つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

2014-05-31から1日間の記事一覧

肺気腫とは

肺気腫とは… 肺胞壁や終末細気管支より末梢の気道壁が破壊され、終末気管支より末梢の気腔は不可逆的に拡張する。その際に、肺胞壁を構成するエラスチンやコラーゲンなどのタンパク質が失われる。 通常では、呼気終末には胸腔内圧が上昇し、肺自身も縮もうと…

CO2ナルコーシスの病態と治療

CO2ナルコーシスの病態と治療(ナルコーシスは麻酔という意味) CO2ナルコーシスとは、体内への高度なCO2蓄積によって、中枢神経系の異常を呈した状態であり、自発呼吸の減弱、意識障害が生じる。 主な発症パターンとしては… COPDなどの慢性2型呼吸不全の患…

びまん性汎細気管支炎の病態生理

びまん性汎細気管支炎とは… 両側の肺に呼吸細気管支の慢性炎症が見られる疾患。慢性副鼻腔炎を高頻度に合併(80%以上)することから、副鼻腔気管支症候群の1型と考えられている。東アジアで多く、欧米に少ないことから遺伝が大きく関与していると考えら…

気管支拡張症の病態生理

気管支拡張症とは… 何らかの原因によって亜区域気管支より末梢の気道が感染や炎症を繰り返し、不可逆的な拡張をきたした病態。 ■先天性の主な原因としては カルタゲナー症候群、嚢胞性線維症、びまん性汎細気管支炎など ■後天性の主な原因としては 感染症、…

肺嚢胞症とは〜ブラとブレブの違い|

肺膿疱症とは… 肺内に肺嚢胞(内部に期待や液体を有する袋状の構造物)が形成される疾患の総称。 気腫性肺嚢胞、気管支性肺嚢胞、リンパ管性肺嚢胞などの分類があるがほとんどは気腫性肺嚢胞。 ブラとは… ブラは肺胞壁が破壊されて融合した結果生じた含気空…

肺胞蛋白症の病態生理

肺胞蛋白症(PAP)とは… 肺胞腔内や終末細気管支内にサーファクタント由来リポタンパク質物質が異常に貯留する疾患。先天性、続発性、自己免疫性の3つのパターンがあるが、成人発症のほとんどが抗GM-CSF中和自己抗体が関与する自己免疫性のものである。 *G…

サルコイドーシスの病態生理(仮説)

サルコイドーシスとは… 両側肺門リンパ節、肺、目、皮膚などにT細胞および単核貪食細胞の集積を伴う原因不明の非乾酪性類上皮細胞肉芽腫性疾患である。多臓器疾患であり、病変局所では炎症が起こり、全身では細胞性免疫が低下する。 原因不明であるが感染性…

過敏性肺臓炎の病態生理

過敏性肺臓炎とは 真菌などの反復吸入により経気道的に感作され、3型、4型アレルギー反応に基づいて発症するびまん性肉芽腫性間質性肺炎。特定の場所・時期において咳嗽、呼吸困難、発熱などの症状を繰り返す。入院などで環境が変わると自然軽快する。 病…

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の病態生理

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症とは… アスペルギルスによって発症する呼吸器疾患のうち、アレルギーの機序によるもの。気管支・肺にアレルギー反応をお越し、喘息様症状と好酸球増加を伴い、一過性の肺浸潤像を示す。 病態生理 1:アトピー型喘息患…

ST合剤の作用機序

STが合剤なのはサルファ成分とトリメトプリムが微生物の葉酸合成経路を別々の機序で阻害するから。これによりシナジーが生まれて1+1は2以上になる現象。 葉酸合成系は人間にはなく、微生物のみにしか無いから有効に使える。微生物は葉酸合成系でテトラヒ…

捻髪音(fine crackles)と水泡音(coarse crackles)の違い

■ラ音について 胸郭内に由来する異常呼吸音のことをラ音(ラッセル音)という。連続性と断続性に分けられ、前者は気道が狭窄している病態を、後者は気道分泌物が多い病態を反映することが多い。 断続性ラ音とは持続時間が短い不連続なラ音のことをいう。これ…