する機序

心肺停止の鑑別診断で6H6Tが有名。↓参考 ◯低血糖でなぜ死ぬのか 低血糖の症状としては一般的に次のように言われている。 血糖60以下:発汗、同期、熱感、不安、悪寒 血糖50以下:脱力、疲労感、眠気、めまい 血糖40以下:嗜眠 血糖30以下:けいれ…

死戦期呼吸のメカニズム

死戦期呼吸は喘ぎ呼吸、下顎呼吸とも呼ばれる。 リズムは不規則で呼吸の大きさは大小様々ではあるが、やがては無呼吸に至る。 「努力様の呼吸」「つらそうな呼吸」「胸の上がりが不十分な呼吸」「呼吸が不規則、少ない」など様々な表現がされうるが、正常な…

発熱性好中球減少症の熱源は?

発熱性好中球減少症(FN)とは好中球500/μl以下の患者が発熱を起こす状態を言う。 FNの患者では症状が明らかではなく、発熱の原因が感染症とはっきりしない状態でも原則細菌感染を想定し、血液培養2セット、尿培養、喀痰培養、血液検査、尿検査、画像検査を…

クワシオルコルとマラスムスの違い

クワシオルコルとマラスムスの違い +クワシオルコルでお腹が膨れる理由 【クワシオルコル】 ・クワシオルコルとは栄養失調の一形態でガーナ語に由来しており「受け入れられなくなった子」という意味。栄養素の中で、特にタンパク質不足で生じる。 好発は1−…

野良犬に噛まれましたが大丈夫でしょうか?

野良犬に噛まれましたが大丈夫でしょうか?に対する説明。 日本国内で狂犬病が最後に報告されたのは1956年であり、現在では事実上撲滅されている。日本で見知らぬ犬に噛まれても狂犬病を心配する必要はない。狂犬病ウィルス自体が存在してない(確認され…

脂肪不足で脂肪肝になる理由

脂肪肝とは脂肪の摂取過剰で肝細胞に脂肪が蓄積していき生じる病態である。 が、面白いことに?脂肪の摂取不足でも脂肪肝になる。 タンパク質をつくる工場である肝臓では、アポリポタンパク質という脂肪の輸送に関わるタンパク質の産生が行われている。肝臓…

腫瘍崩壊症候群で低カルシウム血症になる理由

腫瘍崩壊症候群で低カルシウム血症になる理由 腫瘍崩壊症候群とは白血病や悪性リンパ腫などの化学療法の際に腫瘍細胞が破壊されて腫瘍細胞の内容物が血管に流出し、高カリウム、高尿酸血症、高リン酸血症、低カルシウム血症などを呈する病態である。血中に増…