つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

なぜ?

MRSA感染症をいつ疑うか

MRSAとはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌のこと。 通常の黄色ブドウ球菌と異なり多くのペニシリン系やセフェム系抗生物質に耐性を示す。MRSAは常在細菌であり医師や看護師などの医療従事者の2〜3割は保菌していると言われる。MRSA自体の病原性は決して高くは…

ショックでは特徴的な皮疹が出る(網状皮斑)

網状皮斑(livedo reticularis)とは末梢の循環不全によって生じる四肢の限局的な領域に赤〜青色に変色した斑点状or網状の皮疹のことである。原因は多岐にわたるが、血流障害や血管壁の問題、その他先天性や特発性がある。 血流障害の例としては心不全やショ…

ビーフリードを12時間以上かけて投与してはならない理由

ビーフリード®とは 静脈栄養は基本的に中心静脈から管理するのがキホン。が、中心静脈では手技も大変であるし、合併症などのリスクも有るため末梢からそれなりのエネルギーを投与できたらそれに越したことはない。そういう時によく用いられるのはビーフリー…

低血糖で死亡する機序

心肺停止の鑑別診断で6H6Tが有名。↓参考 ◯低血糖でなぜ死ぬのか 低血糖の症状としては一般的に次のように言われている。 血糖60以下:発汗、同期、熱感、不安、悪寒 血糖50以下:脱力、疲労感、眠気、めまい 血糖40以下:嗜眠 血糖30以下:けいれ…

死戦期呼吸のメカニズム

死戦期呼吸は喘ぎ呼吸、下顎呼吸とも呼ばれる。 リズムは不規則で呼吸の大きさは大小様々ではあるが、やがては無呼吸に至る。 「努力様の呼吸」「つらそうな呼吸」「胸の上がりが不十分な呼吸」「呼吸が不規則、少ない」など様々な表現がされうるが、正常な…

発熱性好中球減少症の熱源は?

発熱性好中球減少症(FN)とは好中球500/μl以下の患者が発熱を起こす状態を言う。 FNの患者では症状が明らかではなく、発熱の原因が感染症とはっきりしない状態でも原則細菌感染を想定し、血液培養2セット、尿培養、喀痰培養、血液検査、尿検査、画像検査を…

クワシオルコルとマラスムスの違い

クワシオルコルとマラスムスの違い +クワシオルコルでお腹が膨れる理由 【クワシオルコル】 ・クワシオルコルとは栄養失調の一形態でガーナ語に由来しており「受け入れられなくなった子」という意味。栄養素の中で、特にタンパク質不足で生じる。 好発は1−…

野良犬に噛まれましたが大丈夫でしょうか?

野良犬に噛まれましたが大丈夫でしょうか?に対する説明。 日本国内で狂犬病が最後に報告されたのは1956年であり、現在では事実上撲滅されている。日本で見知らぬ犬に噛まれても狂犬病を心配する必要はない。狂犬病ウィルス自体が存在してない(確認され…

脂肪不足で脂肪肝になる理由

脂肪肝とは脂肪の摂取過剰で肝細胞に脂肪が蓄積していき生じる病態である。 が、面白いことに?脂肪の摂取不足でも脂肪肝になる。 タンパク質をつくる工場である肝臓では、アポリポタンパク質という脂肪の輸送に関わるタンパク質の産生が行われている。肝臓…

腫瘍崩壊症候群で低カルシウム血症になる理由

腫瘍崩壊症候群で低カルシウム血症になる理由 腫瘍崩壊症候群とは白血病や悪性リンパ腫などの化学療法の際に腫瘍細胞が破壊されて腫瘍細胞の内容物が血管に流出し、高カリウム、高尿酸血症、高リン酸血症、低カルシウム血症などを呈する病態である。血中に増…

白血病治療でメイロンを投与する理由

白血病治療でメイロン®を投与する理由 白血病の治療で化学療法を行う場合は腫瘍崩壊症候群に注意が必要。腫瘍細胞が大量に破壊されることによって腫瘍細胞の成分が血中に流入することによって引き起こされる。高カリウム血症、高リン血症、高尿酸血症、代謝…

脾臓摘出患者に肺炎球菌ワクチンを打つ理由

肺炎球菌は莢膜という膜を持つため好中球の貪食に抵抗性を示す。 故に、肺炎球菌防御の主体は脾臓によるトラップということになるが、何らかの理由により脾臓摘出している患者では肺炎球菌の病原性をもろに食らうことになるため、抑えることが出来ずに短時間…

TIAで失神を伴わない理由

失神の原因がTIA(一過性脳虚血発作)であることは非常に稀である。 TIAは「局所脳虚血あるいは網膜虚血が原因による短時間の神経症状による症状であり、通常は1時間以内に症状は消失し、急性期脳梗塞の所見を伴わないもの」と定義されている。 脳梗塞で意…

カルバペネム系でメロペネムが好まれる理由

現在日本で使えるカルバペネムは以下のものがある。 イミペネム・シラスタチン(チエナム®) メロペネム(メロペン®) パニペネム・ベタミプロン(カルベニン®) ビアペネム(オメガシン®) ドリペネム(フィニバックス®) カルバペネム系は非常に広域の抗菌…

腹痛患者に吐き気の有無を問診する理由

腹痛の原因疾患によって吐き気を伴いやすいかどうかが異なるので、吐き気の有無の問診は診断において重要。 一般的に、何らかの原因によって小腸の蠕動が停止すると強い吐き気を伴うと言われている。例えば虫垂炎では小腸の末端まで炎症が波及して小腸の蠕動…

いぼ(尋常性疣贅)のメカニズム

いぼのメカニズム(memo) 【いぼ形成のイメージイラスト】 http://www.skin-clinic.jp/222.html 尋常性疣贅とはいわゆるイボのこと。原因としてはヒトパピローマウイルス2型、27型、57型感染によるものが知られている。プールサイドや脱衣場など裸足で歩…

伝染性膿痂疹が鼻周囲に好発する理由

伝染性膿痂疹とは小児に好発する皮膚感染症で原因菌としてはA群β溶連菌やブドウ球菌などが知られている。伝染性膿痂疹は徐々に病変が周囲の皮膚にも伝染して広がりつつ、離れた場所にも飛び火して広がることから”とびひ”と呼ばれる。 あせも・虫刺されなどを…

ニキビのメカニズムmemo

ニキビ(尋常性ざ瘡)のできるメカニズム 【定義】 ニキビの定義は「毛包、脂腺を反応の場とし、面皰(めんぽう)を初発疹とし、紅色丘疹、膿疱さらには嚢腫/結節の形成も見られる慢性炎症疾患」とされている。 *面疱(コメド)とは毛穴の出口が硬くなって、中…

軽度貧血の患者にすぐ輸血してはいけない理由

【貧血の基準】 成人男性 Hb14 g/dL未満 成人女性 Hb12 g/dL未満 高齢者 Hb11 g/dL未満 急性に消化管出血が起こっていてどんどんと貧血が進行している場合などでない限り、慢性の軽度貧血患者にすぐに輸血をしてはならない。例えば高齢者でHb9-10だと貧血の…

鉄欠乏性貧血に鉄剤をいつまで続けるか

鉄欠乏性貧血をみつけたら… 多くの場合は鉄欠乏性貧血(高齢者の消化管出血だったり、女性の月経によるものであったり)。鉄欠乏性貧血はヘモグロビンの材料となる鉄がないために赤血球の袋に入るコンテンツがなくなり、低色素性小球性貧血となる。 診断には…

αグルコシダーゼ阻害薬が腸管気腫症を引き起こす理由

αグルコシダーゼ阻害薬(α-GI)は糖尿病治療薬の一種で二糖類を単糖類に変換する酵素を阻害することで食後の血糖上昇を抑える。αGIの副作用で腸管気腫症が知られているが、どういうメカニズムで発症するのだろうか。 αGIを内服すると、二糖類が分解されずにグ…

カンジダ指間びらん症が第三指間に多い理由

カンジダ指間びらん症が第三指間に多い理由 画像参照:皮膚カンジダ症 | 埼玉県皮膚科医会 カンジダ指間びらん症とは真菌カンジダがゆびの間で増殖して発赤や掻痒感を引き起こす皮膚疾患。水仕事の多い主婦や美容店など働く人に多く見られる。 なぜ第三指間…

血清浸透圧と張度の違い

浸透圧と張度の違い 血清浸透圧の定義:溶液内のすべての溶質濃度を表すものである。 血清浸透圧の予測式 =2×Na(mEq/L)+Glu(mg/dL)/18+BUN(mg/dL)/2.8 血清浸透圧は上の予測式の通り、Na、グルコース、BUN(尿素窒素)の3つで規定されている。浸透圧を規…

SIADHの診断基準とその意義

●SIADHとは SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)とは名前の通り抗利尿ホルモンであるバソプレシンが血漿浸透圧に対して不適切に分泌されることにより水分過剰貯留となってしまう症候群である。希釈性低ナトリウム血症を呈する。 原因は非常に多く覚えら…

急速に低ナトリウム血症の補正をしてはいけない理由

●低ナトリウム血症をどれだけのスピードで補正してよいのか Naが120mEq/Lかつ神経所見あり(頭痛、嘔吐、意識障害、痙攣など)の場合は緊急で補正を開始する必要がある。急性の低ナトリウム血症は比較的急速に補正しても良いが、慢性の低ナトリウム血症はゆ…

ファブリーズは何故消臭出来るのか

ファブリーズの成分 ・トウモロコシ由来消臭成分(シクロデキストリン) シクロデキストリンは日本語で言うと環状オリゴ糖。外側は親水性で内側は疎水性にできており、水に簡単に馴染むことができて内側には油分成分を容易に取り込むことが出来る。嫌なニオ…

下痢で低ナトリウム血症になる理由

下痢で低ナトリウム血症になる理由 下痢便にはナトリウムが含まれているためそれにより低ナトリウム血症をきたすと考えられがちであるが実際にはそうではない。下痢便に含まれるナトリウム量は下痢の原因にもよるがおよそ50mEq/l前後と言われている。よって…

高血糖で低ナトリウム血症になる理由

高血糖で低ナトリウム血症になる理由 低ナトリウム血症を見たときに、その原因として高血糖の有無は必ず確認しなければならない。高血糖では血糖値が100mg/dl上昇すると血漿ナトリウムは1.6mEq/dl低下し、血糖400以上の著明な高血糖では血糖値が100mg/dl上昇…

ショックへの輸液ではNaを多く、Kを少なくする理由

ショック患者への輸液ではNaを多く、Kを少なくする理由 輸液に入っているナトリウム量が血管内に残る水分量を規定する(Naが多いほど浸透圧も高くなるため水が引っ張られて血管内に残る)。よって血圧が低下している患者にはNaの多い輸液製剤を投与する。 続…

Na量とNa濃度の意義の違い

Na量とNa濃度の意義の違い ・体内のNa量は細胞外液量を規定する Naには水を引っ張る力があるのでNaが多ければ細胞外液量も増えるし、Naが少なければ細胞外液量は減る。細胞外液量が増えればいわゆる浮腫の状態、細胞外液量が減れば脱水。つまり、浮腫や脱水…